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レヴオル・シオン  作者: 群青
第一部 「異世界の章」
59/375

第56話 第8魔王 ~最強~


 まずいぞ…… 魔王の連戦とかあり得ないだろ……


 やっとの思いでバ○モスを倒したと思ったら、ゾ○マが「来ちゃった♪」とか言って現れた感じだ。

 いや、感覚的には大神官が邪神を呼び出した方が近いか?

 せめて次のダンジョンで待っててくれ…… こっちは体力を無料で回復してくれる精霊様なんていないというのに……

 今こそアレ(・・)が欲しい! 貧乏性な俺が最後まで使わずに終わる全体完全回復薬!

 誰かラスト○リクサー持ってない?


 などと現実逃避してみても、目の前の現実は変わらない。


 遥か遠くに仰ぎ見えるは、ライオンキングお墨付きのブサイク生物。第8魔王 ウォーリアス・アンダー・ザ・ワールド!

 くそぅ! なんだって今このタイミングで出て来るんだブサイク大魔王め!!

 人がせっかく妄想全開の未来を思い描いていたのに台無しにされた!

 激レアアイテムを手に入れたのに、セーブする前に猫リセット喰らった気分だ!! くそっ!! ミャー子め!! よくもやってくれたな!! アダプターに足引っ掛けるなよ!!


 一体どうしろっていうんだ!! みんなはまだいいよ! 一人で歩けるんだから! 俺まだ介助無しでは足元すら覚束(おぼつか)ない有様だ!

 今の俺は先輩より役に立たないお荷物だ!


 情報では第8魔王はここ最近 姿を見せていなかったらしいが、ココにいるじゃねーか!


 普通ならココは逃げの一手だ! 幸い早期発見のおかげでまだエンカウントして無い、今ならバカ勇者が囮になってくれる! 逃げ出しても回り込まれることは無い!

 一度街に戻って宿屋に泊り、体勢を立て直し、セーブしてから再び戻ってくる。

 大丈夫! ここは魔王城前だ、ゲームだったら5分で帰って来れる! リアルでやったら2~3日って所だろうがな。


 ………………


 どう考えても間に合わない…… 全員倒れ伏してはいるが生存者も多数いるだろう。


 いや…… いつものおフザケじゃなくてホントに逃げるべきだ。ここにいる全員、心の中ではわかってる筈だ。万全の体制で望んだ対魔王レイド戦は決戦部隊ほぼ壊滅…… ギリギリの勝利だ。

 その直後にもう一回魔王戦など出来る筈がない。俺達なら魔王を倒せる…… それは先刻証明された。ただし「万全の体制ならば」だ。

 ちゃんとした軍隊なら戦略的撤退の判断もできるだろうが、今の我々には無理だろうな……


 この不幸はきっと勇者が呼び寄せたものだ。ならばヤツに責任をとってもらおう!


 ビシャァァァン!!!!


 そんな時、激しい稲光と轟音が鳴り響く!


 勇者に雷が落ちたのだ。運の悪い奴……と思ったが、どうやら魔法らしい。ちっ……残念。

 しかも悪いことにソレが魔王連戦に萎縮する者達を鼓舞する合図になってしまった。


「い…いくぞ!! 魔王を殲滅するんだ!!」

「「「「うぉぉぉぉおおおおぉぉぉぉ!!!!」」」」


 第一攻撃部隊の生き残りが率先して飛び出していく…… 何故せっかく拾った命をドブに捨てるんだ? くそ…… 見捨てるわけにもいかないか……

 あんのバカ勇者! ホント余計なことばっかしやがって!! いつか顔に「ホーケーユウシャ」って油性マジックで書いてしばらくお日様の下を歩けない身体にしてやる!!


「神那…… どうするの?」

「ふぅ…… 行くしか無いだろ、ただし無理だと思ったら即座に撤退を指示する、全員すぐに逃げられる準備はしておいてくれ」


 ヤバければ逃げる! 死んだら即ゲームオーバーの現実では、撤退指示だけは順守してもらわなければ!




---




 魔法戦の射程距離に入るころには勇者は潰れていた、文字通り潰れ地面に半分埋まっている。

 初めから期待はしていなかったが、まったく……残念な勇者だ……


 琉架が放った閃光魔術は魔王ウォーリアスの手前で軌道を変え飛び去っていった…… 光線が…… 光があんな風に曲がると言う事は……


 魔王ウォーリアスが体ごとこちらを向く、そして一人ひとり値踏みでもするように見てくる。その視線が止まった、何故か俺の方を見ている…… とても嫌な予感がする!

 4.5頭身の横方向に大男…… あのブサイクフェイスではさぞモテなかったであろう…… そして女に幻滅し、その興味は次第に男へと移っていった…………


 ヒイイィィィイ!!? ヤバイ!! アイツを今すぐ殺せ!! ホモ魔王だ!!!!


「し……白、アイツのギフトと性癖を……」

「セイヘキ? ……見てみる…………

 ………… うん…… アイツの恩恵『星の御力(アステル)』」


 星の御力(アステル)? 随分とロマンティックというかキュートというか…… なんて似合わない能力名! ミスマッチにも程がある! お前みたいなデブには「百貫デブ(ブタトンポーク)」とかがお似合いだ!


「能力は…… 引力と斥力…制御?」


 なるほど…… 今にも勇者たちがプチッと逝きそうなアノ攻撃は重力の働きを強めてるのか…… さっきの光線を曲げたのも重力場で空間を歪曲させたのか……

 とてつもなく重い攻撃、こちらの攻撃が一切届かない防御、ライオンキングの証言の正体はコレだったのか。


「あと…… ノーマルって」


 良かった一安心だ…… 貞操の危機は脱した。生命の危機はまだそこにあるが……

 どうしよう…… 現状の我々では勝ち目がない……




「お前か…… レイドを倒したのは? まさか魔王が人間に敗れるとはな…… 魔王の面汚しめ!!」


 !? 確かに止めを刺したのは俺だが、なぜ分かった?


「しかしお前には感謝しなければな…… さぞ強いギフトを持っているのだろ?」

「感謝……だと?」

「それに…… 白狐もいるではないか」


 ビクッ!!


 白の体が大きく震える、ヤロォ……やっぱり白狐を狙ってやがったのか!


「他にもギフト持ちが沢山…… ありがたいな……」


 コイツも魔王レイドと同じか、ギフトユーザーを自分の使途にするつもりだ!


「やれっ!! 魔王を殲滅するんだ!!」


 第一攻撃部隊の生き残りの戦士が先制攻撃を仕掛ける。レイド戦の反省だろうか、いきなり近付かず投げナイフやトマホークによる遠距離攻撃で様子を見ている。


 ス…… ピタッ!


 ウォーリアスが手を上げると、自分に迫っていた攻撃がまるで一時停止でもしたかのように全て空中で止まる。


「ほら、お返しだ」


 軽く手を振ると空中に止まっていた武器が、超高速で投擲者の元へ戻っていく。


「ち!! 『磁力円陣(コン・パス)』!!」


 またも空中で止まる武器たち……

 そうかクリフ先輩は磁力使いだ、鉄製の武器は自由に操れるんだ。


「ほう! 磁力か、なかなか面白い力を持っているな」


 ググッ…… グググ……


「く……っそ!!」


 次第にクリフ先輩が押されだした、駄目だ! やはり魔力不足だ! このままじゃ押し切られる。


「『劣化歌姫(ノイズ)』 超振動!」


 ウォーリアスの意識がクリフに集中した瞬間、ミラがギフトを使用する。

 「超振動」分子結合に干渉し物質を崩壊させる凶悪な技だ。ミラはソレをバスケットボールほどの球状空間内に込めてウォーリアスに向かい放った。


「む!?」


 ブオン!!


 ウォーリアスは身の丈を遥かに超える巨大な漆黒の大戦斧を片手で軽々と振るい、ミラの超振動を掻き消した…… しかし甘い!


 イィィィィィィィ!!!!


「この音は? それに……振動か!」


 ウォーリアスが大戦斧から手を放すと一瞬ブレて見せた後、斧は崩壊していった。

 トレードマークである漆黒の斧を壊されたウォーリアスは…… 嬉しそうな顔をしていた。


「素晴しい…… さすがは魔王を討伐する目的で組織されただけはある…… 実に素晴しい強者達だ!」


 飽くまでも余裕の姿を見せつける魔王ウォーリアス、レイドの時とは状況が違う。こちらは疲労困憊だ、そういった根拠に裏打ちされた余裕を崩すのはとても難しい。


「どうした? もう来ないのか? もっと力を見せてみろ。それとも見せたくなるような舞台を用意してやらないと不満か?」


 そう言って腕を下げると、クリフ先輩との間でせめぎ合っていた武器たちが勢いよく地面に落ちる。

 軽く地響きがするほどの勢いだった。地面に落ちた武器は完全に土に埋まっていた。


 こいつもレイド同様、自らの力を誇示するように見せつけてくる。そういえばウィンリーも俺たちの前で堂々と力を使っていたな…… これも魔王たる所以なのだろうか? 人類なら普通は隠すが……


「どうした? 掛かって来なければ魔王は倒せないぞ?」


 迂闊に飛び掛かれない雰囲気を作っておいてそれは無いだろ……


「まあいい、それなら舞台を作ってやろう」


 ウォーリアスが片手を軽く上げる……! ヤバイ!!


「みんな逃げ……!!」



「潰れろ」


 ズズズン!!!!


 一歩遅かった! 全員の体に凄まじい荷重がかかり地面に倒れ伏す。

 マズイ事になった…… コイツのギフト『星の御力(アステル)』は攻防隙が無い。かなりの万能能力だ。


「さて…… やはりお前か…… レイドを倒した能力者の力は是非とも見ておきたい」


 ロックオンされた!? オイオイ! まだ勇者に止めを刺してないだろ!? 一度箸で摘まんだクセに他のオカズに目移りするのはお行儀が悪いぞ!?

 ほら勇者! 今がチャンスだ! 今こそ立ち上がって俺のデコイになれ!!


「ごほっ!!」


 勇者は血を吐いている…… やはりアイツに期待するだけ無駄だったようだ……

 自分でヤるしかない……


 しかしどうする? 血量も魔力も僅かに回復しただけ、全力攻撃するのも一回が限度だ……

 ウォーリアスは自分の体の周りにフィールドを張っている、光線を歪めるほどの重力場だ。

 それがある限り何をしても効果は得られないだろう…… ウォーリアスがどんどん近づいてくる、後数秒でたどり着くんだ、時間が無さすぎる!

 口八丁手八丁でフィールドを解除させてる暇は無い、ならば…… フィールドを貫通して致命傷を与えるしかないか……

 どうすればそんな事が出来る? 防御力無視の会心の一撃…… そんな便利なモノあるか?


「さあ、どうする? 何もしなければそのままやられるだけだぞ?」


「神那……」

「お……おに~ちゃん」


 嫁たちの前で無様な姿は見せられない! 頑張れオレ! 魔王殺しの英雄よ! ここが天王山だ!

 この山の頂を越えればそこには俺の妄想王国(ハーレムキングダム)が広がっている!


 押し潰されそうな重圧の中、体を無理やり起こして片膝をつく。体がギシギシと悲鳴を上げている。だがまだだ! もっと引き付けなければ!

 ヤツは油断している。圧倒的優位に立つ脳筋は必ず油断するモノだ!


 ガクガク震える足に目一杯力を込めて備える。

 そしてウォーリアスは全く警戒せずに間合いに入った!!


 奴が射程距離に入った瞬間ウィンリーの羽根を使用する! 自重をほぼゼロにして弾丸のようなスピードで飛び出した!!


「な!?」


 全く予想してなかったウォーリアスは一切反応できない。その様子を傍目に敵の懐へ潜り込む、狙いは一点のみ! 心臓だ!! 魔王の力の本質は恐らく心臓に宿っている!!



「弐拾四式血界術・弐式『水銀散弾』!!」



 血液変数(バリアブラッド)で血を水銀に変換、さらに電子を纏わせ電磁誘導で音速を超える速度で撃ちだした!!

 常温で液体という性質を持つ水銀の重さによる貫通攻撃。

 圧倒的な速度で放たれた重質量散弾はウォーリアスが体に纏っていたフィールドを簡単に貫き本体を抉る!


「がっ!!??」


 ズガアァァアアァァン!!!!


 『水銀散弾』はウォーリアスを貫通! その体に巨大な穴を開けただけに留まらず、魔王本人を100メートル以上吹き飛ばした!


 ドズゥゥン!!


 ウォーリアスは放物線を描き遠くに落ちた。

 そして全員が重力波から解放された。



 静寂 ―――


 誰もが呆気に取られていたが、誰ともなく歓声が上がる。


「うおおおぉぉぉおおぉぉぉーーー!!!!」


「神那ぁ!」

「おに~ちゃん」

「マスター」

「カミナ様!」


 オレの周りに色とりどりの花が咲く、これもオレの人徳の為せる業だな。しかし今はそれどころじゃない!


「ダメだ! わずかにズラされた、恐らく急所を捉えきれなかっただろう! 全員今すぐ逃げろ!! すぐに起き上がってくるぞ!!」


 くそ! アイツ心臓に超高密度の魔力を纏わせてやがった。それが僅かに軌道をズラしたんだ!

 脳筋のクセに警戒してやがったのか? いや、魔王の心臓は元々そういうモノなのかもしれない。オレの仮説通り魔王の力の根源がソコに有るなら当然だった。

 もう少し余裕があればそんなもの無視して破壊できたものを…… 痛恨のミスだ!


「お…おいおい、仮にアイツが生きていても身体に大穴が空いてる状態だぞ? 今からとどめを刺せばいいだけじゃないか?」


 ジェスロ・ロバーツがなんとも呑気な発言をする、コイツ魔王レイドとの戦いを見てなかったのか? 気絶でもしてたのかよ。


「バカ野郎!! アイツにはまだ『限界突破(オーバードライブ)』がある!!

 アレほどの傷だ、瞬間回復はしないだろうが確実に復活してくる!! 今すぐ逃げるんだよ!!」


 もう体力も魔力も限界だ、同じ攻撃は当分できない。そもそも同じ攻撃が何度も通じるとも思えない。次はきっと対策を取られる。

 やはり今の一撃で仕留め損ねたのはマズかった…… 千載一遇の好機(チャンス)を逃したか!


 ゴゴゴゴゴゴ…………


 !? な…何か地響きが…… それに魔王がホームラン宜しく飛んでいった方向から強大な魔力が立ち上っているのを感じる…… 見たくねぇ~! 何とかそちらを見ずにやり過ごせないものか……


 チラ……


 チラ見で確認したが、遠目でもしっかり分かってしまった。

 魔王ウォーリアスは立ち上がっていた。胴体の大穴は既に塞がり現在超速再生中だ。

 そして灰色だった髪の毛は黄金色に輝いていた。


 ヤバイ!! スーパーマオウの誕生の瞬間だ!!

 穏やかな心を持ちながら激しい怒りによって目覚めた伝説の戦士みたいだ!

 あ……コレ…オレ…ダメだわ…… 宇宙の帝王みたいに情けない最後を迎えるのだろうか? 運が良ければ映画版で復活できるかもな…… ハァ…… 短い人生だった…… 後は逃げる事しかできない、逃がしてくれるだろうか?


「とにかく全員逃げろ!! 他人に構うな!! 自分の命を最優先に考えて逃げろ!!」


 暗に他人を見捨てろと言っている。こうでも言わないとなかなか怪我人を見捨てられないからな。嫌な役だ、何でオレが泥を被らなきゃならないんだよ……


 ドウン!!!!


 ウォーリアスのいる方から衝撃と爆音! 振り向くとそこには既に魔王の姿はなく、ロケット発射後のように、土煙が空へと伸びていた。

 空にはスーパーマオウの姿が…… 何という跳躍力…… 200~300メートルは跳んでる…… 逃げた? 訳ないか。


 まさかあの位置から超重量状態で落ちてくる気か……?



 キュン!! ズドォォォオオン!!!!



 俺の予想は的中した。まるで隕石だ! その場にいた全員が何十メートルも吹き飛ばされる!

 魔王の着地点には直径50メートル以上、深いクレーターができていた。






「う……」


 俺はクレーターの淵に引っかかってた…… 体が動かない…… 隕石攻撃の衝撃だけじゃない、またしても広範囲に強力なGが掛かっている、ウィンリーの羽根が無ければ潰れていたかもしれない。

 周囲を見渡すが、みんな気を失っているのか誰も動かない。これはいよいよ絶対絶命だ。


 ググ……


 体が何かに引っ張られる感覚が…… そのままクレーターの中に引き摺り落とされる。


 ズザザァー


 うげ…… 背中に土が入った…… いや、それよりも……

 俺の目には怒りの形相を浮かべたスーパーマオウが逆さまに映ってる。ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!

 ウォーリアスに首を掴まれ左腕一本で吊し上げられる。


「貴様…… 何故こんなに軽い? 周囲1kmに10倍の重力を掛けているのに、これもお前の能力か?」


 バカヤロー! 質問するなら腕の力を緩めろよ! 口も利けない状況じゃ時間稼ぎも出来ないだろ!?


「まあいい、お前の能力はお前を殺した後にじっくり調べさせてもらう」


 は? 殺したら能力究明なんて出来ないだろ!? 怒りで頭の線が切れてるのか!? 考え直せ!!

 てか、いい加減 手を緩めろ!! 窒息死する!!


「もともとお前だけは殺すつもりだったが、確信した。お前は危険だ!」


 ぐ…… 何故そこまで俺を目の敵にする? 魔王仲間のレイドを殺したからか? それとも何か別の理由が?

 ウォーリアスの右手人差し指が黒く染まる…… もしかして……


「これで心臓を刺し貫いて殺してやる」


 俺の状態異常に

 魔力枯渇

 出血多量

 酸欠←New!

 が追加された、意識が朦朧とする…… 自分の死に方を説明されてるのに頭に入ってこない。


 ……そして …………


 トン


 魔王の指が俺の胸に触れた……


 …………


 ?


 あれ? 人生最後の映画が始まらない…… 走馬灯楽しみにしてたのに…… いつかみたいにエロいのが良いな……

 ん? 足元に何か転がってる…… 黒い…… もしかしてウォーリアスの指?




「ねぇ…… 今なんて言ったの?」




 この声は…… 琉架?


 視界の隅に俺の女神の姿が映る…… 最後に一目見れて良かった…… 琉架はクレーターの淵に立ちこちらを見ている…… あぁ、琉架はいつ見ても綺麗だな……


「ねぇ、なんて言ったの?」

「娘…… お前は何故立っていられる? 今のはお前がやったのか?」


 今のってナニ? いや、それより琉架の雰囲気がいつもと違う…… いつものポヤポヤした感じが無い……

 琉架専門家である俺ですら初めて見るこの感じは……


「もしかして…… 神那を殺すって言ったの?」


 ま……まさか……


「そんなこと…… 私が絶対許さない!!」


 …………

 琉架が本気で怒ってる!?




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