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レヴオル・シオン  作者: 群青
第三部 「流転の章」
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第110話 神代書回廊 ― エネ・ライブラリー ―


 2週間ぶりに訪れたキング・クリムゾン……

 そこで待っていた者は……


「よ……ようこそ御出で下しゃいました。魔王カミナ様」


 出迎えてくれたのは最優秀精霊・ドリュアスでは無い…… あのボトラー5秒前の魔王アーリィ=フォレストだ。

 一体どうした? カミカミではあったが随分と丁寧な口調…… ようやくキャラが固まったのか?

 しかし遅い…… 遅すぎる…… アレだけの醜態を晒しておいて今更敬語キャラにジョブチェンジできるハズないだろ?


 そもそも恰好がおかしい。


 白いワイシャツにネクタイ、黒衣を纏った研究者ルックだ、ソコまではイイ。

 ただ一つ気になるのはシャツの襟首を覆い隠さんほど大きなチョーカーを付けている事か…… いや、あの形状はチョーカーというより…… まるで……


「こ…こ…この度は第6魔王討伐という大事を…… わたくしの様な下等で下賤な者の頼みをお聞きいただき、か…感謝してもしきれましぇん」

「え~と、アーリィ=フォレストさん……」

「どうぞ呼び捨てでお呼び下さい、もしくは犬でも結構です」


 チョーカーじゃ無い…… アレは首輪だ!

 知識が著しく間違ってる…… 一体何処から仕入れてきた?


「うん……普通にして? 奴隷とか要らないから」

「え? いえ、しかしわたくしがお願いした事はそれくらいの対価でも支払いきれない事ですので……」


「気にしなくていいよ、確かに普通ならどんな対価があっても魔王討伐なんかしないけど、今回は色々な事情が絡んだ結果だから」

「色々な事情?」

「アイツの存在そのものが邪魔だったり、ミラと母娘の確執もあったし、なによりキング・クリムゾンを潰させるワケにはいかなかったからな」

「キング・クリムゾン……を?」


(わ…私なんかの為にそれ程の危険を冒したって言うの!? この方……もしかして……)

(キング・クリムゾンというより、神代書回廊(エネ・ライブラリー)を潰されるワケにはいかないからな……)


「それで? あと二つお願い事があるとか言ってたよな?」

「と……とんでもないです! これだけの事をして頂いたのに…… あ…… でも、その……」

「何かあるんだろ? どんな願いでも叶えられるワケじゃ無いが、言うだけ言ってみ?」

「そ……その…… 厚かましいお願いなんですが、貴方様と同盟…… いえ! やはり犬にして下さい!」


 なんで同盟より犬の方が良いんだよ…… もしかしてこの子…… ドM?

 なかなか強烈な個性を隠し持っていたな…… まいったな、俺がサドッ気を発揮するのは対男の場合のみで、基本的に女の子には優しいんだけど……


 何故か脳裏にサクラ先輩の顔が浮かんだ…… まぁ、何にでも例外はあるよな……


「他の魔王に目を付けられたとき、ご主人様が魔王なら安心できる気がするので…… わたくしを飼ってくれないでしょうか?」


 かなり歪んでるけど、要するに仲間になりたいってコトだよな?

 この言い方だと番長の子分になって権力を手に入れたいって感じに聞こえる……

 でもこの子、普通に強いハズだよな? 今回の体長200kmの要塞龍が反則だっただけで……


「アーリィ=フォレストはさ、かつてアトランティスを沈めたんだろ? そんだけ強いのに何をそんなにビビってるんだ?」

「ア……アレはアイツの超振動と私の『世界樹女王(ユグドラ・シル)』が作用した結果で、決して私個人の力じゃないんです!」

世界樹女王(ユグドラ・シル)? あ…… もしかしてあの時の巨大な樹か?」


「はい、私のギフト『世界樹女王(ユグドラ・シル)』…… 世界のどこかに生えている世界樹を召喚して使役できるんです。ただこの能力(ギフト)、魔王相手では決定力に欠けるので」

「決定力に欠ける?」

「『世界樹女王(ユグドラ・シル)』の枝は相手の自由を奪い、根は命を吸い、葉は魔術を弾き、召喚者に無制限の癒しを与えてくれます」


 無制限の癒しって…… つまり不死身になるって事か? この子メッチャ強いじゃん。

 まぁ、魔王なんだし強くて当然なんだが……


「ただし魔王の命を吸う事は出来なかったんです…… 1200年前の大戦時に発覚しました。

 長期戦になればいずれ魔力は尽き、仲間も友達もいない私が負けるのは確実。

 それでちょっとパニックになっちゃって、世界樹女王(ユグドラ・シル)の根を暴れさせたり、アルテナの能力を無茶苦茶に使ったりしたら……

 多分、超振動を増幅しちゃったんでしょうね? 地殻を破壊しちゃったみたいで……」


 なるほど…… それがアトランティスが海に没した原因か。

 だから魔王ミューズは第2次魔王大戦が始まって以来、執拗に大森林を攻撃していたのか。


 もしアーリィ=フォレストが敵に回ったら、俺でもこの子の魔力切れを狙う作戦に出ただろう。

 てか、それくらいしか出来る事が無い。ギフトを使っている間は不死身なんだからな。


 そして友達がいない…… やはり魔王とボッチは切っても切れない関係らしい……

 そんな真理! 俺がぶっ壊してやる! 霧島神那 with ハーレムメイトで!!


 まぁ、それは置いといて……


「同盟はこっちは構わないんだけど、魔王ミューズの娘が力を継承して新しい魔王になったんだが…… 別に構わない?」

「え…… アイツの娘……? あの淫乱糞ビッチの娘?」

「前にも言ったけど、ミラは良い子だぞ。顔は母親そっくりだけど中身は聖女ってくらいキレイだ」

「でも娘なんですよね? 淫乱糞ビッチの……」

「まぁ…… そうだね」


 どうしても嫌だというなら仕方ない、無理に同盟を結ぶ必要は無い。ここに神代書回廊(エネ・ライブラリー)がある限り、アーリィ=フォレストの敵が現れたら助ける事は(やぶさ)かでは無い。

 他の魔王が敵になるのは勘弁だけど……


「わ……分かりました…… 確かに淫乱糞ビッチの遺伝子を継いでいても、必ずしもあんなのが出来上がるとは限りませんしね?」


 意見を曲げた…… ギリギリで折れてくれたな。

 同盟を組むならいずれ紹介する機会もある。その時に変な先入観を持たなければ問題無いだろう。


「じゃあコレで、一応の同盟関係だな」

「はい、奴隷関係ですね。よろしくお願いします!」

「同盟。奴隷は要らん」

「そ……そんなぁ……」


 アーリィ=フォレストがガッカリしてる……

 一体「奴隷」という言葉の何がここまで彼女を引き付けるのだろう? 理解できない……


『時間とは残酷じゃな、あのアーリィがこんな事になるとは……』


 アルテナが昔を懐かしんで失望している、俺はかつてのアーリィ=フォレストを知ら無いからコメントのしようが無い。


 もしかしたら彼女は魔王になる前、幼少の頃奴隷に身を落としたことがあるのかもな…… そして体脂肪率90オーバーのオークみたいな男に買われ、そして……

 とても良くして貰ったのかもしれない、ピクニックに連れてって貰ったりとか…… 実に微笑ましい、そんな優しい世界があるハズ無いけど。

 俺ならどうするだろう? 幼女エルフか…… 大事に育てて俺の嫁にするかな? そう言った下心がある奴なら納得だな。


 いや…… この推理は無いって。



「それじゃ3つ目のお願いは?」

「それは結婚相手の男を紹介…何でもありません!」


「…………」

「…………」


「紹介しなくてもイイの?」

「必要ありません! 今のはえ~と……癖です、以前の望みです! 今の私には必要ありません!」


 あれ? 結婚諦めちゃったのかな?

 確かに実年齢2400歳超えの魔王の婚活は多大な苦労を強いられるだろう。てか、探したって相手の男が見つかる可能性が殆ど無い。


 男を紹介しろとか言われなくて良かった。何故なら俺にも紹介する男がいないから…… 魔王と釣り合う男なんかいないぞ、せいぜい500年物の不能不死者くらいか?

 結婚相手を探している女に、ED男を紹介したらキレられそうだ。


「うん……まぁ、分かった。三つ目のお願いは聞かなかったことにする」

「そ…その方向で…… お願い……します」


 何だかなぁ……


「それじゃ今度はこっちのお願い、こっちも二つなんだけど……」

「はい! 何なりと御命令ください!」


 いや、そう言うんじゃ無くて……


「前にも言った門を開きし者(ゲートキーパー)習得法と、神代書回廊(エネ・ライブラリー)を閲覧させて欲しい」

神代書回廊(エネ・ライブラリー)……を?」

「ダメ?」

「う~~~ん………… 分かりました、それではこちらへ……」


 おぉ! やった! 苦節約二年、焦がれ続けた神代書回廊(エネ・ライブラリー)への道がついに開かれた!

 感覚的には物語100話分くらい待った気がする!


---

--

-


 キング・クリムゾンの地下一階、薄暗く広大な部屋が広がり、床には一面木の根が這っている…… 歩きにくい……

 そんな床の一角、神代書回廊(エネ・ライブラリー)へ続く扉は、木の根により厳重に封印されていた。

 知らない人が見てもココに扉があるとは分からないだろう。


「これもアーリィ=フォレストの『世界樹女王(ユグドラ=シル)』なのか?」

「いえ、これはドリュアスに守らせているのです」


 そう言えば、今日はアノ優秀な精霊さんは見ていないな…… どこ行った?


『ご無沙汰しております、魔王カミナ様』


 アーリィ=フォレストの長い耳の後ろ辺りから、突然ドリュアスが現れた。

 うぉ!? なんだ、近くに控えてたのか。なんで隠れてたんだ? それとも今来たのか?


「ドリュアス、道を開けて」

『かしこまりました』


 ドリュアスの身体が一瞬光ると、木の根が独りでに動きだし、地下へと続く扉が現れる。

 更に扉を開いてくれた…… 自動ドアだ。


「ここからかなり深く潜る事になります、足元に置きお付け下さい」


 扉の先は螺旋階段になっていた、明かりはいつもの様に壁が発光している。


「ご主人様はそもそも神代書回廊(エネ・ライブラリー)がどういったモノかご存知ですか?」

「その前にご主人様呼びは止めようよ……」

「し……しかしそれは……」

「うん、止めろよ」

「わ……分かりました…… では何とお呼びすれば?」

「神那でイイよ」


 俺の方が遥かに年下だし。


「それは出来ません!」


 ずいぶんとキッパリ言うな…… 固い決意のようなモノが見える。メンドクセー……


「ではカミナ様と……」

「それミラと被ってる」

「くそっ! 死してなお私の邪魔をするのか! あの淫乱糞ビッチめ!」


 淫乱糞ビッチは関係ない。

 何か不安になって来たぞ…… 大丈夫か?この子と同盟組んで…… いきなりミラに襲い掛かったりしないよな? それは魔王同盟を敵に回す行為だぞ?


「それではマスターと……」

「ミカヅキと被ってるな~」

「では主様と!」

「アルテナと若干被ってる」

「ぐぅぅ~~~ぅぅぅ!!」


 別に被ってもイイじゃん…… てか、普通に呼べよ……


「それじゃ閣下と!」

「なんか10万15歳っぽくてヤダな……」

「じゃあ! マイロードと!」

「爵位なんか持って無ーよ」

「じゃあ…… お館様?」

「どっから出てきた!? そのワード!?」

「グス…… じゃあどうすればいいんですかぁ~」


 とうとうぐずりだした…… ホント面倒臭い……


「はぁ…… 「君」でも「ちゃん」でも「呼び捨て」でもなんでも良いから」

「そ……その中なら…… うぅ…カミナ君……で」

「あぁ、それでイイよ…… ハァ……」


「それでは改めまして、カ…カミナ君は神代書回廊(エネ・ライブラリー)がどういったモノかご存知ですか?」

「正確には知らないな、ただそこなら魔王の事を完全に調べる事が出来る可能性があると……」

「ふむ…… 確かに魔王の事を調べることも出来ますが、決して完璧では無いんです」

「ほう?」


神代書回廊(エネ・ライブラリー)とは……」


 神代書回廊(エネ・ライブラリー)とは

 全人型種族の知識を自動で収集するシステムである。

 もちろん、そのまますべての情報を記録していったらあまりにも膨大なデータになってしまう。その為、集められた情報の平均を割出、それを記録として残している。

 つまり多くの人が勘違いしている情報は、間違った記録として残る事もある。

 ちなみに、この全人型種族に魔王並びに使途・魔族は含まれていない。


「ですので、魔王に関する情報はあくまでも噂の集合体でしかありません。

 もちろん他者との繋がりが大きい魔王の情報は正確になっていきますが、魔王自身が情報を偽っていた場合、その真偽を確かめる術はありません」


 なるほど…… ネットの電子辞典みたいな認識でいいのか。

 しかし全人型種族の知識を自動で収集するシステム…… そんなエシュロンみたいなモノが一体どうやって成り立っている? それもマナを利用したワールド・ワイド・テレパシー・ネットワークの様なモノを使ってるのか?

 そんなモノ、一体誰が造ったんだ? そもそも名前が神代書回廊(しんだいしょかいろう)…… アルテナの名前が神代偽典(しんだいぎてん)…… やっぱり神様? 神族か?


「着きました、ここが『神代書回廊(エネ・ライブラリー)』中枢です」


 螺旋階段を200~300メートル程下って来ただろうか、唐突に巨大な円柱状の吹き抜け空間が現れる。直径は100メートル程、一階層に高さ10メートルはある本棚のような物が壁に隙間無くビッシリ設置されている。

 中央の螺旋階段から連絡橋が無数に伸び各階層を繋いでいる。驚きなのはその深さだ、下を覗き込んでみるが何百メートル…… いや、何kmもありそうだ…… 底が全く見えない。

 もしかしたらココもスカイキングダムみたいな異次元空間になってるのかも知れない……


「どうですか? これが『神代書回廊(エネ・ライブラリー)』です」

「あぁ…… 何というか…… スゴイな…… 正に圧巻だ」

「そう言って頂けると、自分の事の様に嬉しいです」


 神代書回廊(エネ・ライブラリー)が何時から稼働していたのかは分からないが、恐らく2400年以上前から世界中の情報を収集していたのだろう…… こんなシステムがデクス世界にもあれば……


「しかしコレ…… どういう記録媒体なんだ? まさか本なのか?」

「そうですね、しかしただの本ではありません。ここに所蔵されている本は一冊一冊が全て「記憶書」と呼ばれる一種の魔導書なのです」

「なにっ!?」

「ですので、魔力による情報の検索・管理が可能なのです。

 さらに一階層で一年分の情報になっており、古いモノから順々に自動で下の階層に移されていきます。

 今一番上の階層の最新重大ニュースは、第6魔王討伐ですね」


 スゴイ…… これは本当にスゴイ……


「しかしアーリィ=フォレストは調べ事の度にここまで足を運ぶのか?」

「いえ、この少し下に情報管理室があり、そこにある程度必要な情報を抜き出しておけば私の研究室でいつでも見れるようになっています。ココに降りてくるのは月に一度程度です」


 あの引きこもり部屋か…… 便利なモノだな。

 そう言えば彼女は何かの研究をしてるんだっけ? あの部屋と研究室が結びつかなくて忘れてたよ。


「それではカミナ君は管理室でお待ちください。私は門を開きし者(ゲートキーパー)の本を取りに行ってきますので……」

「アレ? 管理室で情報だけ吸い出せないのか?」

「えぇ…… 少々ワケがあって…… ドリュアスはカミナ君のお相手を……」

『かしこまりました』


 それだけ言うとアーリィ=フォレストは世界樹の枝葉を召喚し、それに乗り真っ暗な縦穴の底へ下りていった。


神代書回廊(エネ・ライブラリー)のシステムは完璧じゃないのか?」

『それは違います』

「ん?」

『以前、アーリィ様が引きこもりになった原因の話をした事を覚えておいでですか?』


 以前? 確か第一次魔王大戦の時に神代書回廊(エネ・ライブラリー)で何かがあって、それから引きこもるようになったってヤツか。


『あの後、その原因を話して下さったのですが、当時、一冊の記憶書が盗まれたらしいのです』

「記憶書の盗難?」

『はい、その時 盗まれたのが門を開きし者(ゲートキーパー)に関する情報が記録されてた書物なのです』

「何? じゃあ今取りに行ってるのは?」

『オリジナルでは無く、アーリィ様がご自身の記憶から書き出した物です。故にココのシステムでは管理できないのです。

 そう言った事情もアリ、完璧なモノでは無いのですが、それでアーリィ様を責めるような事はしないであげて下さい』

「分かってるよ、そもそも俺に責める権利は無い。こっちは教えを乞う立場なんだから」

『お心遣い感謝いたします』


 しかし門を開きし者(ゲートキーパー)の記憶書が盗難にあってたとは…… ん? まてよ?


「あのさ……もしかして……」

『そうです、カミナ様が持ち込まれた情報により犯人の目星がついたのです。

 犯人は恐らく…… 第12魔王 リリス・リスティスです』


 なるほどな…… ん? それだと時系列が前後するな、魔王リリスが消えた事が第一次魔王大戦の原因じゃないのか?

 いや、消えたからと言ってすぐに旅立ったとは限らないか。

 自分が消える事によって大戦を起こし、その影で暗躍してたんだ。


 やってくれる…… 1200年前から今に至るまで、やり口が変わってないぞ。暗躍好きの魔王め!


『ですからアーリィ様はカミナ様に本当に感謝してるんです。それに私はコレがチャンスだと思ってます』

「ん? チャンス?」

『あの引きこもりをココから外へ出すチャンスです』


 あ~~~、確かにその通りかも知れないが、俺を巻き込むなよ。


『ですのでアーリィ様に奴隷になる事を強く勧めました』

「お前の入れ知恵かよ!!」


 ナニ考えてんだよ、この精霊さん……


『確かにアーリィ様の言葉尻を捉えて無理矢理 奴隷化を進めましたが、これで良かったと思ってます。

 奴隷根性はあの方の素の性格に合っていますから』

「え? アーリィ=フォレストってマジでドMなの?」

『マゾヒストというよりは、自虐癖があるんです。自分自身を必要以上に低く評価してるのです。ちょっと強く言えば簡単に折れる様に……

 そういうワケで、アーリィ様のご主人様になってあげて下さい。他に相応しい人はこの世に存在しないので』


 とんでもない物件を押し付けられた! もしかして950年もダメ魔王の面倒を見させられてきた復讐なんじゃないのか?


 …………


 有り得る……!




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