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レヴオル・シオン  作者: 群青
第一部 「異世界の章」
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第12話 第5魔王・後編



「それで二人の方こそこんな砂漠の真ん中で何をしてたのじゃ?」

「私たちはクエストでこの砂漠にいる、百足龍を討伐しに来たの」

「ほぅ、百足龍とな? 第12領域にも生息しとったんか、しかしアレはなかなか見つけるのが大変じゃろ?」

「うん……ずっと歩き回ってるんだけど、いまだに痕跡すら見つけられなくって……」

「ならば余が手伝ってやろう!」


 え? いいの? 正直このまま発見できずに失敗かと思ってたから、すごい有難い。


「え……い、いいのかな? そんな大変な事……」

「もちろんいいに決まっておる、余とルカとカミナは友達なのじゃ! 友達が困ってたら手を貸す! 当たり前の事なのじゃ!」


 友達って良いなぁ、今まで友達がいなかったからそんな決まりがあるなんて知らなかったよ。確かに俺も琉架が困ってたら無条件で手を貸すな。


「うん……ありがとう、ウィンリーちゃん」

「くふふ、礼など不要じゃ」


 するとウィンリーが翼をパタパタ羽ばたかせ浮き上がる、風圧を全く感じない、そもそもあの小さな翼じゃ体を支えられるとは思えない。おそらく魔法的な力で飛んでいるのだろう。

 50メートルほど飛び上がり周囲を見渡すとすぐに降りてくる。


「あっちじゃ! あっちに居る気がする!」


 少し頼りない言葉だったが他にアテもない、素直に従ってみることにする。友達だしな。


---


「砂漠の行軍なのに涼しいのぉ! すこぶる快適じゃ! 魔導魔術というやつはなんとも便利なものじゃのう!」


 今ウィンリーは俺の肩に座っている、肩車スタイルでとってもご満悦だ。全く重さを感じない、気を失っていた時は昔の妹と同じぐらいの重さだったが今は本当に羽の様に軽い。


「いいなぁウィンリーちゃん、ねぇ神那、今度私にも肩車して?」


 え!? いいの!? 本来ならこちらから土下座でお願いする様なことを、琉架さんにしてもいいんですか?


「うむ、カミナの肩車は絶品なのじゃ! ルカも一度試してみるとよい、病み付きになるぞ?」


 ウィンリー、ナイスアシスト! 今度飴ちゃん上げよう、子供の様に喜ぶウィンリーの姿が目に浮かぶ。


 その後も三人で他愛もない会話を続ける。もしかしてウィンリーは2400年以上友達がいなかったのか? 遥か昔には俺たちのような誰かが居たかも知れないが、魔王というものは存外、孤独な存在なのかもしれないな。

 それなら他の魔王はどうなのだろう? 圧政を強いてる暴君の魔王に友達がいるとは思えない、眠りつづけているヤツにも不要のモノだろう……ウィンリー以外の魔王に思いを馳せていると、以前、疑問に思った事が頭を過る。もしかしてこの疑問、魔王であるウィンリーなら答えられるかもしれない……


「どうしたのじゃカミナ? 急に黙って、なんなら今から肩車をルカと交代してみるか?」


 マジで!? い……いや、まてまて、それは今度じっくり堪能させてもらうとして……今は湧き上がった好奇心を満たしてあげよう。


「なぁウィンリー、俺は12人の魔王について昔から疑問に思っていることがあるんだ」

「ふむ、どんな事じゃ? 余の持つ英知でその疑問を解消してしんぜよう!」


 魔王様から何とも頼もしいお言葉を頂いた。さっそく疑問をぶつける。


「俺と琉架は12人の魔王の事をオリジン機関で学んだ、でも、よくよく考えると教わったのは11人の魔王の事なんだ」

「ん? 意味がよう分からんぞ?」

「オリジン機関は第12魔王の事を完全に無視していた。ただ『いない』とだけで、他の情報は一切ない。それはシニス世界においても同じだった」

「あ~……」

「そもそも第12領域『トゥエルヴ』ってのは第12魔王の支配領域って意味だろ? にも拘らずそこに住む人たちですら話題に上がった事すら無い」


 琉架もそういえばって顔をしている。


「この間も第3魔王がトゥエルヴの街を一つ滅ぼしやがった。自らの支配領域が襲われたのに第12魔王は姿を現さず、だれもその事に触れない。どうなってるんだ?」

「それは仕方のない事なのじゃ、『いない』というのも間違ってない、あやつは『行方不明の魔王』じゃからな」

「行方不明?」

「うむ、かれこれ1000年以上な。余がアイツに最後に会ったのは……たしか……1200年位前かの? 今にして思えばアレは最後の別れだったのかものぅ」

「ウィンリーちゃんは第12魔王に会ったことがあるんだ?」

「100年に1回訪ねてくるような間柄じゃな……まぁ、魔王の中では比較的仲が良かったと言っていいかの?」


 スケールがデカすぎてよく分からん。それは果たして仲が良いと言えるのか? 死んでいないかたまに見に来る知り合いのような関係にしか思えない。それでも魔王としては頻繁に会っていたと言えるのか……


「そういえば最後に会うた時にアイツ妙な事を言っていたのぅ」

「妙な事?」

「確か~……ここじゃダメとか、新しい領域が必要とか言っとったかの」

「新しい領域? この世界に余っている領域なんてあるのか?」

「そんなモノは無いの、あればとっくにウォーリアスが侵略しとる。あるとすれば新しい大陸の隆起とか、禁断の地とか、あとは……第1領域を削り取るかか……命がけじゃな」


 第1領域……ああ、三つある浮遊大陸の一つか。


「どんなヒトだったの? その第12魔王さんって?」

「なかなかの美人じゃったぞ、ま、余ほどではなかったがな」


 女魔王だったのか……まさかそいつも幼女だったのか?


「何かいつも焦っているようなヤツだったのぅ、『神を殺したい』とか物騒な事を言うとった。そんなに神様が嫌いなら第2魔王の所へでも行ってアンチ神様同盟でも作ればいいのに、余の所に来ては愚痴ってばかりだったの」


 か……神殺し!! 全く魔王と話していると俺の心の琴線に触れる単語が次々出てくる。自分を抑えるのが大変だよ。


「そんな訳で、我が英知を持ってしてもアイツの事はよう分からんのじゃ、スマンのぉ、カミナよ」


 ウィンリーが俺の髪の毛をイジイジしてる仕草が実に可愛らしい。


「とんでもない、正直オリジン機関が意図的に第12魔王の情報を隠しているのかと思ってたけど、ウィンリーのおかげで世界中の誰もその行方を知らない事が分かったのは良かったよ」


 オリジン機関への疑念はまだ残っているが、やはり生の声を聴けたのは収穫だ。


 そうこうしているとウィンリーが声を掛けてきた。


「おぉ、おったぞ、あそこじゃ」


 一つ先の砂山を指している。百足龍を見つけたんだよね? それらしい痕跡は見当たらないけど?


「どうやら眠っておる様じゃの、とにかく奴らは動かんからな……きっと1ヵ月は眠りつづけているじゃろうて」


 マジか? ギルドセンターにそんな情報全く無かったぞ? 見つからないはずだ……


「どれ……ちょっと砂から引きずり出すか……」

「え? どうやって?」

「くふふ、まあ見ておれ」


 ウィンリーが両手を前にかざすと、バレーボールほどの大きさの空間の歪みが発生する。


「さぁ出でよ」


 そう呟くと、空間の歪みから膨大な量の水蒸気が勢いよく吹き出す。いや、これは雲だ!? その吹き出す量は凄まじく、ほんの数秒の内に俺たちの上には巨大な雲が生まれていた。おいおいコレってまさか……


「今回は魔物一匹じゃ、規模を絞っておくかの」


 上空の雲があっという間に黒くなる。耳がキーンとなる、気圧が低下しているのだ。

 ウィンリーが指をさすと俺たちの周囲を避けるようにして強風が吹き始める。雲から一本の筋が降りてきて前方の砂山に触れると猛烈な勢いで砂を吹き飛ばし始めた。巨大な竜巻に変化したのだ。

 こんなに近くにいるのに俺たちにはその影響は一切及ばない。


「ぎえぇぇぇえええぇぇぇーーー!!!!」


 百足龍が竜巻によって空へ投げ出される。足多!! 気持ち悪!! 名前の通りムカデのような龍だ!


「暴れるな……っと」


 ウィンリーが人差し指を下に向けると、雲から槍のような巨大な氷……いや、雹が降ってくる。そのすべてが百足龍の体を刺し貫き、そのままの勢いで地面に撃ち落とす。百足龍は文字通り虫の息だ。


「これで仕上げじゃ」


 頭上の黒雲からゴロゴロと音が響いてくる。あれ? 俺たち今高い所にいるけど……これ大丈夫?

 次の瞬間、大気を震わせるほどの轟音を放って何十本もの雷がすべて百足龍に落ちた。

 どうやら俺たちは風の壁に守られていたらしく、轟音も衝撃波も殆ど影響はなかった。しかし風の壁に守られていなかった百足龍は見事に黒焦げになっていた。これ完全にオーバーキルだろ! あのキモかった百足龍に少しだけ同情した。


「ふむ、カマイタチを披露できなかったのう」


 魔王様がそんなことをつぶやいていた……俺の肩に座ったままで……


---


「ス…スマンかったのじゃ~! ついテンションが上がってやり過ぎてしまった、二人の仕事じゃったのに~」


 魔王様が涙目で謝ってくる、こちらとしては厄介な魔物を始末してくれたんだから感謝したいくらいなのに。


「だ…大丈夫だよウィンリーちゃん泣かないで、むしろ私たち感謝してるんだよ? 私たちの為に頑張ってくれたんだもの」


 そう言って琉架がウィンリーの頭を撫でる。すると涙目のウィンリーが琉架に抱き着いた、琉架の胸に顔を埋めている。あぁ、俺もそれやってみたいな~。


「うぇぇ~ん、ルカぁ~ルカぁ~……」

「よしよし」


 琉架がウィンリーの頭を優しく抱きしめていた……


---


「お、これが逆鱗だな。よっと……」


 近くによって改めてその巨大さに驚く、体長200メートルは有りそうだ。ウィンリーが言うにはこのサイズは滅多にお目に掛かれないそうだ、それを簡単に倒してしまう魔王という存在、見た目は幼女でも、流石は世界を支配する12人の王の一人だ。


「第8魔王や第11魔王もこんな事できるのかな?」


 琉架が呟く、今ウィンリーは琉架にヌイグルミの様に抱きかかえられている。ウィンリーは軽いからな。


「いや、恐らく出来んじゃろう。余は奴らのギフトを知らんが、こんな事が出来ればトゥエルヴはとっくの昔に侵略されていたじゃろうからな」


 ごもっとも。ウィンリーのこの能力なら、数万人の兵力だって一瞬で全滅させるのも朝飯前だろう。


「それよりウィンリー、どうやってコイツを見つけたんだ? 何の痕跡も無かったし、そもそも遠くからコイツの居場所を見つけていた様だったけど?」

「くっふっふっ、それは先に言うたじゃろ? この眼のおかげじゃ」


 魔王の緋色眼(ヴァーミリオン)? なるほどあの時オーラを見ていたのか。しかし砂に埋まって隠れているヤツのオーラも見えるのか、なんとも便利な眼だ。


「むぉ!? し…しまった!! 見つかってもうた!」


 ウィンリーが急に慌てだした。

 見ると空から誰か近づいてくる、有翼族のようだ。なるほどお迎えか……そりゃあれだけ派手にギフトを使えば空の上からでも見えるよな。

 有翼族の女性が俺たちの近くに着地した。顔を上げると眼鏡がキランと光る。そうだったこの魔王様はとってもテンプレだった。ウィンリーは顔を青くして震えている。この魔王様は弱点が多いらしい。


「ウィンリーちゃん?」

「マ……マネージャーじゃ……」


 やはりか! マネージャーは一言も喋らずに反射した眼鏡の奥からウィンリーを睨みつける。おぉう! 他人事なのにこっちまで震えてくる、これは確かに怖そうだ。その瞳はまさに氷点下。

 十数秒沈黙を保ったままウィンリーを睨みつけた後こちらを向く、あれ? まさか俺たち誘拐犯とか思われてないよね? するとマネージャーが名刺を差し出してきた、こっちにも名刺ってあるのか。


『第5魔王“風巫女”ウィンリー・ウィンリー・エアリアル 専属マネージャー フューリー・エリアム』


 生憎こちらは名刺を持っていないので口頭で自己紹介、その間に魔王様は手錠を掛けられていた。シュンとした魔王様はさらに小さく見える、その様子を見ていると疑問に思ってしまう、この子本当に魔王なのか? アイドルなのか? どんだけ舐められてんだよ? さっき見せた圧倒的な強さが無ければ本当に魔王なのかと疑いたくなる。


「うちの魔王様が大変ご迷惑をお掛けしたみたいで、ここに謝罪致します」


 マネージャーのフューリーさんが謝ってくる。俺と琉架は慌ててフォローする。

 助けられたのは寧ろこっちで、迷惑なことなど一つもなかったと! むしろウィンリーとの出会いは俺たちの人生の中でとても大切な財産になる、と、少々大袈裟ではあるが必死に訴えておいた。

 ウィンリーが嬉しそうな顔をして照れてる……手錠されてるけどね……

 そんなウィンリーの様子をフューリーさんは疑いの眼差しで見ていた。今の言葉に嘘は無いよ! 信じてあげてよ!



 残念ながらこの可愛い魔王様とはここでお別れのようだ。

 琉架とウィンリーは泣きながら手を握り合っている。やはりこの二人純粋なところがよく似ている。


「そうだ、マネージャーさん。一つお願いしてもイイですか?」


 琉架が携帯を取り出しながらフューリーさんに尋ねる……


「なんでしょう?」


---


 琉架の携帯で友達三人の記念撮影。あんまりだと思ったのだろうフューリーさんはウィンリーの手錠を外してくれた。良かった、逮捕された犯人の連行前、最後の記念写真みたいなカオスにならずに済んだ。

 琉架が魔神器から取り出した携帯プリンターで写真をプリントアウト、ウィンリーに渡す。

 琉架……友達いないのにそんなもの魔神器に入れていたのか……思わず涙がこぼれる……そうだなこれから友達100人作って写真撮りまくろう。俺、応援するから……


「おぉー! これは!!」

「今はこんなものしか渡せないけど、せっかく出会えた記念にね?」

「うむ! 余の宝物にするぞ!」


 この魔王様安上がりで素敵! 俺も何か渡したい所だが気の利いたものなど持っていない。うぅむ……こうなったら仕方ない。


「ウィンリーちょっとこっちに来てくれ」

「ん? なんじゃ?」


 俺たちは琉架とフューリーさんに背を向けてこそこそ隠れる。そこで自分の血を使って一つの指輪を創った。

 血の色をした紅い宝石が付いた小さな指輪だ。気持ち悪がられないよう自分のギフトについて説明しておく、俺だったら血液から創られた物なんて気持ち悪くて受け取れないからな。


「こ……これは……」

「ウィンリーはさっき自分のギフトを俺たちに見せてくれたからな、それはリスクを伴うことであるにも関わらずだ、だから俺も信頼の証として自らのギフトを見せた」


 ウィンリーは顔を真っ赤にして目を潤ませている。ちゃんと聞いてるのかな?


「うぅ……カミナぁ~ありがと~」


 そう言って指輪を左手の薬指に付けてしまった……

 あ、あれ!? 何か変なフラグが立ったぞ!? 地雷踏んでしまったか!?


「おぉ~ピッタリじゃ~♪」


 ウィンリーの小さな指に合う様に創ったからな、しかしその指は予想外だ! 中指用に創ったんだよ! ホントだよ!? ウィンリーが10cm位浮いている、すっごく浮かれている!

 あぁ、やめてウィンリーちゃん!! そんな見せびらかす様にクルクル回らないで!!

 幸せそうに舞い踊るウィンリーを余所に、琉架とフューリーさんがこっちを見ている。

 ヤバイ! ヤバイ!! ヤバイ!!! ここはウィンリーに意図をしっかり説明しておかないと! この変なフラグをへし折っておかないとヤバイ事になる!!


「な……なぁウィンリー……」

「ありがと~カミナ~! 一生の宝物にするのじゃ~♪」


 ウィンリーが俺のほっぺに「ちゅ♪」と、子供のようなチューをしてきた。


「……………」「……………」


 あぁ……砂漠なのに何でこんなに寒いんだろうな……


 これはもうダメだね、俺は一生ロリコン野郎と呼ばれて生きて行くのか……ゴメンよ父ちゃん母ちゃん妹よ……アレ? ウィンリーってロリババアじゃん? 別に悪いコト無くね? いや違う、そう言う事じゃ無い。ウィンリーの中身は7~8歳の子供だぞ? ……まてよ? 俺は今13歳だ……5歳位しか違わねーじゃん? これってロリコンじゃ無くね? いやいや違う、問題の本質はそこじゃない。問題なのは……


「……………」「……………」


 二人に見られた、特に琉架に見られたのが致命的だ。あぁ、俺はなんて事をしてしまったのだろう……ネックレスとか髪飾りみたいな小物を創っておけば良かったんだよ。今更気付いても後の祭りだな。はは……


「それでは魔王様、そろそろいきましょう。いい加減リハーサルの時間が無くなってしまいます」


 ウィンリーの右腕をガシッと拘束したフューリーさんの言葉には怒気が含まれている、しかし浮かれているウィンリーは気付いていない。


「それでは……」


 そう言い残して飛び去ろうとした時、ウィンリーが我に返った。


「ちょ……ちょっと待つのじゃ! あと一分だけ!」


 ウィンリーはフューリーさんの手を振りほどいてこちらに飛んでくる。


「ルカとカミナにこれを……」


 ウィンリーは自らの翼から羽根を一枚ずつ引き抜き手渡してきた。それ、痛くないのか?


「ま…魔王様!?」


 フューリーさんが驚愕の声を上げる、この人、慌てている姿を初めて見せたな。


「これはお守りじゃ、持っていておくれ」

「魔王様! 正気ですか!? それを人族(ヒウマ)に与えるなんて! そ……その二人はいったい何者なんですか?」


 ウィンリーが振り向きながら満面の笑顔で宣言する。


「余の友達じゃ」


 フューリーさんに手を引かれ何度も振り向きながらウィンリーは去って行った。

 俺と琉架はウィンリーが見えなくなるまで手を振っていた。



「神那、ウィンリーちゃんに指輪贈ったんだ」


 ぐはっ!! いきなり琉架からツッコミが入る。

 琉架がジト目で見てくる、ジト目琉架は俺も初めて見た。


「じゃ、帰ろっか」


 なんでだろう、いつもより琉架の言葉が冷たい気がする…… 



 こうして俺と琉架と第5魔王の邂逅は幕を閉じた。

 霧島神那という人間の苦悩と共に……



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