先輩のぱい(ピルシカ視点)
「もう、サイテー」
「ちっくしょー」
クロピドに屋根から蹴り落された俺とフレカはなんとかガレキの山から這い出た。
着地は耐衝撃魔法で和らげたので怪我はない。
クロピドの野郎、こっちの話をきこうともしない。
そしてすぐに姿をくらましてしまった。
作戦通りガキを人質にとっているのに。
まあ、確保してるのはプロぱいなのだが。
本当は俺達は先に戻るよう指示をうけていた。
が、あんな屈辱的な敗北を味あわされて、黙って引き下がれるわけがないだろ。
あのクロピドの弱点を発見したのだ。
このチャンス逃す手はない。
あいつを倒したら俺たちは一躍有名人だ。
プロぱいも考えは同じだったらしく真っ先にガキを狙いに行っていた。
町を一人で能天気に歩いていたガキは、コロリとプロぱいの手に落ちた。
それはもう鮮やかなお手前。
まあ、男なら仕方ない。
ムスコが少しでも反応したらもうもっていかれてるのだから。
加えてあの格好だ。男なら皆ひっかかる。
プロぱいの色香魔法に罹らないクロピドの頭がおかしいとしか思えない。
俺なんかもう何回罹ったことか。
その度にフレカに叱られるが、懲りずにまたすぐ罹る。
あれに抵抗する術があるのなら教えて欲しい
予定ではあのガキを人質にして動きを止めた後、消滅魔法で消し飛ばすはずだったのだが、プロぱいに先を越された。
だがまだなんとかなる。俺達側がガキを確保したことには違いない。あとはプロぱいより先に脅しにかかれば問題なし。
そう考えていたのに、なんとクロピドの野郎はガキのことを全く無視して逃げ出したのだ。
これには焦った。
ガキがまだ残ってるだろ!置いていく気か!
なんとか馬車を止めて町の外に出るのは阻止したのだが……
「どうすんだよ。普通に攻撃してきたじゃんか」
「あの野郎、少しくらい人の話聞けってんだ」
「ガキがどうなってもいいのか」と脅す前に屋根から蹴り落されてしまったのだ。
「やっぱー 目の前にガキがいねーと効果ないんじゃねーの?」
「でもよープロぱいには言えねーし…っっっってえーーーー!!!」
いきなりフレカの踵が足の甲に落ちてきて俺は悶絶した
「何度言ったらわかるんだ!!プロぱいの『ぱい』は『先輩』の『ぱい』だって!」
プロぱいとは、プロパ=フェノンのことだ。
こう呼ぶ人は多いのだが、何故かフレカの前でこう呼ぶと怒られる。
断じて『おっぱい』の『ぱい』ではないのだが、何度言っても信じてもらえない。
「バッカじゃないの」と激おこぷんぷん丸だ。
フレカの方こそ、「クロピドやばくない?超イケてる!」と喜んでいただろうが。
死ね!




