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とばっちり(アトル視点)

 耳鳴りがおさまり、後ろを恐る恐る振り返ると地形が変わっていた。


 イニド姉弟が去っていった方向からクロいた場所の遥か後方まできれいにくり貫かれたように消滅していた。


 その威力の凄まじさに足が震える。



「クロ……」



 クロの姿が見当たらない。


 まさか


 まさかと思うけど今ので殺されてないよな?!



「きゃははっ!消し飛んだー!!」


 木も岩も地面も全て跡形もなく無くなり、見通しが良くなったその先に、さっきの二人が立っていた。

 フレカが歓喜の声を上げてピルシカに抱き着く。


 今のが四元素を混成させるっていう消滅魔法か!

 

 あったはずの川が消滅し行き場を失った水が、出来た穴に流れ込み新しい流れを作り、支えきれなくなった土砂や木々が次々倒れていく。



 喜ぶ二人の後ろにクロの姿が突然現われた。

 はじかれたようにイニド姉弟は振り返っていたが、すでにクロは刀を振り終えた構えをとっていた。


「殺った」


 はっきり見えたわけではないが、二人の首に刃の軌跡が走った気がした。

 以前の自分だときっと刀をふったことすら気づけなかっただろう。


 そのまま首が地面を転がり、体が血を噴き出しながら力なく倒れる……はずの二人だったが衝撃で若干よろけたのみだった。


「あっぶねーー!!オレ天才!!」

 ピルシカが安堵の声を上げながら自分の首が繋がっていることを確認していた。


 再びクロが斬り込んだ。今度こそ間違いなく入った。


 入ったはずなのに


 なのに何故倒れない?

 


 その後もクロはいろんな方向から斬りこんでいたがどうやっても刃が入らない様子だった


 二人の周りには、壁みたいなものができていた。

 だが、当の本人たちはクロの攻撃自体見えてないようで、明後日の方向をみながらうろたえている。


 あの壁も魔法か!




「ムダムダムダああああ!!!」


 へっぴり腰だったフレカとピルシカはクロの攻撃が通らないとわかるや否や勢いづいた。


 フレカの手から炎の球が発射される。

 それをかわしたところを今度はピルシカの水弾がクロを襲う。


 クロはそれすらも、危なげなくかわして見せた。


 息をつく間も与えず二人は魔法を打ちまくる。


 あたり一面に爆音が響き渡り、巻き上がる土埃が削られた地面を覆っていく。


 だが一向にクロに当たる気配はない。


 二人もあまりの命中率の悪さにイライラしているようだ。


 そもそもあのクロに当てるとか神業に近いだろ。

 今ワザと見えるように動いてるぞアレ。



 心配して損した。


 あまりに余裕すぎるクロの動きに安堵する。



 全然大丈夫だな。おとなしくキクの所に行っておくか。



 足を進めようとしたその時、イニド姉弟と目が合った。


 合ってしまった。




「っ!」


 瞬間、奴らの考えがわかった。



 今、キクの近くに行ったらまずい。


 キクとは反対の方向へと駆ける。




 背後に熱の気配を感じ振り返ると視界が炎に包まれた。




 ドンッ



 右肩にはしった衝撃で横倒しになり地面を滑る。

 地面が肌を削った。


 枝がバキャッと折れる音が近くで聞こえ目を向ける。


 煙を上げたクロが崖を落ちていった。


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