第24話 呪われし者
今は朽ち果て、かつての形を失った古代の建物跡……
その床の一角、色が他の煉瓦と微妙に違うそれを強く押し込む。
すると……
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
床の一部がわずかに沈み左右に開いていく。ものの数秒で地下へと続く階段が出来あがる。
「ここが地下迷宮『ラビリンス』への入り口です」
いよいよ呪われし賢者とのご対面だな。
「どうぞお入りください」
俺たちはお互いの顔を見回し、頷くとメイドの後に続いて地下へと降りた。
そこは地下にしては随分と明るい、壁自体がわずかに発光しているのだ。シニス世界の地下遺跡・迷宮の特徴でもある。中には闇の迷宮なんてモノもあるが、大体は古代の遺産に分類される技術だ。
現在の技術でも同様の事は出来るが、遺産の様に数千年も光り続けるのはまだ無理らしい。
超古代文明……胸が躍るね。どこかに空想上の超兵器でも眠ってないか? オラ、ワクワクすっぞ!
「ただ今戻りました~。ジーク様~、お客様をお連れしましたよ~」
ミカヅキの口調が随分崩れている。やはりあのへんな口調は慣れてなかったらしい。語尾を伸ばすなよ。
「いらっしゃらないんですか~? …………っち、こんな時間だから今日は潜らないと思ってたんだけど」
この子の仮面はすぐ剥がれるな、っち、とか言うなよ。資質は有りそうなんだが、あまりメイドには向いてない気がする。
「どうしましょうか? アイツ潜ってしまったみたいです」
「潜ったってのは?」
「地下迷宮ラビリンスです。私たちじゃ迷宮ボスを倒せないの分かってるくせに、暇さえあればすぐ挑みに行くんです。アイツ賢王とか呼ばれてるらしいけどアホですよ、アホ」
めまいがする……どんどん素が出てきた。毒舌メイドだったのか……
「ホント迷惑なんですよね、迷宮の奥で死なれると私が呪い取りに行くのがすごく困難になるのに……あ~あ、近くで死んでないかな? いっそ風呂場で足を滑らせて浴槽の角で頭打って死ぬとか、食事を喉に詰まらせて死ぬとか……」
出てくる出てくる、まるで女子高生が彼氏の愚痴を喋るが如く、次から次へと酷いお言葉が舞い踊る。
何と言うか…………賢王様にも同情するね。
「そうだね……直接手を下せないなら金庫室に閉じ込める、とか良いかも知れないね!」
先輩がノってきた、そういえば推理小説とか読んでたな……だからと言って笑顔で殺人計画とか語らないでください。ウチには俺たちみたいに薄汚れていない無垢な少女が二人もいるんだから…………
「1ヵ月も閉じ込めておけば、酸欠、脱水症状、飢餓、きっと衰弱死してるよ。死体の場所も特定できるし」
「あぁ! それイイかも! アイツが私の犯行だって思わなければ、条件クリアできるかもしれない!」
俺は琉架と白の肩を抱いて祈るように喋る……
「二人とも……頼むから、あんな大人にはならないでくれ…………頼む…………」
楽しそうに邪悪な計画を語る悪魔の様なあっちの二人を見て、心の底からそう思った。
こっちの二人は天使のままでいてくれと……そう願わずにはいられなかった。
「あ……あはは……」
「? ……わかりました」
それはほんの一瞬の出来事だった。
俺が二人の悪魔から二人の天使を守ることを心に誓った時、ほんの一瞬目を離した隙に巨大な人影が先輩とミカヅキの向こう側に現れたのだ。
油断した!! そう思った時には先輩とミカヅキの頭は、その巨大な人物によって鷲掴みにされていた。
すぐに助けようと行動を起こすが、思い留まる…………やめた。
救出行動を取りやめた俺を琉架と白が焦った顔で見上げてくる。
いや、大丈夫だよ。怒気は放ってるけど、殺気は放ってない。アイツは敵じゃない。
「いだだだだだ!?」「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」
「随分と大きな声で楽しそうな話をしているではないか、迷宮まで聞こえてきたぞ? ミカヅキよ……」
「ジ…ジジ……ジ、ジーク様ぁ!? ゴ……ゴメンナサイ~~~~!!」
やはりか……怒気を放っている時点で、そうじゃないかと思っていたが……
そこには琉架のじーさんにも匹敵する、身の丈2メートルにもなる偉丈夫がいた。
誰か責任者呼べ! あれが賢者だと? どーしてこの世界の役職持ちは俺のイメージを壊して回るんだ!?
幼く可愛い魔王とか!
ゴリラみたいな会長とか!!
今度はマッスルボディの賢王だよ!!!
俺もいい加減学ぶべきだな…………あ、ゴリラ会長はデクス世界由来だっけ……
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チ~ン
頭からケムリが立ち上り、うつ伏せに倒れている二人の女悪魔……南無。
そんなギャグ漫画のような光景を無視して脇にあるソファに腰掛けお茶を振る舞われている。正面には筋肉の塊が座っている。
俺は両手に花状態だ。琉架と白が怯えて俺の腕に縋り付いている。目の前の筋肉ダルマさえいなければ時間を止めていつまでもこうして居たい気分だ。
そんな俺たちの様子を賢王が悟ったような目で見てくる。なんだ? あの目は? 羨ましそうに眺めている訳では無い……まるで懐かしいモノを見るような目…………
あ、若者を見るお爺ちゃんの目だ! そんな微笑ましいモノを見る目をするな。俺の中の欲望という名の邪心が浄化されて苦しんでる。
そういえばこの人今いくつなんだ? 見た目は30~40代といった所か?
賢王と呼ばれている割に随分若い…………もしかしたら魔法王も若いかも知れないな。期待が膨らむ。
「さて、まずは自己紹介をさせて貰おう、俺がジーク・エルメライだ。巷では「賢王」だとか「最強の賢者」だとか呼ばれているらしいな」
自傷気味にフッと笑った。自ら名乗ってないなら迷惑な肩書だからな。
「それで? お前たちはここへ何しに来た。観光ではあるまい?」
「そうですね……ハッキリ申し上げれば……勧誘です」
「ほぅ、ギルドに入れと言うことか?」
「その通りです」
話が脇道に逸れなくてありがたい。ミカヅキだったら賢王の悪口が2~3個漏れ出してただろう。
「ふむ、その話、今は受けられんな。そもそもお前たちのギルドに入って何のメリットがあるのだ?」
「それは、そちらが何を望むかですね」
ここでしばらく考え込み、何か思いつく。
「お前たちは強いか?」
おっと~、嫌な予感がしてきましたよ……さっき「迷宮ボス」ってワードが出てきたからな。
「えぇ……我々は世界最強を自負しています……」
「ふっ、はっはっはっ、世界最強か!! それはいい!! ならば是非とも手伝ってほしい事がある!!」
あ~……呆れなかった、フラグ回避失敗。
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その後、すぐに迷宮に潜る事になった。もう夜なのにこっちの事などお構いなし。この筋肉ダルマめ!
― 地下迷宮 ―
第12領域、フィー半島中央、ライアス平原にある山通称『霧の迷宮』の地下にある巨大迷宮。
その深さは実に100階層、地下に進むほどフロアは広くなる。最下層である第100層は直径100kmにも及ぶ。
………………無理だと思うよな? 何年かかるんだよ……この設定だけで大作ゲームが一本作れそうな広さだ。
ところが今回は、そんな無理ゲーをしなくていいらしい。俺が隙を見て逃げ出す準備をしていると賢王様が語りかけてきた。
「最下層まで直通の昇降機があるぞ」
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何と言うことでしょう!
そこには力任せにこじ開けられたと思しき床の穴に、匠の手作りと思われる無骨なエレベーターが設置されていたのです。
その見るものを不安にさせるボロさが味わい深い一品です。
なんとブレーキは手動! 細かな所でエコを感じさせてくれます。
これで一緒に暮らすお爺ちゃんお婆ちゃんも簡単に地獄の底(最下層)まで一直線です。
昇降機とかエレベーターとか立派なモノじゃない…………ただの籠だ。ゴンドラとかバスケットでもいい、一番イメージしやすいのは井戸の釣瓶だな。とにかく手動だ。
「では行くのは俺とお前の二人だな」
「ハァ!?」
え? マジ? 何言いだすのこの筋肉ダルマは?
「反対側に付けてある重りの関係だ。いつもは俺とミカヅキだけだからな」
バカかコイツ!? 俺たちの中で一番強いの琉架だよ? なんで俺を連れてくんだよ!!
もちろんこんな筋肉ダルマと琉架を二人きりで送り出すことなど出来ない!
ウィンリーの羽根を使えば俺と琉架と賢王+1名の4人パーティーが組めるのだが、こんなしょーもない事でバラす訳にはいかん! ぐぬぬ……
「神那ぁ……気を付けてね? 無理だと思ったらすぐに逃げてね?」
「おにーさん……頑張って……気を付けて」
琉架と白が心配してくれる。こんな俺の事を…………あぁ、俺は何が何でもこの二人の天使の元へ帰ってこなければ……
視界の隅で小さくガッツポーズをとっている二人の女悪魔の事は見なかった事にしよう。
「それでは行ってくるぞ! ミカヅキ! お前はお客人のお世話をしていろ! それと重り籠が上がってきたら重りを追加するのを忘れるなよ!」
「はい! お任せください、ご主人様! いってら~♪」
女悪魔の満面の笑みにイラッとくる。俺は引きずられるように籠に乗せられる。
気分はドナドナだ。さっきからあの切ないメロディーが脳内でリピート再生されている。
「では行ってくる」
ガコン! ストッパーが外されるとかなりのスピードで降りて行く。と、言うより殆んど自由落下だ!
うぉぉぉーーー!? くそっ! 悲鳴なんか絶対上げないからな!!
「あぁ……神那ぁ、どうか無事で……」
「…………おにーさん……」
「お二人とも~お夕飯にしますよ~」
「いや~お腹ペコペコだよ、メニューは何かね? メイドさん」
キャハハ~と笑い声が響く、その部屋にはかなりの温度差があった。
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地下迷宮 最下層
最下層はほとんど真っ白な空間だった。目印になるものは無く、距離感も掴み難い。直径100kmがこんな感じなのか? こんな所にずっといたらノイローゼになりそうだ。
「ここから10分ほど言った場所が宝物庫だ、ついて来い」
賢王が位置も地図も確認せず歩き出す、勝手知ったるといったふうだ。
「賢王、幾つか……聞きたいことがあるんですが?」
「よせよせ、賢王とか呼ぶな。ジークでいい……そういえばお前の名前はなんという?」
「……霧島神那…………だ」
「ふむ、カミナか。それで? 何が聞きたい?」
「色々あるが一番は呪いの事だ。もし仲間になったとき厄介なデメリットが有ったら困るからな」
「ミカヅキに聞いたのか? まぁ、当然の反応だな」
ジークはどうやらあまり呪いの事は気にしていない様だ。デメリットじゃないのか?
「俺に掛けられた呪いは『不老不死の呪い』だ」
「………………は? ふろ~ふし?」
不老不死……なんという残酷な呪いだ。なにせ呪いって死ぬまで……
「ミカヅキはどうするつもりなんだろうな? 俺の呪いを受け継ぐつもりらしいが、俺は死なないからな。一体いつ気付くか楽しみだ」
そうなのだ。呪いは死ぬまで解けることは無い、にも拘らず不老不死の呪いだ。こいつは太陽にでも投げ込まないと死なないんだ。いや、もしかしたらそれでも死ねずに永遠に苦しむのかもしれない。
これほど最悪な呪いがあるだろうか?
それでも賢王様は楽しみにしている様だ、ならば俺もこの事実は隠匿しよう。たしかに楽しそうだ。
ふと、一つの可能性が頭に浮かぶ。え? ちょっと待てよ!?
「あんた一体いま何歳だ!? まさか、この迷宮って……」
「おぉ! なかなか察しが良いな! 俺が呪いを受けたのは500年前、この地下迷宮は俺が500年掛けて攻略したものだ!」
こいつマジか! どんな廃人だって500年も一つのダンジョンを攻略し続けるなんて出来っこない! こいつの精神はもはや神の領域に達しているぞ! とても信じられん!!
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「ついたぞ。おしゃべりはここまでだ!」
「うん?」
遠くに見える巨大な扉の前に一匹の魔物が座している。また出た……ミノタウロスだ。
「ぶもおおぉぉぉ!!!!」
勢いよくこちらに駆け出してきた。あれ? なんかデカいぞ? 外に居た奴とは明らかに違う!
「あれってさ……無視して通り抜けちゃダメなの?」
「この迷宮のボスの体には鍵が隠されている! 倒さなければ先へは進めん!」
鍵なんか壊せばいいだろ? お前の筋肉なら余裕だろ? 床を破壊したのもお前の筋肉じゃないのか? それとも500年モノのゲーマー魂が許さないのか?
「さあ! 記念すべき666回目の挑戦だ! いくぞぉ!」
よりにもよって悪魔の数字かよ!? 不吉な予感がするだろうが!!
ジークがボスミノタウロスを迎え撃つべく飛び出した。その後を俺もゆっくり走りだした。白が居ないからな、まずはじっくり見させてもらおう。不老不死なら一撃死食らう事も無いしな。
「来たれ火精!! 我が糧となり血肉となれ!! サラマンダー・バイト!!!!」
ジークの必殺の一撃が炸裂! ミノタウロスを強烈に殴りつけ後ろへ吹き飛ばした。
目を疑った…………
名 前:ジーク・エルメライ
職 業:賢者
武 器:素手
攻撃方法:物理で殴る!
お前賢王だろぉぉ!! いや、分かるよ!? その恵まれた肉体を有効的に使うのは当たり前だ!! でもお前、召喚魔法の使い手なんだろ? 何で物理で殴るんだよ!
しかも今、必殺技使ったぞ!! 500余年生きているにもかかわらず、例のあの暗黒の病は完治することは無いのか?
俺も30代になってもあんな風に必殺技を叫びながら使うのか? 将来に不安を感じながら少しだけ安心した。俺は一人じゃない、仲間がいる、遥か先を歩く先人達がいる……と。
数メートル後ろに飛ばされたミノタウロスは大して効いた様子もなく再び突進してくる。そしてお返しとばかりにアッパー気味のパンチをジークに放つ!!
ジークは両腕でガードするも体が浮く、10メートル以上後方に跳び俺の手前に落ちてきた。
…………なんだこの超重量級の激突は…………完全に場違いだ。
ミノタウロスが追撃のために突っ込んでくる。巨大な斧を振り上げている、流石にあれを食らったらスプラッタだ。筋肉の活造りなど見たくもない。
「血糸・影縫い」
ミノタウロスの動きが止まる。影縫いと言っても忍法的なアレではない。血糸で床に縫い付けただけだ、その場から動けないから藻掻いている。フハハハハ! その糸が切れるものなら切ってみろ!!
「おい、大丈夫か?」
「あれは……お前がやってるのか?」
「あぁ、なかなかのパワフルビーフだがあの糸は絶対切れん。もっとも直ぐに床石をぶっ壊して動き出しそうだがな」
既にピシピシいってヒビが入っている。あと2~3分って所か……
「何でいきなり肉弾戦した? パワーはアッチの方が上、勝てないの分かってたろ? そもそもアンタ、召喚魔法の使い手じゃなかったのか? それとも誤情報だったのか?」
「む? 何を言ってる、しっかり使ってるではないか」
そう言って右腕を見せる。そこには炎で作られた燃えるナックルガードが装備されている。
「精霊召喚術『火精・サラマンダー』だ」
思わず頭を抱える……誰だよコイツの事、賢王って言ったの……コイツは武闘家とかモンクに分類されるべきだ。世の賢者はこんな筋肉ダルマが賢王と呼ばれていると知ったら激怒するぞ?
ボゴーン!!
低い破砕音がすると土煙の中からミノタウロスが飛び出してきた。おぉ!? 思ったより速い? 蹄で大理石の床を砕きやがったのか?
瞬時に背後に跳び距離を取る。しかしジークはまだ体制を建て直していない! ヤバイ!!
「第4階位級 氷雪魔術『氷槍』フリージングランス」
氷の槍をミノタウロスの首に向かって放つ! しかし……
パキィィィン 氷の槍の方が砕けた! マジか!? 第4階位級だぞ!?
巨大な斧がジーク目掛けて振られる! 今からじゃもう間に合わない! ので、放っておく事にする。うん、どうせ死なないしな……
「来たれ風精!! 我が糧となり血肉となれ!! ウィンドアブソーバー!!!!」
ドゴン!! ミノタウロスの横合いからの戦斧フルスイング。ジークは時速100km以上のスピードで真横に吹っ飛ばされ壁に激突! そのまま隣の部屋へ消えていった。
風の精霊で防御したみたいだ、もし無防備だったらどっかの王様みたいに身体が2つに分かれてただろう。
実力差があり過ぎる。何でパワー勝負を挑むんだよ……665連敗も納得だな。
ミノタウロスに睨みつけられる、仕方ない俺が片付けるか……血で1本の刀を作り出す。
『血刀・深淵真紅』
漆黒と真紅の2色で構成された刀。神聖さと邪悪さを混在させた自慢の一品であり、非常にカッコイイ。初めて作った時は自分は天才だと思ったものだ。
「ぶもおおぉぉぉ!!!!」
牛の癖に猪突猛進に突っ込んでくるミノタウロスが戦斧を振り下ろす。
ウィンリーの羽根で体を軽くし斧の軌跡の内側に体を滑り込ませる。
そして斧をミノタウロスの腕ごと斬り飛ばす。
「ごおおぉおお!!!!」
それでも怯まないミノタウロスが蹴りを入れてくるが、俺の体は体重ほぼゼロ状態だ。蹴りと同等の速度で後方に飛ばされる、その時、血糸を一本ミノタウロスの首に巻きつけておく。
俺を蹴り飛ばしたにも拘らず、手応えが得られなかったミノタウロスが警戒する。
「ここだ!!」
一気に血糸をたぐり寄せる。俺の体は高速で敵に向い、急に首を引っ張られたミノタウロスはバランスを崩し膝をつく。その直後、ミノタウロスの角が赤く光りだす! 何かのカウンターだろう……
次の瞬間、角から強烈な閃光が放たれる。それと同時に体重を元に戻す。
俺の体は重力の影響を受け、わずかに軌道を下げ、閃光を回避、そしてそのまま敵に突っ込む!
「弐拾四式血界術・参式『風牙裂斬』!!」
殆んど音も立てずに敵とすれ違う。そこから数メートル以上、足を滑らせようやく止まる。
振り返ると首の落ちたミノタウロスが倒れる瞬間だった。