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ウサ耳生活  作者: heavygear
5/19

お前が悪い

この世界の神々は、こんなのばっかりです




 舞台は神々がおわす天上界へと変わる。


ウォンッ……ウォンッ……


 地上の様子を映す水晶が呻りを上げ、地上のある場所を映し出しておりました。

 水晶の前に佇むはローブ姿の神。

 知識の探究者にして魔術の神オーグリフです。

 瞳が開いているか判らない程の糸目な彼の表情が歪みました。

 何が水晶に映ったのでしょうか?

 魔術神オーグリフは水晶を掴むと、せっかちでどこか抜けている神の私室へと駆け出しました。




 ここは、戦神ダレイトスの私室。

 戦神ダレイトスは双六で遊んでいる最中でした。

 一緒に遊んでいるのは、画面が見切れる程の巨躯を誇る『神々のオカン』大地母神ガラティアであります。


 そこへ、バンッと扉を乱暴に開け、魔術神オーグリフは怒声を上げました。


「戦神ダレイトスっ!!」


 水晶を戦神ダレイトスへと突き出し、魔術神オーグリフは彼を責めます。


「地球からの産廃勇者の転生召喚は百年前に禁止されたはずですっ!

 これは一体どういう事なのですかっ!?」


 水晶に映し出されたものは、元おっさんのラフーでした。

 手から光弾を放つ姿が映っていますね。


「オーグリフ、彼を責めんといてやぁ。

 召喚座標がズレこんで、今頃地上に現れたやもん。

 時効や、時効」


「うむ、3の目が出た。

 1、2の3っと。

 次で2か5がくれば私の勝利ぞ。

 大丈夫、問題はない」


 水晶を一瞥した大地母神ガラティアは、戦神ダレイトスを擁護しました。

 その戦神ダレイトスは、双六盤に夢中のようで魔術神オーグリフの方をまったく見ておりません。


「だから時効とか関係が……」


「う~ん、ほんじゃまかアタイの番っと。

 よし、6が出ましたぁ!」


「むむむ」


「聞けよっ!」


 魔術神オーグリフを無視して二柱の神々は双六を再開します。

 無視された魔術神は足を踏み鳴らして怒りました。

 その衝撃で双六盤上の駒がバラバラと零れ落ちます。


「「あっ」」


「だーかーらー、我輩の言――」


グワッシイィッ!!


 魔術神の顔面がいきなり巨大な手で覆われます。

 遊びを邪魔され怒った大地母神ガラティアのハンギング・ゴッデス・クロー(アイアンクロー)が炸裂です。

 メリメリと素適な音色を奏でつつ、魔術神をプラーンっと片手で吊り上げます。


「何邪魔してはるん?」


「……ゴメンナサイ。

 頭潰されると流石の我輩も復活に超~時間掛かるんで、正直御免なさい」


「よし、許したろ」


 謝罪により、魔術神をポイッと手放す大地母神。

 哀れ魔術神の顔には手形痕が残っております。

 床に降り立ち、魔術神は仕切りなおす為一つ咳払い。


「おほんっ、勇者の転生召喚についてお話が、ですね――」


「セレスティアにも言うたが、放置と決まったのだが?」


「いえ、ですから――」


「アレは放置と決まった。

 以上っ!」


 最後まで聞くまでもないと、一刀両断な戦神。

 しかし、魔術神にもプライドあります。

 チュー出来そうなくらい怒りの顔を寄せて抗議しました。


「聞いてねーよっ!

 なんで相談しに来ねーんだよ、お前はっ!」


「あらあらまあまあ、二柱とも落ち着いてぇな」


「別に問題なかろう?」


「大問題だ、ド阿呆がっ!」


 どうにも不穏な気配が漂って参りました。

 互いの胸倉を掴んで二柱の神々は睨み合います。


「むっ、ヤんのかゴラッ!?」


「ヤってヤんぞ、こんド阿呆っ!」


 互いのオデコを何度もゴッツンコしながらメンチを切る二柱。

 一触即発です。

 神々による戦争勃発か?


「表へ出ろ!

 私の無限の槍で貫き滅ぼしてくれんっ!」


「やれるもんならやってみろっ!

 我輩自慢の魔術により永遠の眠りに――」


「喧嘩は止めてぇな」


ギリギリッ……ミシミシッ……


「「……ハイ」」


 大地母神により二柱の神々はプラーンっとアイアンクローで吊り上げられ、神々による戦争は回避されました。

 流石、大地母神。

 って言うか、弱いな戦神。




「おほんっ、まずはこれを見て下さい」


 先程のやり取りはなかったかのような状態で、魔術神オーグリフは再び仕切りなおしました。

 まあ、顔には未だ痕が残ってるのですが。

 水晶には、光弾を放つ練習をしているラフーの姿が映っていました。


「あらあら~、豆みたいに小ちゃな勇者やねぇ」


「まぁ、貴女のように無駄に巨体な持ち主と比べたら、大半のもっ――!?」


ギギギッ……


 三度目のハンギング・ゴッデス・クローが炸裂。

 今度は、大地母神の指先が光って呻って轟き叫んでおります。

 どうやら魔術神は要らん事言いなご様子。


「……で、この譲ちゃんのどこに問題あるん?」


「あだだだだっ!! 割れるっ! 色々零れたら拙いものが漏れるっ! だっ、誰かっ!」


「うわぁ、馬鹿よなアイツ」


 頭を掴みあげられジタバタ苦しむ魔術神。

 一歩引いて離れた戦神は彼の迂闊な発言に『ないわー』という表情です。

 当然、彼を助ける気もありません。


「それとぉ、アタイの身体がなんだって? ん?」


「問題ありまっしぇーんっ!」


 テイルバーグラン最強の神は大地母神。

 はっきり解んだね♪




「ゼーッ、ゼーッ……ま、まずはこれを見て下さい。あの地球産勇者のステータスです」


 頭部の形が若干変形した魔術神が、水晶の映像に加え、ラフーの能力を数値化したものを表示し始めます。


『名前:ラフー

 種族:ビスタ族?

 職業:幼女?

 HP:17/20

 MP:100/100

 ……』


「弱っ! なんやのこれ?」


 能力値を見た大地母神が呆れた声を発します。


「弱過ぎやわぁ。……ないわー。100年前の勇者はんらやったら、低くともマナ・ポイントは平均500前後はあったやん」


「まぁ、なんだな。……徐々に与える加護を強化する予定だったでな」


 言い訳をする戦神ダレイトスを、大地母神様は残念な子を見るような目で見下ろしております。

 神々の様子を他所に、水晶に映ったラフーは『シャイニングレーザー』を使用しました。

 数値の一部が変動します。


『名前:ラフー

 種族:ビスタ族?

 職業:幼女?

 HP:17/20

 MP:1/100

 ……』


「ここっ! ここです! ここを見て下さいっ!」


 MPの部分を指差し、魔術神は二柱の神々に注視するよう告げます。


「あん? 消費の大きい術を使うただけではないか?」


「ほやねぇ」


「だーかーらっ! よく見ろって!」


『名前:ラフー

 種族:ビスタ族?

 職業:幼女?

 HP:17/20

 MP:55/100

 ……』


「「え?」」


『名前:ラフー

 種族:ビスタ族?

 職業:幼女?

 HP:17/20

 MP:100/100

 ……』


 10秒程度でラフーのMPが1から100へと回復します。


「なんやの、この子? マナの回復速度が異常やわ」


「? それで?」


 大地母神はちょっと驚いているようですが、戦神ダレイトスは問題点がどこにあるかさえ気付いてないご様子。

 戦神の様子に魔術神の怒りがマッハであります。


「なんなんですか、この回復速度は!?

 魔術神である我輩に喧嘩売るような能力を与えるとか、何考えてるんですかっ!?

 光弾の練習を覗き見た時に気付きましたよ、我輩はっ!!

 2秒も掛からず回復とか、地球風に言うならチート能力ですよ!

 あぁ、クソッ!

 我輩も100年前の勇者に同じ能力を与えればよかった!

 そうしたら、セレスティアの勇者でなく、我輩の勇者が大陸の危機を救った可能性が――」


 ベラベラ喋り始めた魔術神。

 話の内容が途中から100年前の愚痴へと変わって行きます。

 もう愚痴になった時には、戦神と大地母神はドン引きして彼から距離を取り始めております。


「アイツ。自分の話になると口が止まらなくなって、かなり不快よな……」


「しばらく放っておき」




 ……20分経過。


「――ぐらいよな」


「なるほど。つまり以上の能力と道具しか与えていないのですね?」


「うむ。私の加護は転生召喚時に切っておるので、害無しと放置する事となったのだ」


「マナの超回復と神造合金製の戦斧、大量に荷物が入る鞄以外の強力な力は渡してないですね?」


「ない。

 それに、斧と鞄はあの遅刻した役立たずの馬鹿が死ぬと同時に塵へと還るようしておるわ」


「ならば問題なさそうですね」


 正気に返った魔術神に与えた能力を一応説明する戦神ダレイトス。

 マナの超回復なんかは大問題っぽいような気がしますが、神々と人間での感覚の違いでしょうか、スルーされるようですね。

 ただ、落ち着いて会話しているようですがこの二柱、互いの頬を抓りあったり、足の指を踏みつけあったりして小規模の喧嘩は続行中のようです。

 大地母神は、そんな二柱を放置して水晶を眺めておりました。


「ん~っ? ……なぁなぁ」


「どうしました?」


「どうした?」


 ラフーの様子を眺めていた大地母神が二柱の神々を手招きします。

 三柱の神々は顔を寄せ合って水晶を見つめました。

 ラフーが白銀に輝く林檎をフウフウ言いながら収穫しているところです。


「あん子の抱えちょる林檎やけど……」


「ほほう、大きな林檎よな」


「っ!? アレはまさか……」


 三神三様の反応です。

 大地母神は心配そうに、戦神は興味無さそうに鼻くそほじりながら、魔術神は驚愕といった様子でした。


「黄金の林檎は生らへんのやなかったん?」


「んあ? どう見ても白い林檎にしか見えんぞ」


「おそらく神性が不足しているのでしょう。

 しかし、まさか80余年の月日を得て生るとは我輩にも予想出来ませんでしたよ」


 小指についた鼻くそをどうするかお悩み中の戦神を他所に、大地母神と魔術神は水晶の映像に注視します。

 ニャーニャー嬉しそうに林檎を水洗いするラフーが映っておりました。


「もしかして、あん子?」


「えぇ、きっと食べるつもりのようですね」


「ん~っ……んじゃぁ、あの馬鹿死ぬな」


「神性は低いんやろ?」


「低いですが……。

 どのような神秘を起こすか予想がつきません。

 普通は神性に肉体が耐え切れず死亡すると思いますが……」


「放置でよかろう。

 あの馬鹿死ぬから」


「また、お前はそんないい加減な……っ!」


 物騒な会話をしながら、鼻くそ装備の戦神の腕を掴み抵抗する魔術神。

 画面の映像は林檎を食べるラフーへと変わります。


「ふむ、意外に旨そうよな」


「味はどうでも良いですが……って、ガキかお前はっ!?」


「わはははっ、えんがちょーっ!

 今日より鼻くその神を名乗るが良いわ」


 何時の間にかローブに鼻くそを付けられた模様。

 ヒャッホーイっと、嬉しそうに私室から逃亡する戦神であった。

 あの一柱、一応戦神だよね……?


「……あの野郎っ!」


 ローブの裾をゴシゴシと擦り、鼻くそを落とそうとする魔術神。

 子供っぽい二柱の行動を微笑ましそうに見つめた大地母神は、本題に戻そうとします。


「で、鼻くそ神?

 アレ加護のないあん子が食うても大丈夫なん?」


「我輩は知識の探究者にして、魔術を生み出せし偉大なる魔術神オーグリフですっ!

 鼻くそ神ではありませんっ!

 ……っと、あーっ、我輩の真実を見抜く目によりますと」


「よりますと?」


「あの出来損ないを育てた肥料、肉体を持っていた頃のガラティア殿の母乳が混じってますよ」


「あららー、2600年前のもんがまだ残っとったん?

 ほんなら賞味期限切れやろ。

 可哀想やなぁ、あん子。

 あない美味しそうに林檎食うてはるに……」


「どうでしょうねぇ?

 場合によっては生き残る可能性もあるのでは?」


「いくらなんでも、アタイの神秘も期限切れやろ?

 ほれ、水晶見てみ。

 今、めっちゃ苦しんどるやん」


「あっ」


 水晶には、お腹を押さえて倒れこむラフーが映っておりました……。

 



 神々に見られているとは露知らず、元おっさんの幼女ラフーは絶賛悶絶中でありました。

 顔は真っ青、お腹はゴロゴロ、厠へも行けずに七転八倒。

 歩く気力すらないらしく、下半身が少々はしたない状態へとなっていました。

 こんな無防備な状態で、もし野生の獣に襲われでもしたら、きっと一溜まりもないでしょう。

 なんて言うか幸薄い子ですねぇ。


ギュルギュルギュルッ……

プピィーーッ……

ジョバアァーーーーッ……


「うぅ、うにゃぁぁぁ」


 音にすると放送コードに引っかかりそうなBGMが、ラフーの拠点に響きます。

 頑張れラフー。

 上手く耐え切れれば、欠片程度の神性を手に入れる可能性が出るぞ!

 ファイトだ。


「こにょみゃみゃじゃ、し、死んじゃうぅっ」


ググルギュルギュルッ……


 汚い状況だが、絶体絶命のピンチだ。

 起て!

 立ち上がるんだ、ラフー!


「あぅあぅ~っ」


 あぁ、どうも駄目っぽい。

 ナレーターも嫌がるレベルの実況なのがいかん。

 それに、戦神の加護がない為かどうにも勇者っぽくないのが駄目だ。

 ほれ、頑張れ。

 でないと、ナレーターもラフーを放置しちゃうじゃーん。


「うにゅぅぅっ……う……」


 ドンドン弱ってゆくラフー。

 神様アイでステータス確認したら、命を表すHPが残り1になってるじゃんよっ!

 ちぇ、詰まんねぇじゃん。


「う……スグ……」


 おっ?

 ラフーの霊力が活性化しだした。

 起死回生の一手か?


「スグ・“ニャ”オールッ!」


シ~~~ンッ


 あ、霊力が散った。

 なるほど、状態異常を回復させる魔法を使おうとしたようですね。

 はて?

 どうして失敗したのでしょうか?

 ラフーには、転生時に5つの魔法経路がプレゼントされてるはずなのですが……。


「スグ・ニャオーリュッ!」


「スギュ・ニャオールッ!」


「うっ、グスッ……スグ・ニャオールッ!」


シ~~~ンッ


 霊力が散るばかりで、ちっとも魔法が発動されませんねぇ。

 なんか見てて哀れになってくるじゃんよ。


「ウナーーーッ!」


 あ~あ、ボロ泣きしてんじゃん。


「ナーーーッ!」


 残念、勇者ラフーの冒険はここで終ってしま――。


「スグ・ナオールッ!」


パアァァ~~~ッ


 活性化した霊素によって癒しの力を秘めた光が集まり始めました。

 癒しの光がラフーの身体を覆います。

 光に包まれ、今にも死にそうだったラフーの表情に血の気が戻り始めました。

 神様アイでステータスを確認したら、命を表すHPが9まで回復してるじゃんよっ!

 やるじゃん。


「……すぅすぅ」


 ラフーは、どうやら気力を使い果たして眠ってしまったらしい。

 おめでとう、君の冒険はまだまだ続く。

 今は、糞尿塗れで眠るがいい。

 って汚いよ!




 さて、舞台は神々がおわす天上界へと戻ります。

 大地母神様、絶賛大笑い中で御座います。


「プーッ、クスクスッ!!

 なんやの、あの子」


「まさか、治癒魔術でも高位の位階にある状態回復を土壇場で使うとは――」


「ちゃうちゃう、ちゃうて」


「?」


「あん子な、上級回復魔法使える事、たぶんギリギリまで思い出せへんかったんよぉ。

 思い出してみ?

 100年前にアタイらが転生召喚した勇者はんらにも同じようなポカした子おったやろ?」


「……あぁ、確かに」


「そいでな。

 あん子、猫っぽいやろ?

 『ナ』が上手く発音出来へんねん」


「……ぷっ」


「なっ、おもろいやろ?」


「くくくっ、確かに」


 二柱は揃って大笑い致しました。

 一頻り笑うと、鼻くそし――いや、魔術神オーグリフは額に開かれた真実を見抜く目を水晶に映るラフーへと向けます。

 どうやら、神性なり神秘なりを得たかどうか調べる為でしょう。


「むっ」


「あん子、どないなってん?」


「……神性を得ましたね」


 こりゃ凄い。

 ラフーちゃんパワーアップの予感。

 どんな神性を得たか、大地母神ガラティアも興味津々であります。


「加齢停止ですね。

 後は……え?」


「後は?」


「……体臭が甘いミルクのようになります」


「え?」


「え?」


「何アホな事いうとるん?

 あん子、すでに乳臭い童女やん」


「あ、いえ、我輩の真実を見抜く目の鑑定結果なので、その……なんと言いますか」


 鑑定結果の説明にしどろもどろになる魔術神。


 たぶん、大地母神の母乳による神性なのでしょうね。

 何時までも乳臭い幼子になるという、ね。


「プーーーーーッ、ワーーハハハハハハハハッッ!!

 なんなん、それ?

 アタイを笑い滅ぼす気かいなっ!

 ププーッ!」


「…………」


 魔術神は思った。

 あのいい加減な戦神の所為で、何時も精神的に疲れる破目になる。

 よし、戦神の阿呆を後で絞めよう、と。

 しかし、今は――。


「うひゃひゃひゃひゃっ!

 阿呆だ、阿呆!

 度し難い程の阿呆だっ!

 うひゃひゃひゃひゃひゃ……」


「ワーーハハハハハハハハッッ!!」


 と、大地母神と一緒に笑いあうのであった。

 加齢停止は兎も角、神性が乳臭いって何だよ、と。


「むむ、なんか楽しそうだな?」


 馬鹿笑いする二柱の様子を扉の影からこっそり見守る戦神が仲間に入れて欲しそうに眺めておりました。


「おい、何ゆえアイツらは馬鹿笑いしとるのだ?」


 おや?

 ナレーターの私に御用ですか?


「黙っとらんで、答えい。

 旅人の守護者にして、神々の伝令役たる風神ヘルヴァリよ」


「あー、なんつーの。

 テメーの転生召喚したー、ラフーっちがよー。

 くたばるまでー、一生ミルク臭ーロリータなケモッ娘にー、なったじゃんよ」


「相変わらずムカツク話し方だな」


「テメーが言うなじゃーんっ!

 つーかよー。

 皆思ってんよー。

 いい加減な転生召喚したお前が悪い!」


「なっ!」


 自業自得だってばよ。

 怒るんじゃなくて、反省してくれよなー。


「そこに直れ!」


「嫌じゃーん」


 戦神が怒って槍を構えるが、私――いや、ミーはさっさと逃げ出すじゃんよ。

 捕まりませーん。

 それに、物語のナレーターは目立っちゃいけないじゃーん。


 バッハハーイッ!

第三者始点だと思った?

残念、ミーは風神ヘルヴァリ様じゃんよ!

次回もよろしくーじゃんよ!

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