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異世界なめんな転生者  作者: 園内 いつか
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転生トラック

新作!!といきたいところですが、随分と前に挫折した作品に再挑戦な感じの小説です。生暖かく見守っていただければ幸いです。

 この世には、否、この世の創作物には転生トラックというものがある。

 突如野生の熊のように出合い頭に襲い掛かってくるものもあれば、目の前で子供が轢かれそうになっているという良心に訴えかけてきたりと、シチュエーションは様々であるが遭遇した者の魂を引き摺り出しこの世界の神とやらの下に連れてくる、言わば神の使徒か悪魔の手先のような存在である。

 それが、まさに目前にありいともたやすく私の命は終わりを告げた。

 後になって考えてみれば、初めて出来た彼女に良いところを見せたかったのかもしれない。

 あるいは高揚感に浮かされていたのかもしれない。

 根拠のない万能感に動かされた私に現実は甘くはなく、それでも冴えない私が幼い命を守ったという、ある種の英雄的な充足感とともに凄まじい衝撃に襲われ、再び意識を取り戻したとき乳白色の何もない空間でおそらくは神であろう存在と対面していた。

 しかし、よくある話とは違い、男とも女ともとれるその顔には心底渋り切った表情が浮かんでいた。

 曰く、人にはそれぞれ定めた天命が与えられており、良きにしろ悪しきにしろ生涯をかけて全うして貰わなければ緻密に計算された世界が狂ってしまうこと、そもそもそういった蛮勇とは無縁で、例え、人が殺されそうになっていても見て見ぬふりをするようになっていたはずの私がそのような行動に出たことが理解できない、とのことであった。

 人をなんだと思っているんだ、と憤るより先に、足元が消えてなくなるような虚無感に襲われた。

 もっと不幸な人間はいるだろうと思いつつも、もう少しマシであって欲しいと思っていた人生は予め、そうあれかしと定められていたということなのだ。

 知りたくなかった真実を淡々と聞かされ、空しさに苛まれていた私に追い打ちを掛けるように、神とは認め難い存在は、何ということも無いように、それどころか僅かに安堵した気配を漂わせつつ、私という想定外があったとはいえ、もう一方は定めた通りの天命を全うしたことを告げられた。

 それが意味することは一つ、私はただただ無為に死んだということだ。

 もはや、何も聞きたくないと蹲り頭を抱える私を気にした様子もなく、ともあれ残った天命を消化してらわなくてはならない、しかしながら同じ世界に二度転生させるわけにはいかない、と言葉を続けた。


 そうして、私は転生した。

 そして思い知るのだ。世界が変わっったくらいでうまくいくものかよ、と。

  

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