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レヴオル・シオン  作者: 群青
第二部 「魔王の章」
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第73話 第三魔導学院1 ~襲撃編~


 転移魔法陣と神隠しは似て非なるものだ。


 どちらも1秒にも満たない一瞬の間の出来事だが感覚が違う。

 転移魔法陣は本を1ページめくる感覚、神隠しは何十ページもまとめて……或いは本ごと取り替える感覚……

 どちらもかかる時間は大して変わらないが、自分を取り巻く環境は大きく異なる。


 そもそも転移魔法陣ってなんだ? デクス世界では魔法陣は全く研究されてない。魔法が廃れた時に魔法陣の技術も失われたらしい。

 もっとも事情はシニス世界もそんなに変わらない、あちらでも日常生活の中で目にする機会は皆無だ、新たに魔法陣を設置できるのは魔法の得意な耳長族(エルフ)か一部の上位種族くらいだろう。


 いや…… 一人だけ例外がいた、我らがギルドD.E.M. の肉壁ことジークだ。

 あの不能の王は自ら魔法陣を設置して霧の結界を生み出したんだ、恐らく人族(ヒウマ)最年長で長命種より長生きしてるあの男は、ある意味魔法陣の権威だったんだ。


 ただの装甲板としてしか見てなかった…… 大失敗だ、こんな事なら魔法陣の事を聞いておけばよかった。




 俺達が転移した先は森の中だった、魔宮の外か中かは判断できるものは無いが、恐らく外だろう。

 空気が少し臭い。

 神隠しに遭った時は分からなかったが、戻ってくると結構臭う事に気付く。排ガスなり鉄なり油なり…… 文明の匂いだな。


「こ……ここはどこだ? 外に出られたのか?」

「まだ分かりませんが、恐らく外の世界です。魔宮が本当に一階層だけだったのは運が良かった。

 下手をすれば何百年も出て来れなかったんですからね?」

「そ……そうか…… よかったぁ~~~!」


 良かった、どうやら夕飯までには帰れそうだ。一時はどうなる事かと思った。


「とにかく森を出ましょう、そんなに学院から離れていない筈です」


 へたり込んでる先輩を置いて歩き出す、方角はオーラの密度を見て大体の予想をつけた。

 少し歩くと森が開けてきた、やはり学院、街の近くのようだ。


 見晴らしのいい丘へと至る、遠くには街と学院が見える、どうやらちゃんと戻ってこれたらしい…… さすがにソックリな別世界って事は無いだろう。それにしても…… 信じられない。


 いや、戻ってきたのは間違いないが信じられないモノが目に写っているのだ。


 遠くに見える学院の上空に未確認飛行物体が浮いているのだ、その形態は持ち手の無い巨大なドライヤーが浮いてる様だ。宇宙船…… 宇宙空母が実在すればあんな感じかもしれない。


「な…な…な……なんじゃありゃーーーーー!!??」


 先輩が元気よくシャウトする、俺も全く同じことを思ってた。なんじゃありゃ?


 宇宙人か!? 宇宙人が攻めてきたのか!? 何の前触れも、伏線も、フラグも無しに!?

 そうだな、アイツらの侵略はいつだって唐突に始まる。

 ある日突然攻めてきて、話も聞かずに無差別攻撃。地球に大打撃を与えて、調子に乗ってたトコロをちょっとしたことで逆転されて、最後は負ける。


 大丈夫、バリアさえどうにかすればミサイル一発で落とせるさ。俺達の戦いはこれからだ!



「あれって…… テリブルかな?」


 女神様は冷静だった、そうだよ、宇宙人のワケ無いだろ! いや、テリブルの正体は不明だし宇宙生物の可能性もあるが……

 とにかくアレは攻撃性異形変異生物群・大型種…… αテリブルだ!


「あ……あれがテリブル? 春先に現れた奴等とはずいぶん形が違うな?」


 確かに先に現れた5匹は一応生物と分かる形をしていたが、アイツは正にUFOだ。少なくとも生物には見えない。

 しかし人がちょっと目を離した隙にやって来るとは、ホラー映画のお化けみたいなヤツだな…… ん? 俺と琉架が居なくなると同時にやってきた?


 まさかな……


 学院には今ザック先輩とノーラ先輩がいるんだ。

 どんな事件でも自分中心に起こると思うのは例の病の患者特有の症状だ。気を付けなければ。


 そもそもなんでアイツはココに居る? 大型種は南極からやって来るんじゃ無かったのか? そんな情報は一切無かったはずだ。

 それとも小型種同様、突然現れたとでもいうのか?


「神那」

「あぁ、とにかく急いで戻ろう」


 もしあのαテリブルが空母みたいな役割だったら…… ヤバイ事になる。


「ま…まて! ココに居た方が安全なんじゃないか? 今日は一日中叫びすぎて喉が痛いんだが……」

「だったらここで待ってて下さい、後で迎えに…… は来ないから自分で歩いて帰ってきてください。

 5kmも歩けばタクシー捕まえられるところまで行けますよ」

「わ……分かった、行くから積極的に置き去りにしようとしないでくれ」

「そうですか、では今回は超特急で飛んで行きましょう」

「へ?」


 その言葉を受けて琉架が『星の御力(アステル)』で重力を遮断する。


「第7階位級 風域魔術『空圧』コンプレス × 第4階位級 風域魔術『風爆』エアロバースト」


「ダ…ダブルスペルだと!?」


 空圧(コンプレス)で姿勢制御と対風圧防御を行う、ここまではさっきと一緒だ。

 しかし今回は風爆(エアロバースト)を推進力に使ってみる。


「ちょ…ちょっと待て!! 君はいったい何なんだ!?

 反魔法(アンチマジック)が使えて、第2階位級魔術が使えて、更にダブルスペルの使い手だと!?」


 初めて使う組み合わせで集中力が必要なんだ、なので先輩の声は黙殺する。

 そう言えばダブルスペルを合成させずに使うのも初めてだ…… まぁ、たぶん大丈夫だろう。最悪の場合でも女の子たちだけは守って見せる。


「行きます!」

「ちょ……まて! 慣性の法則とかGとか色々……!!」


 ドゥン!!


 4人は初速からトップスピードで飛び出していった…… 真上に……

 そして周囲の樹はなぎ倒され、小さなクレーターだけがその場に残されていた。




---




 時は少々遡り、PM3:00

 中央校舎・大講堂


『ただ今よりAグループ突破、チーム・デスティニー 対 Fグループ突破、チーム・レジェンドの決勝戦を始めます』


 その様子を特別観覧席から眺めていたザックが深いため息をついた。


「ハァァァ~~~…… いくらなんでも低レベル過ぎる。あの程度で決勝進出とか、これもお国柄ってやつかねぇ?」

「確かにこの国はここ100年、どの戦争にも絡んでないからね。平和ボケってやつ?」


「これであの二人が俺達より序列が上ってのがますます信じられなくなった」

「そうね…… でもそれは持って生まれた才能によるでしょ? 少なくともカミナ君はクセ者よ?」


「だからだろ、何か上手いことやりやがったんだ」

「上手いこと……ねぇ」

(カミナ君には私の誘引蠱惑(テンプテーション)が効かなかったのよ?

 何をどうすればそんな事が出来るの? 正直彼らは得体が知れない)


「とにかくそのクセ者の実力を見なけりゃ納得できん。もちろん強ければ認めるが…… まったく強そうに見えないけどな!」


 ビーーーーー! ビーーーーー!


 突如耳障りな警報音が鳴り響く、発生源を探そうとすると隣のブースから睨まれる。ようやく自分が発生源だと気付く。


「くそ! 何だよウルセーな! こんな音出すモノ持ってたっ…… え?」


 警報音を出していたのはガーディアンから支給された携帯端末。

 αテリブル出現を知らせるアラームだった。


「は? 嘘だろ? もう半年以上音沙汰無しだったくせに、今ここで出るか?」

「待って! 目的地はここ第三魔導学院…… 目標到達時間が……15分後ってどういうことよ!!」


 ウゥ~~~~~~!


 その頃になってようやく学院の警報が鳴り響いた。

 同時に天井付近の超大型ディスプレイに外の風景が映しだされる。そこには見たこともない飛行物体が浮遊している。

 その冗談みたいな見た目のせいだろう、まだ現実味が湧かないのかザワついているだけでパニックは起こらない。

 しかしそれも時間の問題だろう、テリブルがココ(・・)に向かっていると知れば大混乱に陥るのは火を見るより明らかだ。


「くそ! 何でいきなり超接近されてんだよ! 監視システムの運用始まったばかりだぞ!! 何でスルーされてんだよ!! これじゃ準備どころか避難の時間もねーぞ!

 ノーラ、アイツら…… 霧島神那を呼び出せ、ムカつくがココではアイツが一番序列が高い。アイツの指揮下に入るぞ!」


「そ……それが……」


 ノーラは手にした端末を見せる、ソコに表示されていたのは“SIGNAL LOST”と点滅する文字だった。


「あいつらぁ~! ホントに一体何なんだよ! (ことごと)く人の予想を裏切りやがって!!」

「居ない者は仕方ないでしょ、ザックが指揮をとって」


 ディスプレイに映し出された大型種は小型の飛行種を引き連れている。

 テリブルは人が多い所を狙う習性がある、どうやって感知しているのかは不明だが、恐らく魔力密度に惹かれているのだろう。8000人近い魔導師がいるこの大講堂こそがアイツの目的地だ。


 アレはとても一人では手に負えそうに無い。


「無理言うな、俺が一番前に出なきゃいけないんだ、全体の指示はノーラに一任する。

 教師と魔力戦闘Aランクの生徒に要請を出せ、役に立つか分からんが仕方ない。とにかく時間がなさすぎる。

 後、一般生徒にはなるべく情報を出すな、集団パニックが起こりうる、せっかく全員シェルター代わりになる大講堂に居るんだからな!」


「了解、指揮と情報収集と連絡はこっちでやるから、ザックも気を付けてね?」

「あぁ! 後あいつ等の捜索も頼む、マジで腹が立ってきた!」


---

--

-


 ザックが南側校庭に着いた頃にはαテリブルは既に上空に辿り着いていた。

 しかし次の行動に移らない。


「何だ? 小型飛行種にも動きが無い…… 何か不気味だな…… アイツらは本能で動いてるんじゃ無いのか?」


 上空で沈黙しているαテリブル、その前面部に大きく開いた口の辺りで何かが動いている。


「な……なんだ?」


 唐突に口から何かが飛び出してきた。数は6つ、それは校庭に着地……というより、墜落した。


 ズドドドドン!!


「なっ!?」


 もうもうと立ち上る土煙の向こう側から何かの姿が見える、そのシルエットは人に近い……

 現れたのは、未だ世界で確認されたことの無かった人型のβテリブルだった。


「ひ……人型種だと?」


 身長はおよそ2.5メートル程と大きいが、明らかに人とは違う。そもそも人型と呼んで良いのか…… その生物には頭部が無いのだ。

 首の部分が盛り上がり、そこに目と口だけが付いている異様な姿だ。右腕は手首の辺りから直接2メートル程もある巨大な剣と繋がっており、左腕も手首の辺りで切れて空洞になっている。そして身体は昆虫の様な表皮に覆われている。


「キモッ!! 何だコイツ!!」


 その声に反応するように、6体の人型種が突然動き出した。

 3体はこちらに向かって突っ込んでくる、1体はまるでこちらを観察するように少し後ろに下がった。そして残りの2体は中央校舎の方へ向かって行ってしまった。


「しまった!!」


 しかし追いかける余裕は無い、初めて相対する敵と3対1になってしまったのだから。

 敵は連携など頭に無いかのように無秩序に突っ込んでくる、3体同時にだ。


「『炎熱氷冷(プラマイ)』ヒートハンド!!」


 ザックがかざした右掌から強烈な熱波が放たれる、しかし3匹は物ともせずに迫ってくる。先頭の1匹が大剣で斬りかかる、その剣がザックの右掌に触れた瞬間、接触した場所が一瞬で融解して溶け落ちる。

 人型種は大剣の3分の1を失った所で攻撃を止め距離をとった。3方向へ広がりザックを睨みつける。


「ちっ! 思ったより反射神経が良い、あの勢いで突っ込んできてアレだけしか燃やせないとは」


 ザックは魔神器から一本の銀色の槍を取り出す。槍の穂先が柄の両端についている両槍、かつてシニス世界からの帰還者が持ち帰った神聖銀(シルラル)を加工して作った特別製で、ザック専用の特殊伝導体魔器である。


(こうなったら速攻でこいつらを倒して校舎へ向かった2匹を追いかけて…… いや、増援が来る前に空の上のデカイのを何とかするべきか? しかし降りてきてくれないと攻撃のしようがない! そもそもあんなデカイのを地上に落としたらとんでもない被害が出る! くそっ! ヤバイぞコレ! もしかして詰んでねぇ?)


「とにかく目の前の敵を倒す! 倒してから次のことを考えるんだ!」


 槍を両手で構え飛び出す、目標は中央の個体、さっき大剣を溶かしたヤツだ!


「『炎熱氷冷(プラマイ)』ヒートハンド・クールハンド!!」


 槍の両端に熱と冷気を纏わせ、体ごと回転させて敵に叩きこむ。


 ギィン!!


 右腕の大剣で防がれる。


 人型種が反撃で大剣を振り下ろす、それを槍で捌き体を捻らせ相手の懐に潜り込む。無防備になった胴体を冷気の槍で突く。


 ガキッ!!


 人型種は後方へ吹っ飛ぶ、貫けなかった…… 見れば胸部の表皮は砕けている。


「こいつ鎧を着てるのか? いや、装甲種の盾と同じか?」


 突撃種の剣、装甲種の盾、まさか……!


 人型種たちが空洞になっていた左腕を構える。


 ドドドドドド!!


「やっぱり砲撃種の魔法弾か!! うぉお!? ちょっと待て!!」


 神聖銀槍を回転させながら体の前で∞字軌道で振り回し三方向からの砲撃を弾き飛ばす。


「くそ! 三種類の能力を持ってるのかよ!!」


 砲撃が止むまで堪えてから反撃に出て一撃必殺で仕留めるしか無い! そう思った時、中央の一匹、鎧を砕かれた個体が砲撃を止め一歩下がる。


「何だ?」


 背中分の表皮がガルウィングドアの様に開かれ、昆虫のような羽が姿を現す。乳白色の羽はものの数秒で乾燥し羽ばたき始める。


「おい……! 冗談止めろよ! 飛行種もかよ!!」


 ビイイイィィィィィ!!


 羽を細かく震わせまるで昆虫の様な飛行音を響かせながら飛び立った、その飛行速度は予想していたより遥かに速い、援護の望めない孤立無援状態、今 上を取られたら殺られる!


「全身 鎧で覆われていて、何であんな速度で飛べるんだ!?」


 頭上で一周ぐるりと飛び回ると、狙いをすまして飛び込んでくる。大剣による攻撃をするつもりだ…… アレを無防備で喰らうわけにはいかない。


「『炎熱氷冷(プラマイ)』スチームバトン!!」


 神聖銀槍から大量の水蒸気が噴き出し、全員の視界を一瞬塞ぐ。ザックは防御をやめてその水蒸気に紛れ、その場に突っ込んできた人型種を迎え撃つ。


 ドシュ!! ドン!!


 水蒸気の塊から飛び出してきたのは上空から攻撃してきた人型種の方だった。その胸には熱槍によって貫かれた傷跡があり炎が吹き出していた。

 その炎は敵を焼き尽くすまで消える事は無く、負傷した者の命を奪っていった。


 ザックは大剣による突撃攻撃の方がより深刻なダメージを受けると瞬時に判断、魔法弾による攻撃を無視してカウンターを決めた。

 しかし大剣よりはましとは言え、魔法弾の攻撃も軽視できない程の威力がある。

 ザックは決して軽くないダメージを受けていた。


「く…… 対魔王を想定した1対1の訓練ばかりしてきたツケが回ったか! 俺もここの学生を笑える立場じゃ無かったな!」


 目の前には無傷の人型種が3匹、それに中央校舎に向かったのが2匹、ここの学生たちじゃ相手にならない。

 せめて1対1を6連戦で戦えればこんな事にはなって無かったのに!


 奥に控えていた1匹が前に出て来る。もう一度3対1で攻撃してくるつもりのようだ。


 ……これは ……マズイ! せめて1匹ずつ来いよ!

 こいつら今までのβテリブルとは明らかに違う、拙くとも戦術の概念を持っている。


 3匹はザックを取り囲むよう配置につく、そして今にも飛び出そうとした時だった……



「………~~~---ぁぁぁあああ!!!!」


 悲鳴のような声が聞こえてくる…… 真上から。


 ヒュン!! ドゥゥゥン!!


 直後、ザックの真後ろに何かが落ちてきた。その瞬間 凄まじい暴風が周囲に吹き荒れる!

 ザックはもちろん、3匹のβテルブルも吹き飛ばされた。


「な…なんだ!? 敵の援軍か!?」


 ザックが見たのは地上数十センチに浮いていた…… 今し方、隕石のような勢いで落ちてきた4人が校庭に降り立つ瞬間だった。



---



 目標地点に辿り着けた。


 ギュム


 俺は琉架と真夜を両腕に抱え…… 天瀬先輩の上に立っていた。


「あ、すいません先輩、上に乗っちゃって」


 何とか無事にたどり着けた。琉架の張った重力遮断フィールドがイナーシャルキャンセラーの役割を果たしてくれたらしい、ヤバかった…… なければきっとケツから内臓ぶちまけて死んでたな。

 でもよくよく考えれば跳躍衣装(ジャンパー)でも、運動エネルギーの無効化は出来たんだな。ちょっとテンパってた。テヘペロ☆


「い……生きてるのか? なんて一日だ…… 生きてるって……素晴し…い……な……」ガク


 どうやら先輩の精神力が尽きたらしい、踏まれて逝くとはマッゾサイエンティストに相応しい最後だ。我が足元で安らかに眠るがいい、狂気の変態科学者よ。


「き……霧島神那?」

「ん?」


 名を呼ばれて振り返ると…… なんかザック先輩がボロボロになっていた。

 あ…… ヤバイ! もしかして事故った? 俺達の着陸に巻き込んじゃったかな?


 これは謝罪と賠償を要求されるぞ? 何せ相手は訴訟大国出身者だ。

 まいったな…… 創世十二使の序列を要求されるくらいで済めばいいんだが……


 そこで気付いた、他にも3名ほど巻き込んでしまっていた様だ。

 のそのそと起き上がってくる、初めて見る人たちだな? アレはどこの国の人だ? ぶっちゃけ人に見えないんですけど……


 …………


 人じゃねーじゃん! 良かったー、人じゃ無いなら賠償責任とか発生しないよね? アレがザック先輩のペットとかじゃない限り。


「ザック先輩、あそこにいる奇怪な生物は先輩のペットか何かですか?」


「それはいつもの笑えない冗談か? それとも笑えない本気か?」


 どうやらどちらにしても笑えない事態らしい。目がマジだ。


「お前達この緊急事態に今までどこに…… いや、そんな事はどうでもイイ!! とにかく手伝え!! 仕事だ!!」


 アレはβテルブルらしい、人型種なんて初めて見るな……

 天瀬先輩が言った通りだ、まったくなんて一日だ。




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