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レヴオル・シオン  作者: 群青
第一部 「異世界の章」
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第6話 最凶の魔王

 私は初めてお仕事というものを体験した。

 私が受けたクエストは「魔石魔力注入」の作業。魔石という魔力を貯蔵する働きがある石に、魔力を込めるという至って単純な作業。

 私の担当は大型魔石の作業。ひとつ満タンにするだけで1万ブロンドにもなる。でも買うと7万もするらしい。少々理不尽だが自分の仕事を一生懸命こなす。


 夕方には作業が終わる。私が魔力を込めた魔石の数は40個。普通はどんなに頑張っても20個前後が限界らしい、初めての仕事で少し張り切りすぎたかな。かなり疲労したが心地いい疲れだ。


「今日はよく眠れそう」


 気分よく集合場所に行くと神那が先に待っていた。

 なんだか様子がおかしい? 話しかけてもいつもの無表情の神那だ。でも私には理解る。この表情は「触れてほしくない」顔だ。何があったのか凄く気になるが触れないでおく。


「私の方は40万ブロンドになったよ。神那はどうだった?」

「そうか…すごいな、俺の方も色を付けてもらったが30万ほどだったよ」

「これだけあればしばらく旅をするにも困らないよね?」

「………ふく」

「え?」

「いや、なんでもない」

「??」


 今日の神那はやっぱりおかしい。早く帰って休んでもらおう、きっと慣れない仕事で疲れてるんだ。


 元気のない神那を励ましつつ宿へと戻った。


---


「うわぁーーっ!?」


 翌朝、俺は勢いよく起き上がった。悪夢を見たのだ。


「ん~? ど~したの? 神那~、こんな朝早くから~」


 ついたての向こうから琉架の眠そうな声が聞こえてくる。琉架は朝が弱い、まだ半分寝てる。


「すまん…何か悪夢を見たようだ。思い出せないが…」

「クスクス…なにそれ~」

「出発までまだ3時間以上ある、もう少し寝てていいぞ」

「うん~、そ~する~」


 二度寝して悪夢の続きを見るのは御免だ。出発前に風呂にでも入るか。


---


 商業都市ギルデロイ 北口


 馬車の数が30以上ある大商隊と護衛を請け負った冒険者たちが集まっている。

 その中に手ぶらでやってきた霧島神那と有栖川琉架がいる。制服姿なのでトラベラーなのは一目瞭然、魔導師の実力も知っているのだろう。特に絡まれることもない。

 

 そこにもう一人トラベラーとおぼしき人物がいる。


「また出たよ、まさかストーキングされてないよな?」

「あ~、だめだよ神那、そんなこと言っちゃ」


 3人目のトラベラー、エルリア・バレンタインは多少身綺麗になっているようだった。見るからに安物のローブを制服の上から纏っている。腰にはレイピアだろうか? 剣が下げられている。

 今は夏だ。この暑いのによくあんな物を纏ってられるな、これから行くのが砂漠なら納得の装備だが…


「防魔衛星都市アレスへ行くなら商隊について行くのが都合がイイって神那も言ってたでしょ? 道に迷う心配もないし、お金も稼げるからバレンタインさんもきっと…」

「琉架がアイツを怖がらないなら、俺はなんだっていい」

「こ…怖がってなんかないよ!?」


 これから1週間、一緒に旅をする相手だ。その内どこかで打ち解けるかもしれないな。

 もしかしてそれを狙ってこの護衛任務をうけた? 考えすぎか…


「みんな聞いてくれ! 俺は護衛隊のリーダーに任命されたエイビス・ブラウンだ。それぞれの持ち場を説明する」


 俺と琉架、それにエルリアは最後尾に設定された。恐らく得体のしれないトラベラーを一つに纏めたかったのだろう。それでも戦力になる魔導師ということでしんがりにした。


 俺と琉架は許可をもらって最後尾の箱馬車の上に陣取る、歩くのがダルいからだ。こっそり魔神器からクッションを取り出し琉架と二人、背中合わせで座り左右を警戒している。

 一応エルリアも誘ったが断られた。馬車の後ろを歩いてついて来る。


「のどかだな~」

「神那~お仕事なんだからね?」


 わかっているが馬車の揺れが心地よい、クッションがなかったらケツがヤバい事になっていただろうが。

 前の方では魔物との戦闘も起こっているだろうが、この辺りは平和なものだ。


「お!」


 右手側の森から魔物が現れる、瞬時に魔術で迎撃。終わり。こんなに簡単でいいのか?


 初日はこんな感じで終わり、現在は宿営中、俺と琉架は人の輪から離れて食事をとる。今回は強引にエルリアを引っ張ってきて席に着かせる。


「………」「………」「………」


 静かだ…誘うんじゃなかった。何か喋れよ。お前琉架に謝りたいんじゃなかったのか? 俺らしくないお節介を焼いたらこのざまだ。

 しかし琉架の表情が心なしか穏やかになった気がする。今日はこれでいいだろう。どうせ飯の度に誘わなければならなくなったんだ、後6日もある。


後5日………


後4日………


後3日………


 あれ? 時間飛んだ? 関係改善も一向に進まない。時間だけが過ぎていく。


 相変わらず散発的な襲撃はあるが、軽く蹴散らすだけの簡単なお仕事だ。魔王軍も出てこない、問題なく順調に進んでいる、順調に進んでいる時に「嫌な予感がする」とつぶやくのが主人公の仕事だ。…というわけで実行に移しておく。


「嫌な予感がする」

「そうだね、とっても順調だけど何かヤな感じがする」


 あれれ? まさかの同意が得られた。

 どうやら俺の知らない所で何かが起こっているようだ。残念、俺はナチュラル主人公にはなれないようだ。



 翌日…本当に大事件が起こった。



 その日は朝から一匹も魔物が姿を見せなかった。それどころか周囲から生き物の気配が全く感じられない、この時ばかりは素直に「嫌な予感」がした。

 昼ごろ、その場にいる全員がポカンと口をあけて空を見上げていた。…否、空に浮かぶ島を見ているのだ。

 商隊の誰かが恐れを込めながらつぶやく…『アリアだ…』と。

 瞬間、商隊全体に緊張が走る。エルリアだけが何が起こったのかわかっていない顔をしている。無理もない…


「神那…『アリア』って…」

「あぁ、最悪の状況だな…」



 第3領域 浮遊大陸『アリア』

 シニス世界に三つ存在する浮遊大陸の一つ。

 そこに君臨するのは最凶最悪の魔王『第3魔王“紅血姫”マリア=ルージュ・ブラッドレッド』である。

 もっとも無慈悲の魔王として有名な彼女は浮遊大陸「アリア」で世界を彷徨い訪れた場所にあった町や村、時には国ですらも、全てを破壊しつくす世界で最も危険な存在である。

 『アリア』の表面積は2万4千平方キロメートルと広大で、影に入れば周囲は夜の様に暗くなり、数えきれないほどの魔族が降りてきて周囲を蹂躙しつくす。


 まさに天災のような魔王だ。


「たしかアリアの通過時間は…約24時間だったよな?」

「うん、そして一度攻撃が始まったら、24時間延々と魔族が降り続ける…」


 訳が分からないエルリアが叫んでくる。


「あなた達は一体何を言っているの? アレは何なの!?」


 面倒臭いと思いながらも情報を渡しておく。この場で何も分かっていないのは恐らく彼女だけだからだ。自分で考えて動くにしても情報は必要だ。


「あ~、簡単に説明すると、あの浮遊大陸の「下」に入ると魔族の無差別爆撃を受けることになる。しかしアリアはこの位置を掠める経路を取っているようだ」

「つまりですね、この位置で4~5時間耐えるか、一つ前の宿営地まで戻れば、被害を最小限に抑えられると思うんです」


「………」


 この二人は何故そんなことを知っているのか? デクス世界では魔王の事や他領域の事は、ほとんど何も解っていないのに。いや、一般人に情報が伏せられている事は半ば常識になっている。だからこそただの学生がである二人が知っていることが理解できない。


 最近、沈静化していた嫉妬心が鎌首をもたげる。


(落ち着きなさい私。今はどう見ても非常事態、暴走したら命取りになる)


 なんとか自分を落ち着かせる。


「あ! 神那あそこ見て!」


 遥か彼方、浮遊大陸の底から黒い雨の柱のようなものが地上に伸びる。どこかで魔族の降下が始まったのだ。

 魔族の雨はアリアが移動しても、その場に留まり降り続けている。その光景に息を呑む。


「あんなモノが24時間も続くのか?」

「神那、商隊を逃した方がいいよ。こんな端っこであんなに雨が降るとは思えないけど…」

「…そうだな、第3魔王は自ら出てこないって話だけど、そもそも雨を間近で見て生きている者が居ない以上、可能性はゼロじゃないしな」

「私たち今は護衛が任務だし…あの空の上まで登る術がないよね」


 心の何処かで「ここで第3魔王と戦わない」ことを喜んでいる気がする。

 いや、だって見ろよあの物量。空母に足漕ぎボートで突っ込むようなもんだぞ? いくら魔王討伐が使命だとしても、魔王本人が居るかどうかも分からないのに戦場に勝算もなく突っ込めるものか!?


「おい! 御者のおっちゃん!」

「んお!? な…なんだ?」

「引き返すんだよ! 一つ前の宿営地まで。あそこまで戻ればアリアの影から抜けられる。」

「お…おぉ! そ…そうだな。わかった!」


「俺は先頭車に行ってくる。琉架はこの辺の御者に引き返すよう伝えてくれ」

「わかった。神那…気を付けてね?」


 それだけ言うと、神那は自らに身体強化魔術を使用し飛び出してった。


「じゃあ私は一台ずつ回って指示を…あ」


 目の前にエルリアが立っている。二人きりだとまだ少し怖いな…


「貴方は…貴方達は何をするの?」

「私たちは…えっと…避難指示です。神那が一番前に行ってくれたので、私は後ろから…です。バレンタインさんはこの馬車と一緒に宿営地に戻って下さい」


(…足手まといって事?)


「周辺の魔物も逃げるのに一杯一杯で襲ってこないと思うけど、護衛任務の続きをお願いします」


(魔物が来ないのに護衛なんて必要ないじゃない…わかってる、彼女はまた私に気を使っているんだ、私の機嫌を損なわないよう安全に退避させるために…)

(冗談じゃない! こんなんじゃ何時までたっても追いつけない。並べない。)


 琉架が走り去る、エルリアはその姿を見ながら一歩も動けなかった。


---


 馬車の上を飛びながら神那が見たモノは最悪の光景だった。


 魔族が大量に降ってくる、始まってしまったのだ。


 魔神器から魔導剣の柄を2本取り出し、さらに広域殲滅魔術をダブルスペルで発動。


「第3階位級 火炎魔術『神炎御魂』カミホノミタマ × 第3階位級 風域魔術『鳴風神威』ナリカゼカムイ」

「合成魔術『極紅炎陣』クリムゾン=ボルテクス!!!!」


 2種類の広域殲滅魔術を上空で合成すると、視界を覆い隠さんとするほどの巨大な炎の渦が出現する。地上に降ってくる魔族を焼き尽くす、しかし中にはその渦を越えてくるモノがいる。


「チッ! さすがは第3魔王の魔族。これを突破できるやつが結構いやがるのか」


 先頭の馬車の上に着地した神那は叫ぶ ―


「みんな今すぐ引き返すんだ! アリアの影域から出てしまえば魔族も襲ってこない(たぶん)!」

「お、おぉー!!」「とにかく逃げるんだー!」「今のうちに引き返せー!!」


 商隊全体が動き出したことを確認し、地面に降りたところで魔導剣を起動する。すると右手の柄から燃え盛る炎の剣が出現する、左手の柄からは実体の見えない空気の歪みが発生する。

 魔導剣とは直近で使用した魔術の余剰エネルギーを取り込み、増幅して、所謂「魔法剣」と呼ばれるモノを発生させる魔器である。発動時かなり目立つのが難点だが、高階位魔術を使用すればそれに応じて威力が増す特徴がある。


「お、おい、ボウズ! 空の炎の渦はお前がやったのか?」


 エイビス・ブラウンがそんなどうでもいい質問をしてくる。お前リーダーなんだから退却指示だせよ。


「後、十数分は炎の渦は維持される! それで敵の7~8割は削れるはずだ! その間に商隊を護衛しつつ全速力で後退しろ!」

「お…おお! 野郎共、落ちてくる敵は大火傷を負っているが絶対に油断するな! 敵の方が強いと思い出来るだけ複数人で袋叩きにしろ!!」


 情けない作戦指示が飛ぶ。敵の数が少なくなっているからこそできる安全策だな。


 目の前に敵が落ちてくる、炎刃で切りつけると刃の触れた部分が炭化しボロボロと崩れ落ちる。風刃で切り付ければその延長線上にある部分までが切り裂かれる。

 数が減っているとはいえ落ちてくる魔族はまだまだ多い。自分から一番近い敵に向かい一撃離脱で次へ向かう。


 ボッ


 突然、渦に穴が開いたかと思うと、巨大な何かが落ちてくる。


 体を震わすほどの凄まじい地響きが起こる。


「な…なんだぁ!?」


 巨大な何者かが立ち上がる20メートルはありそうだ…


「きょ………巨人…族?」



 巨人族(ジャイアント)

 最初期の人類の生き残り、人族の始祖とも言われる種族。小型化に失敗したプロトタイプであるが故に力の調節ができず、圧倒的な攻撃力を有し世界最強種族の一つと言われている。

 他種族の立ち入ることのできない山の奥に隠れ住み、本来、一生お目に掛かることのないであろう、激レア種族。



「? 何かつぶやいている?」


 巨人魔族は人には発音できない言葉を口にしている。そういえばオリジン機関で見た巨人族の資料に不確定情報として記されていた一文を思い出す。


「まさか…古代魔術?」


 巨人が左の掌を地面につけると…


 大地を震わす音と共に巨大な地震が発生した!

 いくつもの巨大な地割れができ、商隊の馬車が地面に飲み込まれていく。


「ぐっ!? こんな魔法が存在するのかよ?」


 巨人が再び立ち上がり、黒曜石で出来た巨大な石剣を構える。よく見れば体中にあった火傷もすでに癒えている。


「まずい…早く仕留めないとこいつ一人で商隊は全滅しちまう」

「第6階位級 身体強化魔術『第2強化』セカンド」


 身体強化のギアを一段上げてスピードで攻める。二刀で斬りまくると巨人の両足はあっという間に傷だらけになる。しかし…


「硬っ!? 刃がまったく通らない!? 第3階位級の魔導剣だぞ!?」


 しかも見る間に傷が再生していく。


「世界最強種族の一角は伊達じゃないな」


 巨人の大石剣による攻撃。あんな巨大質量攻撃を受けたら人族の体なんて一撃で粉々だ! しかも予想よりずっと速い!


「くっ!!」


 この一撃だけでも周囲に小規模な地震が発生する。


 巨人には人族の魔術が効きづらいのか? しかも圧倒的な攻撃力、高い再生力、おまけに古代魔術。このままじゃジリ貧だ。


「だったらあいつを斬れる剣を創ればいい」


 炎刃を手放し風刃で掌を斬る。

 滴り落ちる血を操り、イメージする。


「細く…鋭く…どんなものでも切り裂く…」


 右手を頭上にかざす。

 何かを感じ取った巨人が攻撃をしてくる。


「遅い!!」



単分子高周波振動剣(リッパー)!!」



 勢いよく振り下ろした右手の先に、動きを止めた巨人がいる。

 その体は右半身が前に倒れこみ、左半身が後ろへ倒れた。


 周囲にまた大きな地響きが発生した。



「………ブハァ~~~!!」


 大きく息を吐き座り込む。


「やべ…久しぶりに全力出したら、頭クラクラする…ってか、休んでる場合じゃ無い」


 しかし体に力が入らない。

 あ、これってヤバくねぇ? 大体このタイミングで………


「シャーーー!!」


 ほらキタ! 立ち上がる事の出来ない俺の元に敵がわんさかやってくる。

 ヤバイヤバイ、慌てて魔神器の中を引っ掻き回す。こんな時に限って入れた覚えのないヤカンとか長靴が出てくる。こんな古典イベントやってる場合か!?


ヴヴヴヴヴヴヴ…ン


 突如、辺りにいる敵全ての体の周囲に小さな魔法陣が浮かび上がる。


「あれは? …琉架のターゲットマーカーか!」


 怪訝に思った数人の魔族は自分の周りに現れたマーカーを手で払おうとしたり、その場から離れたりしたが、マーカーはピッタリ付いて来る。



「第7階位級 雷撃魔術『雷撃』サンダーボルト チャージ20倍 拡散誘導」


 遠くから放たれた雷矢は、吸い込まれるようにマーカーを捉え、全ての敵を刺し貫いた。


 周囲を目もくらむ閃光が包む。


 俺の周りを取り囲んでいた魔族は全ていなくなった。この分なら火葬も必要なさそうだ。

 琉架が地割れを飛び越えて俺のそばに着地する。20メートル級のジャンプだ。残念、パンツは見えなかった。


「神那、無事!?」


 琉架が俺の心配をしてくる、が、当の俺はそれどころではない、琉架の装備に釘付けだ!


 「眼鏡」を装備している! メガネ琉架キターーーーーー!!!!! …あ、それと1メートル長のマスケット銃も。


 俺が琉架の言葉を無視して見つめていると、困った顔をして語りかけてくる…


「私が眼鏡掛けると神那はいつもその顔するね? もしかして似合ってない?」


 バカな!? 俺の『強情者の面の皮(ポーカーフェイス)』が見破られた!? いや、喜びすぎて表情に出てしまったのかもしれない、いかんいかん俺はクール。どんなことが起ころうとも外面だけは常に冷静に振る舞うのだ。


「そんなことない!! 琉架の眼鏡姿、超似合ってるよ!! 美少女にユリ・金髪にツインテール・琉架に眼鏡だ!!」


 ………あ、しまった。つい本音が………俺のあふれ出る眼鏡愛がにじみ出てしまった………

 今の発言には琉架もビックリした顔をしている、それでもハニカミながらホホを染めて「ありがと…」と小さくつぶやいた。

 よかった、どうやら今の言葉を褒め言葉と受け取ってくれたらしい。自分でも「何言ってんだ?コイツ」って思うほどのドン引きワード入り発言だったのに。さすが俺の女神、心が広い。


「このおっきいのってもしかして巨人族?」

「あぁ、どうやら失われた古代魔術を使うってのも事実らしい、おかげでこの有様だ」


 巨人魔族の引き起こした地震のせいで壊滅した商隊先頭集団を見る。


「神那立てる? とにかくここを離れよう。まだまだ魔族は沢山降りてくるから」

「あぁ、急ごう」


 差しのべられた琉架の手を握り立ち上がると、来た道を戻り始めた。



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