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レヴオル・シオン  作者: 群青
第一部 「異世界の章」
58/375

第55話 第8魔王 ~勇者~


---ブレイド・A・K・アグエイアス 視点---


 敵などどこにもいない……


 ここは第11魔王の居城から僅かしか離れていない森の中だ。

 われわれ『ブレイブ・マスター』は敵の伏兵に備え、さっきから何時間も森の中を歩き回っている……


 しかし、 敵などどこにもいない……


 それどころか動物すら見かけない! 鳥はおろか虫すらいないのだ!

 所謂「虫の音一つ聞こえない」状態だ。

 魔王軍と人族(ヒウマ)軍の衝突で危険を感じて全て逃げ出してしまったのだろう。もし木が動ければ、森ごとなくなっていたに違いない!


 魔王城前広場の方向からは派手なドンパチ音が鳴り響いている。

 あれだけの大軍が正面からぶつかり合えば決着までそう長い時間は要さないだろう。

 いかに相手が魔王軍とはいえ、その大半はならず者の集団と大差ない。個々の錬度が高い精鋭揃いの人族(ヒウマ)軍が圧倒しているはずだ! 少なくとも魔王城前の戦場では!


 人族(ヒウマ)と第11魔王の最終決戦だ……


 そんな戦場のすぐ脇で…… 俺は一体何をしているんだ?


 ここから数百メートル離れた場所では、2400年もの長きに渡る因縁の相手、第11魔王との戦いが繰り広げられてる! その過酷を極めるであろう戦場ではすでに犠牲者だって出ているだろう。

 一方俺たちは、虫一匹いない森の中を現れることの無い敵を探してただ歩いているだけだ。偶に咲いている花を見つけては心を落ち着ける事くらいしかしていない!


 俺は一体なんだ!? 勇者とは一体何なんだ!?


 イライラが募る、次第に花を見ても心が落ち着かなくなってきた。むしろその美しく咲き誇る姿にイラッとくる! 自分でも分かっている! 心が相当荒んでいる事は!

 大体、今あの悪魔(カミナ)天使(ルカ)様が魔王に挑んでいる時に、当の勇者(オレ)は花占いをしている。しかも結果は現在のところ100%の確率で「敵は来ない」だ!


 限界だ…………


 そもそも魔王との戦いに勇者が参加しない意味がわからない。この世界に生きる者なら誰でも知っているはずだ、勇者とは魔王を倒す存在だと!

 やはりヤツの所為か? オレが長い年月をかけて少しずつ積み上げてきた信頼を笑いながら蹴り壊し、地に追い落とし、秘密を一般公開したあの悪魔(カミナ)の! 

 いや、アイツの事を思い出すのはやめよう…… オレがアイツより弱かったのが悪いんだ……


 次だ! 次に花を見たとき、俺はきっとキレる!

 魔王との最終決戦のすぐそばで勇者が花占いなどしていていい筈が無い!! 次に花を見かけたらそれが合図だ! 戦場へ突っ込み敵を皆殺しにしてやる!!



---



 勇者様の表情がどんどん悪人のそれに近づいてきた…… そろそろ限界のようだ……


 さっきから黒いオーラの様な物を纏いブツブツと呟きながら花占いに興じている。その姿は悪の魔法使いか精神を病んでいる人だ。


 確かにこれ以上ココにいても意味が無さそうだ。

 勇者様の真の目的は魔王を倒す事より勇者の信頼回復にある気がする。それなのに魔王はおろかその配下とすらまともに戦えないのでは黒いモノが溜まっていくのも当然だろう。


 潮時かも知れない……


 しかし軍隊として動いている討伐軍の戦場に、私たちが突入しても邪魔になるだけだ。ならばいっそクレムリンに突入した方がまだマシかもしれない……



 その時…… とてつもない衝撃が周囲を包んだ。大爆発が起こったのだ!



 ドォォォォォォオオオオーーーーーン!!!!



「な…なんだぁー!!??」

「うおおぉぉお!?」

「こ……これは!!」


 魔王城の遥か上空に太陽に匹敵するほどの激しい光が発生した。眩しすぎて直視する事が出来ない光だった。

 まさか核爆発? しかしそんな魔術は聞いたことが無い、魔法にだって有りはしないだろう。

 もしかしてコレが魔王の力? だとしたら魔術の範疇を越えている、つまり…… 能力(ギフト)


 そんな時だった、今まで慌てふためいていた勇者様が動きを止めた。とうとうキレてしまったのだろうか?


「なにか…… おかしいぞ?」

「え? どうかされたのですか?」


 勇者様は質問には答えず、地面に耳をつけはじめた。

 いつもの頼りないBAKAっぷりとは明らかに雰囲気が違う……


「ブレイドは感じている様だなこの振動を…… 以前にもどこかで……」


 答えてくれたのはグレイアクスさんだ、しかし質問の答えではない。


「ふむ…… では男どもに変わってワシが質問に答えよう。気付いておるかエルよ?」

「え? な…何にですか?」

「耳を澄ませてみろ、さっきまで聞こえていた喧騒が、悲鳴一色に塗り替えられておる」

「!?」


 言われて初めて気付いた! 確かに悲鳴しか聞こえてこない!

 さっきの光は魔王の攻撃!? それじゃあ突入部隊は!?


「何かあったようじゃな。ワシらはイレギュラーに対応する為の部隊なんじゃろ?」


 そうだ! 今は余所の心配をしている時じゃない! コレは私たちの仕事だ!


「勇者様!!」

「ああ!! 行くぞ!!」


 私たちは戦場へ…… 悲鳴の方へ駆け出した!!



---



「こ……これは一体なんだ!?」


 辿り着いた時には大量の悲鳴は僅かな呻き声に変わっていた……


 そこはまるで巨大なモノに潰されたかのような死体で埋め尽くされていた。

 敵も味方も全てがだ……

 わずかに生存者もいるようだが、ほぼ壊滅状態だ。一体何が起こったんだ!?


「うそだ…… まさか……そんな…… あり得ない……」


 グレイアクスの様子がおかしい? 何か知っているのか?


「こんな事が出来るのは世界にただ一人だけだ……」


「いったい何の事だ!! 何か分かるなら話せ!!」


「間違い無い…… これは第8魔王の仕業だ……

 『第8魔王 “侵略者” ウォーリアス・アンダー・ザ・ワールド』だ!!」


「だ…… 第8魔王…… だと?」





「ほぉ……! 炭鉱族(ドワーフ)人族(ヒウマ)に加担して、魔王を攻撃していたのか?」




 ズン!!


 とてつもないプレッシャーに襲われる!!

 こ……呼吸が上手くできない……!!

 声がしたのは俺たちのすぐ後ろ…… 背後に誰か立っている……

 誰かだって? そんなの決まってるじゃないか!


 決死の覚悟で振り返る、そこには異様に頭のデカい男が一人立っていた。


「お…お前が第8魔王か!?」


 しかしヤツはこちらを見ようともしない、グレイアクスを見ている…… くそ! 舐めやがって!!


「お前…… もしかして100年前に逃げ出した奴らの内の一人か?」

「ぐっ……うぅ……」


 100年前? そうだ、歴史の本で読んだことがある。

 炭鉱族(ドワーフ)出身の魔王・ウォーリアス・アンダー・ザ・ワールドは100年前、中央大陸全ての領域に同時に侵略を行った…… 世に言う「魔王戦争」を引き起こした魔王だ。

 結果、炭鉱族(ドワーフ)を絶滅寸前にまで追い込んだ最悪の魔王だ!


「くくくっ わざわざ第12領域まで逃げたんだ、そこで静かに暮らしていればいいモノを、こんな所に顔を出すからこういう目に会うんだ」


 ズズン!!


「ぐぁ!?」


 俺たちに圧し掛かるプレッシャーが更に増した!? まるで全身に鉛でも付けられたように体が重く感じる!?


「うっ!!」

「くぅぅー!!」


 エルとタリスが大地に膝をつく。もはや立っている事すら困難だ。

 何なんだこの体の不調は!? 俺は勇者のクセに魔王と対峙してビビってるのか?


 認めるモノか! 勇者とは魔王を倒す者の名だ!!


「うおおぉおぉぉぉ!!!! 喰らえ魔王!! 『封魔剣技・音速剣』!!!!」


 ビシュン!!!!


 背中から直接抜き放った音速に達する必殺の太刀、音速剣は空を斬った。


 魔王ウォーリアスは軽やかに宙を舞い、10メートル程向こうへ跳んでいた。

 あの体型で何であんな動きができる? いや……それよりも音速の一撃を簡単に避けられた……

 …… 違う、避けられたのではない! 魔王は俺の剣を避けざるを得なかったんだ! それは単純に俺の攻撃は魔王に通じる事になる! だから避けた! 勇者は魔王の敵になり得るんだ!!


「ほぅ、封魔剣技か…… お前は勇者なのか。確かに100年前の勇者よりわずかに剣速が上がっていた気がするな」

「俺の中には歴代勇者の研鑽が宿っている! 決して以前のようにはいかないぞ!!」


 ウォーリアスが離れた事で体に掛かるプレッシャーが幾分和らいだ気がする。


「しかし、そうなると余計に不可解だな」

「なに?」

「なぜ勇者がこんな所にいる? 我がココにいる事など知る由も無かったであろう?

 これはレイドを討つ為の作戦、どうして向こうに行かなかったのだ?」

「ぐっ!!」


 痛いトコを突いてくる!


「ははぁ…… その顔を見るに人族(ヒウマ)から一切信用されてないな?」

「ぐっ! ぐはぁ!!」


 まさかの精神攻撃! あんな見た目パワータイプの魔王から精神攻撃を受けるとは……

 だが…… 折れてたまるか!! 俺はもっと極悪な精神攻撃を悪魔から散々浴びせかけられた!

 思い出せ! 首都を追われる様に逃げた日を! アルカーシャ王国での惨たらしい仕打ちを!


 あ…… 駄目だ…… 思い出したら心が折れそうだ…… そこまで深く思い出すな……

 あの悪魔の精神攻撃に比べたらこの程度、蚊が指した程にも感じない。


「実に愚かな事だな、魔王との戦いに勇者を連れて行かないとは。勇者という存在の重要度をまるで理解していない」


 バ…バカな!? からめ手で来ただと!? 何という事だ…… 既に負けた気分だ…… 敵である魔王に褒められて、ちょっと喜んでしまった自分が情けない!!


 くっ…… ダマされるな俺! アメとムチの緩急は初期の悪魔(カミナ)も使っていただろ! 他人が無条件に勇者(オレ)を褒めることは有り得ない! その場合必ず裏があるんだ! ダマサレナイゾ!! この詐欺師め!!



 勇者は深刻な人間不信に陥っている……



「だが、人族(ヒウマ)が愚かでこちらも助かる。レイドが勇者に倒されたら困るからな……

 自分の手で勇者を殺せるなら、それに越した事はない」


 ピク………………

 何だと?


「いや…… お前は不運だった。49代目勇者 ブレイド・アッシュ・キース・アグエイアスが今! ここで! お前を倒す!」

「ほう、威勢だけは一人前だな? 本当にそんなことが出来ると思っているのか?」

「勇者がやらずに、誰が魔王を倒すというんだ!!」

「ならば…… やってみせろ!」


 魔王ウォーリアスが手にしていた真っ黒い巨大な斧をこちらに放り投げた。


 ズドン!!


 斧はオレの目の前に落ちた。その巨大な刃の半分ほどが地面に埋まっている。

 一体どれだけ重たいんだ? 重量は200~300kgは有りそうだ、そんなものを片手で軽く放るとは…… そのパワーは人型生物にしてはあまりにも規格外すぎる!


「勇者様!!」


 声を掛けられて視線を前に戻すと、目の前にはウォーリアスが迫っていた! 目を離したのは2秒にも満たないのに10メートル以上の距離を一瞬で詰められた!

 ウォーリアスは軽くジャンプすると、先ほど自分が放った斧の柄を掴む、ソレを軸にして回転するように両足で蹴りを放ってきた!


「受けるな!!」


 グレイアクスが叫ぶ!! しかし……少し遅い!! 被害を極力減らすため左腕で受けバックステップで受け流しを試みる!


 バキバキッ!!!!


 腕の骨が鎧ごとへし折られた!? それだけではない、奴の放った蹴りはその威力で接地していないにも拘らず周囲の地面を抉り出しオレと仲間たちをまとめて吹き飛ばした!


「ぐはあぁあ!!!!」


 何十メートルも地面を転がされた、なんて威力だ!? まるで列車に跳ねられた様な衝撃だ!! 全身がバラバラになったと錯覚したほどだ!!


「第4階位級 生命魔術『超再生』ハイ・ヒーリング」

「魔力変換魔法『物真似師(フェイカー)』」


 威力の大部分をオレが引き受けたおかげだろう、仲間たちは軽傷で済んだようだ。エルの治癒魔術をタリスの複写魔法でコピーして2倍の治癒効果で急速回復する。

 しかし、コイツは一体何なんだ! とてつもないパワーを誇りながら羽の様に軽やかな動き…… 普通じゃあり得ない…… ならばコレが魔王ウォーリアスのギフトか?


「ほう? 今の一撃で死なないとはさすがは勇者と言ったところか……

 古き神々が作り出した魔王へのカウンターとして、新しき神が作り上げた兵器……だったか?」


 ………………


「な……何の話だ!? 神? 兵器? 貴様一体何を言ってる!?」

「勇者は代替わりするから知らないのも無理は無いか…… それとも敢て兵器という事は伝えなかったのか?

 まあいい、どちらにしても出来損ないの玩具だ」


「出来損ないの玩具? 勇者が……? 長い年月を掛けて先代達が血の滲むような努力を重ねてきた研鑽がただの児戯だとでもいうのか!?」


「勇者様落ち着いて下さい! そんなこと誰も言ってません! コレは敵の罠です!!」


「いや、言っているぞ娘よ。この世は全て「才能」で決まる! 持たざる者の研鑽など児戯に等しい!」


「魔王!! 貴様ぁぁぁぁぁ!!!!」


 その時ウォーリアスが掲げた腕を軽く下ろした。


 ズシン!!!!


「ぐっ!?」

「あぐっ!?」

「ぬ!?」


 全員が地面にひれ伏す形になる。

 しかし勇者だけが耐えて立ち上がる。


「ぐぐぐ…… き…さま……」

「さすがは選ばれし勇者か、よくぞ耐えた。しかしコレで分かったであろう娘よ、如何に借り物とはいえ勇者も才能をもつ者だ。やはりお前達とは違うようだ」


「くっ……いいえ違いません、魔王……あなたは確かに恐ろしいほどの才能を持っている…… でも私たちと変わらないんです!」

「なに?」


「私もかつては高みを目指し、才能のある者を憎んだ事があった。

 でも違った…… 才能をもつ者が強者なんじゃ無い! 彼女はとても脆い存在だった。誰かに依存しなければ生きて行く事が出来ないほど弱かった……」

「それはそいつ個人の話だろ」


「では、あなたより更に高みにいる者から見れば、あなたの今の姿はどう映るでしょう? 児戯に等しいのでは? あなたもその他大勢の一人に過ぎないのではないのですか?」

「ふん、魔王足る我より高みにいる者がどこにいるのだ?」


「あなたは頂点では無い! その証拠に今に至るまであなたはどこの領域も侵略できていない!!

 “侵略者”が限界であって“征服者”には成れないからよ!!」


「…………」


「はっはっはっ!! 良く言ったエル!! コイツは周りを見下すだけで上には目を向けようとしない負け犬だ!!

 いずれ上を行く者に討たれる運命なんだ!!」


 ブレイブ・ブレイドを天高く掲げる!


「雷撃魔法『雷神剣(ライトニング・ソード)』!!!!」


 カッ!! ドォォォォン!!!!


 勇者の剣に雷が落ち、そこに帯電する。


「認めよう魔王ウォーリアスよ、確かに努力だけでは才能に及ばない! しかし才能だけで頂点に立てる者はいない!

 たとえ児戯に等しくとも努力する事は無駄では無い!!

 きっと俺はお前に勝てないだろう。だが、いずれお前よりも高みを行く者がお前を倒すだろう!

 それが勇者であることを願う!!」


 ウォーリアスに向けて飛び出す。しかし肝心の相手は動こうとしない。まるで固まったかのように立ち尽くしている。とにかく一撃!! まずはそれから!!


「『封魔剣技・雷神閃光剣』!!!!」


 バチィィィン!!!!


 凄まじい閃光が辺りを照らし、雷が空へと登って行く!

 しかし手応えが無い。


「なに!?」


 勇者の剣は魔王の体に届いていない、魔王の体の周りには目に見えない壁の様なモノがあった。

 それが勇者の剣を防ぎ、雷を散らせたのだ。


「更に上の者…… 努力…… くっくっくっ…… 貴様らは勘違いしている」

「何だと!?」


「12人の魔王の中で恐らく我ほどの努力家はいないだろう」

「は?」


「確かに2400年…… 我の努力が実を結んだことは無い…… 故に“侵略者”だ。

 だが、本気で高みを目指そう! 今日ココに来たのもそれが目的だ!」


「フン!! 出来もしない事をほざくな!!」


 ガシ!!


 もう一発真横から薙ぐように放った勇者の剣をウォーリアスは素手で止めた。


「なっ!?」


 その手に剣による切り傷も、雷による焼け跡も無い。それどころか剣に帯電していた雷が、見る間に霧散していく。


「まずは第一歩だな……」


 ウォーリアスが腰を落とし、拳を握る…… これは…… ヤバイ!!

 以前ゴリラのような老人からもらった一撃を思い出す!


「フン!」


 次の瞬間、ブレイドは剣から手を離し伏せる様に回避する…… しかしさっきと同じだ、魔王の拳圧が周囲の地面ごと吹き飛ばす!


「うおおおぉぉぉお!?」


 先ほどの蹴りよりも規模が大きい、吹き飛ばされた勇者パーティーは半分土に埋もれていた。


「地を這う虫はそのままそこで潰れていろ」


 ズズン!!


「がはっ!!」


 まただ、凄まじいプレッシャーが襲ってくる…… まるで巨大なゴーレムにでも乗っかられているかのようだ。コイツのギフトはまさか……


 ベキベキ!!


「うぶっ!?」


 肋骨の折れる音がし血を吐いた。仲間達も同様だ…… このままでは…… 全滅する……



 そんな時一筋の閃光が魔王を貫く……



 いや、当たらなかった…… ウォーリアスの手前でグニャリと軌道を変え、周囲を這うように通り抜け彼方へと消えていった……


 光が放たれた先に視線を動かす…… そこには14~15人の人影…… その中に…… 天使(ルカ)がいた!!

 それと同時に悪魔(カミナ)も目に入る……

 あろうことか天使の肩に腕を回し体を密着させ寄り添っている!!


 今すぐ二人を引き剥がしたいが体が動かない、声すら出ない…… くそぉ!!


 …… いや、ちょっと待て!?


 彼らは何故ココにいる!? 魔王レイドを倒すべく城へ突入したはず…… それがココにいるという事は……


 ま…まさか……

 倒したのか? 魔王を……!?




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