表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レヴオル・シオン  作者: 群青
第二部 「魔王の章」
67/375

第64話 仮想訓練装置 ― デイトリッパー ―


「おい聞いたか! 特別生同士が模擬戦やるらしいぞ!」

「マジか!?」

「観戦フリーだってよ! ちょっと点けてみろよ!」

「ゲ!! 黒田先輩と加納先輩だぜ!」

「対戦者は? 霧島神那? 有栖川琉架? こんな奴特別生に居たか?」

「あ…… 俺知ってる、男の方と前に同じクラスだった」

「どんな奴だ?」

「いつも無表情で友達一人もいねぇ、変な奴だったんだけど…… コイツ編入生だったんだ」

「私、女の方知ってる、コイツも編入生だった。友達いないのは男と一緒だったけどテストで全教科満点取る様な奴よ」

「マジかよ…… てか、この子可愛くね?」

「止めときなさいよ、この子普通じゃないから…… それにコイツ等神隠しに遭ったはずよ」

「それじゃ……帰還者なのか? まさか魔王倒して来たのか?」

「そんな訳無いでしょ、討伐軍は誰も戻って来てないんだから。きっと戦乱に乗じて自分たちだけ逃げ帰ってきた裏切り者よ」

「うわっ……何だそれ? まぁ確かにこんなヒョロッとした奴らが魔王と戦えるはずねーよな」

「するとコレは裏切り者への制裁って事か? リアルでやんなきゃ意味ねーじゃん、特別生の考える事は分からんな」

「フン! こんな女リアルでやられればいいのに!」

「…… お前、この子に対して当たり強くね?」

「嫌いだったのよ…… この女!」

「おい! 始まるぞ!」



---



 仮想空間・ステージ「廃墟」



 高層ビル群の廃墟が立ち並んでいる、新しく追加されたステージか…… オリジン機関ではシニス世界をイメージしたステージしか無かったからな。

 ビル群の外は荒野が広がっている。まるで映画のセットのようだ。そして何故かオーラが見える……


 緋色眼(ヴァーミリオン)が使えるのだ。


 俺は魔王以外の魔眼保有者に会った事は無い。いや…… 広義の意味では白も魔眼保有者に含まれるのかもしれないが、しかし魔眼とは身体能力の一部だったはず。

 体の一部でありそれを魔力で制御するのが魔眼…… そして緋色眼(ヴァーミリオン)だ。

 今の俺たちの体は魔力で構成されている、そしてステージから空間に至るまで全てが魔力で出来ている。だから緋色眼(ヴァーミリオン)が再現されてるのか……


 そういえば、属性魔術に近い性質を持つギフトは仮想訓練装置(デイトリッパー)で再現されたと聞いたことがある。

 少し釈然としないが納得はできる。


 もしかしてと思い、『跳躍衣装(ジャンパー)』を使ってみるがダメだった。恐らく『星の御力(アステル)』も使えないだろう。


 もっとも使う必要はない。俺の能力値は10万を超えている、琉架に至っては20万超えだ。広範囲魔術のごり押しで圧倒できる。

 しかしせっかく久しぶりの仮想訓練装置(デイトリッパー)だ。勝ち負けはどうでもイイから少し昔を懐かしんでヌルイ戦闘でも楽しもう。これは正式な試合では無くあくまでも模擬戦だ。向こうはどう思っているか知らないが。


「神那、どうしよっか?」

「俺は黒大根先輩を相手するから、琉架は仮面先輩を頼む」

「黒大根? 仮面? 男vs男、女vs女でいいんだよね?」

「そうそれ、琉架は自由にやっていいよ」


「うん、それじゃ……」


 琉架が廃ビルに向けて手をかざす……


「第7階位級 火炎魔術『炎弾』ファイア・ブリッド チャージ30倍」


 琉架の手元から放たれた威力30倍の炎弾は正確に二人の先輩の居る廃ビルの上層階目掛けて飛んで行った。


 ズドオオォォォォン!!


 廃ビルは大爆発を起こし崩れ出した。元々が廃ビルだ、崩れやすい設定だったのだろう…… てか、やり過ぎかな? まぁ相手も魔力戦闘レベルAランクだ、きっと大丈夫だ。



---



 黒田・加納組


「うおおぉぉぉおお!? な…なんだコレは!? 砲撃か!?」

「何この炎!? 火炎魔術!? 一体どこから!? まだ開始1分も経ってないのに!?」


 自分たちのいるフロアは突然の業火に包まれていた。咄嗟に風域魔術を展開するが容赦ない熱風が体力を削っていく。しかも爆発の衝撃でビル自体の崩壊が始まっている。


「まずいぞ!! ビルが崩れ出してる、脱出するぞ!! 飛び降りるんだ!!」

「無茶言わないで!! 何階だと思ってるの!! 落下の衝撃で死ぬわよ!!」


 自分たちがいるのは30階、地上100メートル近い。こんな所から飛び降りて無事でいられるはずが無い。


「俺が風域魔術で衝撃を押さえる! いいから来い!!」

「ちょ……まっ!!」



---



「お! 飛び降りた」

「う~ん…… 追撃した方が良いかな?」

「いや…… どうするのか見てみたい」

「うん、分かった」



---



「第4階位級 風域魔術『風爆』エアロバースト! 俺達を跳ね飛ばせ!!」


 地上に激突する寸前に空気の爆弾を爆発させる。その衝撃で数十メートル弾き飛ばされ何とか着地する。


 ズザザザザーーー!!


「ぐっ……! くそ!! 走れ!! ビルが崩れて来るぞ!!」

「いったい何なのよ!!」


 ドドドドドドド……


 廃ビル群の一角が轟音と共に崩れ去っていった……



---



「第7階位級 風域魔術『空圧』コンプレス チャージ10倍」


 周囲に立ち込める土煙を風で吹き飛ばしながら先輩たちの元へと歩み寄る。


「あ! ほら神那、あそこにいるよ」

「お~、埋まって無かったか、良かった良かった」


 先輩たちは土煙の中でも油断なく戦闘体勢と取っている、あと一歩でも踏み出せば攻撃が始まっていた。

 生身だったらこうはいかなかっただろう、痛みを感じない仮想体ならではだな。


「餓鬼共…… 一体何をした?」


「何って…… 単純な魔術攻撃でしょ、特別な事は何もしてないですよ? なぁ?」

「ん」コク


「くそ! しらばっくれやがって……」


(今の攻撃でこっちは体力と魔力が半分近く削られた! 初撃でここまでヤラれたのは初めてだ!)


「アンタ達…… なんでこっちの居場所が分かった? レーダー機能の魔器なんて設定されていない、何かの魔術か? それとも特別なコードでも使ったのか?」


「何ですか特別なコードって? これは一種の魔力索敵です。魔術というよりは特技って感じかな? 仮想訓練装置(デイトリッパー)は個人の体質なんかも再現してくれますからね」



「魔力索敵…… 奇襲も不意打ちも効かない訳か…… 廃墟ステージは相手が有利になるだけで、本来双方のメリットである「隠れる場所が多い」はこちらの不利になるだけか……」


「えぇ、ですので接近戦でやりましょう。これならそちらが魔力索敵のデメリットを受けることも無いですし、そもそも俺たち仮想訓練装置(デイトリッパー)使うの1年半振りなんで感覚取り戻したいんです」


 ピキ! 黒大根先輩の額に青筋が浮かぶ、見た目通り煽り耐性が低い。


「この糞餓鬼共が!!!! テメー等な……」

「アンタ達の提案に乗る理由が無い!!

 第5階位級 雷撃魔術『雷槍』サンダーランス!!」


 黒大根先輩の声を遮って仮面先輩が攻撃魔術を放つ!


 パキィィィン!!


「うわっ!? な…なに!?」

「これはまさか…… 『反魔法(アンチマジック)』??

 こんな餓鬼にそんな芸当が……!! 第4階位級 火炎魔……」


 パキィィィン!!


「なっ!? バ……バカな……っ!!」


「無駄ですよ、魔導魔術では俺の反魔法(アンチマジック)は絶対に破れません。

 魔導魔術は俺自身が良く知っているから、無効化しやすいんですよ」


 正直自分でも驚いてる、緋色眼(ヴァーミリオン)併用の反魔法(アンチマジック)の精度に。

 相性はいいと思っていたが、魔術発動前に撃ち落とせるとは…… もっともコレはあまりやるつもりは無い、魔術を打たせてから無効化した方が相手の魔力をより多く消費させられる。発動前に撃ち落とすのは大規模破壊魔術の時だけだな。

 俺ホントに対魔術師最強になれるかも……



---



 ― 特別才能クラス ―


「く……黒田先輩…… 加納先輩…… まさか……」

「ほうほう…… 反魔法(アンチマジック)の使い手か…… コレは珍しい」

「あ…天瀬先輩…… 反魔法(アンチマジック)って?」


 モニターを眺める伝説(レジェンド)の後ろにはいつの間にか白衣の男が立っていた。


「ダブルスペル同様、世界に数人しか使い手がいないと言われている万能対抗魔術だよ。

 今見た通り魔術を無効化できる」

「霧島神那がその使い手だと!?」

「その通り、しかし見事なモノだ…… 以前映像記録で見た使い手とは精度が違う。完璧すぎて人間業とは思えない」


 ギリ……


「ぐ……霧島神那!!」



---



 ― 北校舎・中等部 ―


「なんだよ、あの爆発…… 炎弾にしか見えなかったけど威力があり得ねぇ!」

「そもそも開始直後にピンポイントで対戦相手を攻撃するって、どうやったら出来るんだ?」

「ズル……は無理だろ…… 八百長試合くらいしか思いつかん」

「ヤベェ……確かにお前の言う通り、この子普通じゃねぇよ……」

「…………」

「マジかよ、超好みのタイプなのに!」

「バーカ、相手はギフト持ちのエリートだぞ。最初から釣り合わねーよ」



---



 ― 中央校舎・職員室 ―


「いきなり上級生との模擬戦とは…… やはりトラブルが起こったか……」

「しかし今のは? 黒田君が魔術発動を失敗するとは思えないが……」

「まさか反魔法(アンチマジック)でしょうか?」

「バカな…… 子供に修得できるような技術じゃないぞ、高いセンスと長い習練が必要なはずだ」

「いや…… さすがは帰還者というべきか…… ただの学生とは違って当然だ」



---



 ― 仮想空間・ステージ「廃墟」 ―


 黒大根先輩の近接戦闘スタイルは俺が以前諦めたイケメン剣士御用達の片手剣二刀流だ。

 剣に付与されてる性能は、一方が伸縮、もう一方が斬撃飛ばしか……


 あまり接近戦が得意では無いようだ。


 距離を詰めてしまえば魔器の優位性は無くなる。相手の強さ・手の内が分からない時は、もっと応用の利く汎用性の高い魔器をチョイスするべきだ。


 ガキン!!


「ちぃっ!! ちょこまかと!!」


 妙だな…… 何故か相手からの威圧感を全く感じない。

 見た目はこんなにオラついてるのに…… むしろ色々超越しているのに!

 ヘッドバットで相手を刺殺できそうな髪型、肩を露出する制服の着こなし……


 俺の美学では肩を露出していいのは可愛い女の子だけなのに……


 今度チェーンとトゲ付き肩パットをプレゼントしよう。きっと似合うぞ! コレでバギーがあれば完璧だ! この廃墟ステージにピッタリだ。きっとココの主になれる!


 そう、こんなヒャッハーな人は色んな意味で恐怖を覚える筈なのに、全然怖くない。


 ズバッ!!


「ぐっ!? くそっ!!」


 何故この近距離戦闘でいつまでも剣を伸ばしたままでいるんだ? どう見ても自分の方が剣に振り回されてる。離れた時への追撃にこそ斬撃飛ばしを使えばいいだろ?

 動きが完全に素人だ、オリジン機関上がりならある程度戦えると思ったのだが……


 そうか…… こいつら実戦経験…… 命のやり取りをしたことが無いんだ……


 オリジン機関での実戦訓練は年明けから、そこまで残れなかった奴は仮想訓練装置(デイトリッパー)での仮想訓練しか経験して無い。つまり遊びの延長の感覚だ。

 だから仮想体相手でも急所を狙ってこない、だから威圧感が無い。見た目DQNなのに本当は心優しい青年なのかもしれない。

 そう仮定してみる…… ほら、よく見てみろ! 彼はとても優しい目をして…… あれ? 怒りのあまり白目を剥いてる……


「第4階位級 火炎魔術『皇炎』ラヴィス・レ…!!」


 パキィィィン!!


 自爆しようとした…… 怒りで我を忘れてる、観戦フリーにしなければ良かった…… どう収拾つけよう?



---



 一方少し離れた場所では女同士の熱い戦いが繰り広げられていた。

 いや…… 片方が一方的に熱くなっているだけだった……



「最初の火炎魔術の攻撃ってアンタがやったの? どこから?」

「はい、あそこに見える丘からです」


「…… あの魔術はナニ?」

「炎弾です。私、第7階位級の魔術しか使えませんから」


「………… 魔力索敵ってナニ?」

「何と言いますか…… 見れば分かるんです。そういう体質なんです」


「……………… なんで私の質問にバカ正直に答えてるの?」

「え? 先輩ですから……」


「そう…… よく分かったわ…… アンタが私をバカにしている事が!!」

「え…… えぇ……!?」


 な……何で!? 何か気に障る事言っちゃったかな?


「第5階位級 暗黒魔術『影鎌』シャドーサイズ!!」


 足元の影の中に魔力が伝わってくるのが見える……

 緋色眼(ヴァーミリオン)が魔力を捉えているんだ……


「第7階位級 光輝魔術『瞬光』フラッシュ」


 瞬光で影を消すと魔力も一緒に消え失せた。


 先輩の魔器は魔力増幅用のブースターロッドと…… あの指輪は魔力シールドだろうか?

 遠距離戦用の装備だ。

 近接戦闘は得意だけど、仮想訓練装置(デイトリッパー)ではあまりしたくない…… 事象予約(ワークリザーブ)が無いとちょっと怖い。

 だから遠距離戦はこちらも助かる。


「第5階位級 雷撃魔術『雷槍』サンダーランス!!」


「第7階位級 風域魔術『空圧』コンプレス チャージ5倍」


 ビシャァン!!


 空気の断層で雷槍を弾く。


「っ……!! なんで第5階位級の魔術を第7階位級で防げるのよ!!」

「えっと、それはですね、空気っていうのは本来絶縁体で雷槍くらいのエネルギーなら空気を……」

「ふざけないで!!!!」

「ひぅ!?」ビクッ


「もういい…… もう分かった…… 全部氷り付かせてやる!!」


 …… 先輩の構えた手の間に魔力が集中していくのが理解る…… 今までは見えなかったのに…… 青白いオーラだ、氷り付かせるって事は…… 上位の氷雪魔術かな?

 近くに神那たちもいる、こんな人が密集している所で使ったら全員氷り付いて相打ちになる。


 なんだろう…… 感覚が違う、やっぱり仮想訓練しかしてないからだろうか? 簡単に自爆を選ぶのは。

 自爆なんて例え絶体絶命のピンチでも軽々しくは使えないんだけど……

 いくら命の危険がない訓練だからといっても自爆を選択するのは考える事の放棄…… こういう癖が付くと後で大変だと思うけど…… 誰か注意する人っていないのかな?


 とにかくこの状況じゃ神那の方にも被害が及ぶ、私は加納先輩を任された以上ヤラせる訳にはいかない。

 そもそも神那に危害を加えようとする人を見過ごすことなど出来ない…… なんて言うんだっけ? うん、ムカつく!


 とは言え私には神那の様な反魔法(アンチマジック)の技術は無い、でも相手が氷雪魔術を使うのが分かれば手の打ちようがある。反属性魔術で相殺が可能な筈だ。



「第3階位級 氷雪魔術『白冷神楽』ハクレイカグラ!!」

「第7階位級 火炎魔術『炎弾』ファイア・ブリッド チャージ50倍」


 先輩の手から放たれた瞬間の冷気の塊に炎弾を叩き込む。


 ボシュッ!!


「な…なに!? これ……!!」



 ドガァァァァァァン!!!!



 爆発した…… え? な…なんで? チャージ掛け過ぎた!?

 せ……先輩を吹き飛ばしてしまった……



---



 爆発音と共に周囲に霧が立ち込めた。琉架と仮面先輩が何かしたのか?

 これはチャンスだ!


「うっ! な…なんだコレは!?」


 周囲の状況が変わったため黒大根も正気を取り戻したようだ。世話の焼ける…… とは言え煽り耐性が限りなくゼロに近いお人だ、次の瞬間にはまたキレるかもしれない。

 今はギャラリーからも見えないだろう、ちゃっちゃと終わらせよう。


 俺がバックステップで距離を取ると、濃密な霧ですぐに相手の姿が見えなくなる。


「く……くそ! どこに行った!!」


 お互いに相手の姿を見失う、しかし俺の眼には黒大根のオーラがしっかり映っている。この眼は少し反則かも知れないな。便利すぎる……


「第4階位級 雷撃魔術『王雷』ライトニング」


 屋外専用、屋内でも建物の外に近ければギリ使える落雷魔術。雲一つない空から突然降ってくる落雷は特別な眼でも持っていなければ避けられないだろう。


 ピシャアアァァァァン!!!!


「がああ……あぁぁあ……ぁぁぁあ!!!!」


 仮想体なので痛みも苦しみも無いはずだ、にも拘らず断末魔の悲鳴を上げる。

 その気持ちは分かる。生身で受ければ即死モノの衝撃だ。

 ゲームをやってる時、操作キャラがダメージを受けて思わず「痛!」と言ってしまう感覚と同じだろう。


 黒大根は地面に倒れ付し、そのまま消えていった……



 チャララ~~~ン♪


「なんだ?」


『YOU WIN!』


「…………」

「…………」


『PERFECT!』


「…………」

「…………」


 随分と…… ゲームっぽくなったな…… 本気で生徒を育てる気があるのだろうか?

 仮想訓練装置(デイトリッパー)を極めても、将来役に立たない気がする。むしろ戦場にでも放り込んだ方が確実に成長できるぞ。もっとも死と隣り合わせではあるが……



 久しぶりの仮想訓練装置(デイトリッパー)はこの学院の問題点ばかりが浮き彫りになる結果に終わった。

 この公開模擬戦で、俺と琉架は学院中から「裏切り者」と認識されるようになった。


 この「裏切り者」にはどうやら「卑怯者」の意味も含まれているらしく、俺達の勝利はイカサマによるものと思われているらしい。


 『D.E.M.』でもそうだった、一度張り付いたレッテルは簡単には剥がせない……


 もっともこっちは馴れっこだけどね。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ