ボッチの利点
こんにちは。たけるくん
ふと耳元でそんな声が聞こえた。たけるは自分が寝ていることに気が付きあたりを見回しながらあの日呼び出されてどうなったのかを思い出そうとした。
そうだった。呼び出されたところを見に行ってそのあと起きたらここにいた?
「すみません。あの、俺のこと呼び出したのあなたなんですか」すると
20代後半くらいの男が「そうだ。すまなかったな手荒い真似をして」
「危害を加えないって言ってましたよね」不機嫌そうにそう言う
「我々がこういう手を取ってしまったのには理由があってな。あの時きみは私に接触する前に物置のそばからこちらをのぞいていたろう?」俺はうなずく。「それで我々に敵対的な組織の人間だと思ってな。とりあえず眠らせたってわけだ」すぐに呑み込めないような状況で少し考えてから今の状況を整理する.
要するに俺は呼び出された場所を影からのぞいていたら敵と勘違いされて眠らされていまここにいる。というわけか。なるほど納得できない。
今俺は少し暗めの12畳程度の部屋にいる。奥にはパソコンが3台ほどありすべて電源がついていてよくわからないプログラムが動いていた。
「それでどうして俺が呼び出された人ってわかったんですか?」「君地図見ながら来ただろうポケットに封筒がはいっていたぞ」あ、そうかと軽くうなずき「それでなんで俺を呼び出してこんなところにまで連れてきたんですか。大体ここはどこなんですか」
「ここは我々の基地のようなものだ。」「まだ説明が終わっていないため場所は説明できない。」基地?ここはどこなんだ。「そうですか。それでなぜ俺を呼び出したんですか本当はあそこで何を話すつもりだったんです?」
すると男は少し考えた後説明を始めた「それでは本題に入らせてもらおう。君は友達何人いるかい?」いきなり何を聞き出すかと思えば友達の数?「一人・・・だけです。」すると男は安心したようにふぅと息を吐き「そうか。よかった」俺の友達が一人だからってバカにしてるのか?「俺の友達が一人で悪いですか!」
すると男は笑いながら「いやいや。とんでもない。我々の開発しているあるものがあるんだがそれの使用条件が不思議なんだがここ。火星で生まれ育ってあまり人と縁がない人の方が適応性あるんだよ。」なにそれそんな機械聞いたこともないし人と縁がないってバカにされてる気がする・・・「要するに俺がボッチそうだったから呼び出したってことですか?」
すると笑いながら「まあそういうことだな。」と言われた。俺ってそんなにボッチなのかなぁ。
別に友達が一人で生きていけるし!誰もいないよりましだし!と自分に言い聞かせる。
「ちょっとひどくないですかいきなりあった人にそこまで言われたらボロボロですよ!」
俺が大きな声でいうと男が「それはすまなかった。この通りだ」とお辞儀した。
「とにかく家に帰りたいんですけど今何月何日何曜日何時何分なんですか時計もないじゃないですか」俺は少し怒っているように言うと男は「ああ。悪い君を家に帰すことはできるが君は今の生活に満足しているかい?」