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おばあちゃんが異世界に飛ばされたようです  作者: いそきのりん
大切なもの(アトル中心)
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モンスター図鑑

 まさか死んだ人を生き返させる魔法が存在するとは!


「そんなこと本当に出来るのか?」


「蘇生に成功したという話はあるけど、いざやらせてみると出来なくて正式記録には残っていない。瀕死の状態を死んだと勘違いしていたのだろうと言うのが有力説」


「まあ、そんなところだろうなあ」

 アム兄が腕を組んで頷き、ベラが嫌そうな顔をした

「死者を生き返らせるなんて気持ち悪い。悪魔の所業だわ」


「ま、悪魔も神様もあまりかわんないよ」

「そんなこと言っていいのかエセプロスタンめ」

「だってさあ、こんなに信仰心の薄い俺が神聖魔法使えてるし。神様って案外適当だなあって思うよ」

「ちなみに神聖魔法で一番すごい魔法は?」


「今のところ神聖魔法は再生魔法のジノ・プロストンが最高」

「なあにそれ?」

「斬り落とされた手とか足とかを再生させるの」

「えー!すごい!」


「ジル兄出来るの?」

「出来たら俺はいまごろ最高司祭になってるよ」

「もしかして最高司祭様がジノプロストって呼ばれる所以って……」

「この魔法が使えるから」

「やっぱりかあ」


 最高司祭様(ジノプロスト)……

 この家に出入りしていてたようだし何か関係があるんだろうな。


「それにしてもこの量の研究資料をみると狂気じみたものを感じるな」


 上から下までぎっしりとつまった本棚の列を見上げた。


「誰かどうしても生き返したい人がいたのかな」




 生き返したい人か。



 俺なら……


 両親の顔を思い浮かべそうになって思考を止めた。


 なるほど確かにこれは悪魔の魔法だな。


 蘇生魔法を求めて間違いなく争いがおこる。

 人を生き返すために人を殺さなきゃならなくなりそうだ。




 ◆





「おお!見てみろ!これ!」


 アム兄が大きめの本を拡げながら声をあげた。

 アム兄も文字は読める。ただ、シ・ツ・ン・ソあたりが怪しいようだが特に支障はないようだ。


 各地のモンスターについて書かれていた。


「あっ絵がある。これなら私にもわかるかも」


 ニフェが言うようにところどころにモンスターの絵が描かれている。


 複数人での共同作のようで下手な絵からものすごい上手い絵と差がはげしい。

 モンスターの名前、生息地、特徴、注意点、対処法、弱点等詳細に書かれている。

 これも書いた人の性格が表れていて一言のところもあれば何行にも渡って書かれているところもある。


「へえ。これは面白いね」

「すごいマメねえ……」

「これさえあれば、もっと効率的に狩ができるぞ!」

 アム兄が「借りて行っていいよな?」と嬉しそうに効いてくるのでキクに聞いてみたらと言っておいた。キクが反対するとは思えないが一応キクの所有物になるはずだ。


 こうして書斎探索は終了した。

 収穫はモンスター図鑑と、勇者は蘇生魔法の研究をしていたということが分かったくらいか。


 何を見つけたらどう、というものがないのでこんなものだろう。

 この量の書物全部に目を通すのは骨が折れるし、目的がはっきりしないのに読む気になれない。


 クロが何を探していたのかはわからないままだがそれはまあ仕方ない。

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