脱出 I
――さて、これからどうしようか。
とりあえず、なんとか奴らの殲滅はできたが恐らく奴らはまたやってくるだろう。
そう考えている時、孝一が口を開いた。
「奴らまた来るかな?」
「―――多分また来るだろう。そのとき、このバリケードがもつかどうか.....」
「なら、バリケードをもっと強化すればいいんじゃないの?」
「いや、数で押されてしまう。」
「少数であればこちらでなんとかできるが、大勢で来られると厄介だな。」
「こいつの弾も無限にあるわけではないですからね。」
と4人が議論していると
「―――あ、あのっ!」
今までずっと黙っていた弥生がしゃべった。
「こ、ここじゃもう無理なら別のところに移動すればいいのでは?.......」
「なるほど、たとえば?」
「た、例えば警察署とか....。あそこなら武器がたくさんあると思います。」
「確かに、そこにいけば警察が持っている銃が使えますね。僕は賛成しまーす!」
孝一がそう言い、手をあげた。
「ふむ、悪くない案だ。私も賛成しよう。」
「私も!」
「よし、それじゃここを脱出して警察署に行こう!」
「「おお!!」」
「あ、その前にルートを確認しておこう。ここは南校舎の三階だ。まず、ここから一階まで降りて靴箱から北校舎側に行き、そのまま正門から出よう。」
「あと、生き残りがいたら拾っていこう。仲間はたくさんいたほうがよい。」
「分かった。よし、行こう。」
悟真がゆっくりとドアを開け、奴らがいないかを確認した。
いないことを確認してから、全員がでて二階、一階と降りていった。
ここまでは順調だったが、靴箱前で問題が発生した。
「くそっ、奴らが多い」
「だな。反対側から迂回するか?」
「はい!反対側でもでることができます。」
が、反対側でも
「なんでだ?奴らが多すぎる。」
奴らはまるでそこを守っているようにいた。
「北校舎側に行こうにも、唯一つながっている通路の鍵がかかっているから行こうにもいけないな。」
「じゃあ、窓を割って外にでるか?」
「無理だよ!一回ならまだしも、二階からなんて無理。」
「なら、また奴らを一掃すれば―――」
「バコンッ!」
――!?
なんの音だ!?
音が鳴ったほうをみると、血まみれのシューズが転がっていた。
そして、横を見ると弥生の手に血がついていた。
恐らく弥生がやったのだろう。
最初は、なんでこんなことをしたと思っていたがその答えはすぐに分かった。
なんと、奴らはシューズのほうに向かって行った。
「に、逃げている時に思ったんです。もしかして、音に敏感なのじゃないかと....」
「「す、すごいな.....。」」
そこにいた全員が唖然とした。
「い、今です!」
「お、おう。」
音をたてないよう階段を降りていき、無事靴箱にたどり着くことが出来た。
to be continue......
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