横取り
久しぶりの充実した狩に、俺達は上機嫌で帰路についた。
あの後飛び出した俺達は図鑑に載ってた通りの弱点をつき、あっという間にたおした。
アミオダロンの治療もしてあげ、時間が余ったので他のモンスターも狩にいった。
ソタロールの嫌がらせがなかったらこんなにもスムーズに狩が行えるのか。
俺も久しぶりに活躍できてほっとした。
◆
滞在先の街にもどると、周囲から視線をかんじた。
街の人たちがチラチラ俺達を見ている気がする。目を向けてみるがそらされ逃げていく。
……なんだ?
討伐の報告をしにフランに向かっている途中、ソタロールの奴等がゾロゾロ現れ道を塞いできた。
俺達が警戒していると、ボスのソタがニヤニヤしながら現れた。
「お前たち手柄を横取りしたんだってな」
「はあ?」
「だめだぜ?自分たちで倒せないからって横取りしたらよ」
何言ってんだ?いつも横取りしてるのはお前らの方だろう。
見るとソタロールのメンバーに交じってアミオダロンのメンバーも一緒にいた。
「お前たち、弱点分からずにやられそうになったところをアミオダロンに助けてもらったそうじゃないか」
「命の恩人の手柄を横取りするとは見下げた奴等だせ」
「……そいつらがそう言ったのか?」
アミオダロンの方をみるが誰一人こっちを見ようとしない。
「ふざけんな!」
「よくまあそんな嘘が言えるわね!」
「さいてー」
「おい、こっち見ろよ!」
俺達がアミオダロンに罵声を浴びせていると、ソタが庇うように前にたった。
「私達ちゃんと倒したわ!」
「まあだ言ってるよ」
「お前たちみたいな女子供の集団が倒せるわけないだろ」
「ろくに狩が出来ないくせによく言うぜ」
それはお前たちが横取りしていくからだろう!!
そうだ、ソタロールが一番よく知っているはずなのだ。俺達の実力を。本当はちゃんと狩が出来ていることを。
つまり、こいつ等に真実を主張したところで無意味ということだ。
なるほど俺達を貶めるのが目的か。
「ずっと失敗続きで焦ってたんだよな?わかるぜ気持ち」
ソタが、まるで旧友に寄り添うような優しい声を出した。
「だけどな、横取りは駄目だろ。フランにバレたら登録抹消処分だぞ」
なん……だと!?そんな馬鹿な話があるか!
「まあ、まだ初犯だ。ちゃんと返せたら目をつぶってやるよ」
怒りで手が震えた。
前に立つベラとアム兄からも怒りが伝わってくる。
許せねえ
どこまで汚いんだこいつら。




