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米俵

 田んぼはここで止めるのは悔しいので結局やけくそ気味で完成させ、稲を植えてある。


 長期の仕事から帰って来たばかりのクロだったが、またすぐに仕事に出かけて行った。


「最近忙しそうじゃの」


 体を壊さないとええけどな


 心配するわしに「今回は大丈夫だろ」とあー坊はいう


「なんでじゃ?」

「ま、ただの勘だけどな」


 今回はクロの帰宅が楽しみで楽しみで仕方なかった。

 もしかしたら、ついでに米を買ってくるかもしれない。


 米が来たら、どうやって食べようか。

 やはり最初は、おむすびか。塩で握っただけのおむすびか。


 漬物でもあれば最高じゃの。よし、今のうちに何か漬けておこう。


 考えるだけでよだれが出てくる。

 ああ待ち遠しい。早く帰ってこんかの。


 そうして帰って来たクロが手ぶらなのにはがっかりした。


 いつもと比べて随分早いお帰りだったが、米を買ってくるのを忘れてしまったか。

 それともそれどころではなかったのか。


「手ぶらか?」とあー坊も意外そうに聞いていた。


 まあ、仕事だったんじゃから仕方ないか。

 いつものように、外套を受け取りお風呂の準備をしに行こうとしたら、腕を掴まれ引き留められた。

 クロをみると、何やらにこにこ顔だ。


「なんじゃ?」


 今日は元気のようじゃの。いつもは陰湿な空気を纏って帰ってくるのに。


「今回の仕事は大したこと無かったので」


 疑問が顔にでてたのかクロはそう言い添えた。

 小さなカバンに手を突っ込んだかと思ったら、そこからありえない大きさの物体が飛び出してきた。

 驚くわしらの目の前にドーンと置かれたその形を見るだけで胸がときめく。


 それは円柱状の形をし藁で出来ていた。


 昔懐かしの米俵


「こめじゃーー!!」

 感動のあまり思わず抱き着く。もちろん米俵の方に。


 米俵に頬ずりするわしを呆れた目でみながら「一体そのかばんはどうなってんだ」とあー坊がきく。


「ああ、四次元ポシェットですか?これすごく便利なんですよ」


 見せてもらうと、それは一枚の丸い皮布でできていた。外ぶちに紐が通してあり搾るときんちゃく袋のようになる。内側にはびっしりと今まで見たことないほど複雑な魔法陣が書かれており魔法石が縫い込まれていた。


「出し入れにMPを使うのが難点ですが」


「えむぴい?」

「マジックポイントの略……だったかな?」


「ほれみい。やはりポイントじゃ。わしの言った通りじゃ。最近は本当なんでもポイントポイントなんじゃから」


 ため息をつきながら頭を振るわしをみたあー坊が説明を求めてクロに目をやり、クロは困ったように首をかしげていた。


 どこで手に入るか聞いてみたが、これは自分用に特別に作ってもらったものだから手に入れるのは難しいらしい。



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