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レヴオル・シオン  作者: 群青
第三部 「流転の章」
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第108話 お見舞い


 あの日…… 第6魔王を倒した日……


 要塞龍・ヒンデンブルクを強奪した。

 正確にはちゃんと許可を貰って海上まで連れていってもらったのだ。属性変化魔法が切れていた為、ミラに引っ張ってもらう事が出来なかったからだ。


 勇者が気を失っていて良かった…… アイツは絶対、俺に貸してはくれないだろうからな。


 城の地下に囚われていた全裸の男どもの救助は勇者一行に丸投げした。

 海の底から救い出すにはどうしても要塞龍・ヒンデンブルクが必要だからだ。

 更に言ってしまえば、あんな汚物の見本市を引き取りたくなかった。


 出払っていた人魚族(マーメイド)達と入れ違いになる様にヒンデンブルクに乗り込む。美女軍団には日を改めて会いに来ればいい…… そう自分に言い聞かせて……

 本当は俺だって会いたかった…… キミたちはもう自由だ! これからは好きな相手と子作り出来るんだ! 何時でも俺の元を訪ねてくれと言いたかった!


 大丈夫…… いずれチャンスは巡って来る! その日の為にイメージトレーニングに励もう。ソロプレーはお手の物だ! 来たるべき運命の日まで、今しばらく右手に恋人替わりを頼もう。



 海上に出た所でミラにホープを呼んでもらう。

 使用期限は切れていたが、呼び出しに成功。きっと要塞龍騒ぎで予定が狂ったのだろう。好都合だ。


「あら? カミナ様、ガイアへ向かうのでは無かったのですか?」

巨人族(ジャイアント)もヤバイが、ウィンリーもヤバいんだ。スカイキングダムが今ドコにいるのか分からない以上、早いうちにあの子を帰して上げないとコンサートに間に合わない!」


 欲望磁石(オルパス)では方角は分かっても、距離が分からないからな。


「コ……コンサート?」

「そう、そしてコンサートに間に合わないと、あの子は今後100年間、奴隷に身を落とすことになる」

「ど……れい? ウィンリー様は魔王……なんですよね?」

「魔王にもいろいろいるって事だ。ウィンリーのケースはかなり特殊だと思うがな」




 アトランティス上空からホープを北西方向へ飛ばす。


 少し行くと、断崖絶壁に囲まれた小さな無人島があった。

 海鳥たちが羽根を休めるのに使う程度の小さな島だ、少なくとも人が訪れる事は無いだろう。


 この小島に魔王ミューズ・ミュースを埋葬してやる。海を一望できる見晴らしのいい場所だ…… 海鳥の糞でちょっと臭いけど、常に強い潮風が吹き、臭いを散らしてくれる。


「…………」


 ミラは言葉を掛けることなく手を合わせていた。

 あんな奴でも母親だしな…… どんな思いが胸中を巡っているのか…… 想像もつかない。


 俺も一応、手を合わせておくか。お義母さん、娘さんは僕が幸せにして見せます! 海鳥の糞塗れの草葉の陰から見守っていて下さい!


「カミナ様、ありがとうございます。こんな母の為に祈っていただいて……」

「あぁ…… 俺達は確かに敵同士だったけど、ミラを生んでくれた事だけは感謝してるから」


 うん…… 真面目に祈ろう……



---



 数時間ほど経った時、唐突に海から突き出す山脈が目に入る。何だアレ、前はあんなの無かったよね? まさか……


「アレが要塞龍・ギガンティクシスです」


 マジか…… 島や山なんてレベルじゃない…… 本当に海から山脈が飛び出してるようだ……


「え~と…… ミラは見た事あったのか? あの山脈みたいなの……」

「はい、子供の頃ですが、アトランティスの真上を泳いでいたことがありましたので……

 アレだけ大きいと、周囲に発生する水流も激しくて、それに巻き込まれて飛ばされそうになった思い出があります……

 あの時は死ぬかと思いました……」


 ミラが遠い目をしている…… 彼女の幼少期は不幸にまみれてるのかな?

 大丈夫! これから幸せになっていけばイイ! 負けるな! 挫けるな! 人生これから上向いてくるさ! ようやく目の上のたんこぶ、鬼母が逝ったんだからな。


「…………ァ~~!」

「ん? この声は……」


「お~~~い!」


 女神降臨! おぉ! ただでさえ女神な琉架の背中には小さな翼が…… あ、アレ、ウィンリーの翼か、琉架を抱えて飛んでるんだ。




「あぁ、神那ぁ心配したよ、えっと…… 神那は男の子だから……」


 う~ん…… その心配が的中したとは言えないな…… やはり男が『男殺し』に挑むべきでは無かった。


「余はカミナなら無事じゃと信じておったぞ! 流石はカミナじゃ!」


 う~ん…… 心苦しいな…… 俺はそんな立派な人間じゃないから。


「あの…… ミラさん、その眼、もしかして……」


 琉架がミラの眼帯の意味に気付いた。俺たちは経験者だからな。


「はい、えっと…… 変な言い方ですけど、これからよろしくお願いします」

「あ、はい、こちらこそよろしくお願いします」


「? うん? 何の話じゃ?」


 ウィンリーはまだ気付いていない、オーラを見ればすぐに分かるんだが。


「第6魔王の力はミラが受け継いだんだ。つまり新しい第6魔王はミラだ」

「おぉ! あのアバズレの力を継いだのか!」


 だから娘の目の前で母親をアバズレ呼ばわりしないであげて……


「あの、ウィンリー様、若輩者ですがよろしくお願い致します」

「うむ、新しい後輩魔王じゃな! 案ずることは無い! ルカとカミナの友達なら余の友達も同然じゃ!

 クフフ、新しい友達じゃ」


 ウィンリーが新しい魔王友達に喜んでる……

 そう言えば昔ウィンリーの話を聞いた時に思ったな。

 魔王の素質がある者は須らくボッチである……と。


 不幸な幼少期を送ってきたミラも、友人と呼べるのはマリーナだけみたいだし…… なるほど、俺達と同じボッチ仲間だ。

 魔王足り得る素質があったんだな。


「とりあえず、ウィンリーはそろそろ帰らないとな?」

「えぇ~、もう? これからクラン・クランのメタボ対策を教えてもらいに行くつもりじゃったんじゃが」

「それは俺が聞いとくよ、俺も近い内に門を開きし者(ゲートキーパー)を習いに行くから。

 ウィンリーもオフが出来たらいつでもウチのギルドに遊びに来てくれよ?」

「遊びに……? 遊びに行ってもいいのか!?」

「もちろん」


 出来れば事前にアポイントを取って欲しいが…… ウィンリーよりフューリーさんにお願いしておくか。

 嫁達を連れてスカイキングダムへ遊びに行くのはちょっと無理だ、あの城ではウィンリーの羽根が無いと床を突き破って地上まで真っ逆さまだし……

 羽根を全員分くれとか厚かましい事は言いたくない。



 その後、ウィンリーを実家へ送り届ける。

 どうやらリハーサルには間に合ったようだ。


 別れの挨拶は程々に、再会の約束だけして直ぐにガイアを目指す。


 巨人族(ジャイアント)達は、心に多少の傷を負ったが入院が必要なレベルじゃ無い。さすが上位種族、タフだ。

 彼らは操られていたとはいえ、ガイアを攻撃した事を謝罪、今後ガイアに災厄が訪れた際に自分たちに出来る範囲で協力することを約束し帰っていった。

 あくまでも、彼ら5人の話であり、巨人族(ジャイアント)全体の話では無いが。


 翌日には第6魔王討伐のウワサが流れ始め、海路の復旧が確認されるとお祭り騒ぎになった。


---

--

-


 あれから一週間…… 未だにお祭り騒ぎは続いている。

 昨夜、D.E.M. のメンバーだけに、ミラの魔王化について告知した。

 まぁ、三人目と言う事で、比較的すんなり受け入れてくれたみたいだ。


 そして……


 今我々はやる事が無い、せいぜい時折り現れるはぐれコバンリュウを狩るぐらいだ。

 未だにホープが帰ってこないのだ。確かに海路が復旧したとしても、いきなり一年前の状態に戻れる訳じゃ無い。船の整備やその他もろもろ、まだ数日は掛かるらしい。


 この余暇をどう過ごそうか悩んでいる時、ある噂が耳に入った。

 なんと勇者がガイアの病院に入院しているらしい!

 コレは是が非でもお見舞いに行かなければ!

 既にお尋ね者の張り紙は無くなっていたがイイのだろうか? まぁいいか。


 第6魔王を倒すために頑張っていた勇者…… 結果的に糞の役にも立たなかったが、それでも酷い怪我を負っていた…… まぁ、8割方 俺の攻撃によるモノだが……

 そんなワケでお見舞いに行こう!


 くっくっくっ…… イイ暇つぶしが見つかったぜ。



 ちなみにギルドで勇者のお見舞いの事を話すと……


「私は行きたくない。だってあの人 神那のコト悪く言うんだモン!」

「勇者ねぇ…… 面倒臭いからパス」

「ゆーしゃは……声がおっきくてウルサイから…… キライ」

「お嬢様が行かれないのでしたら、私もご遠慮いたします」

「情けない勇者の姿など見ても殴りたくなるだけだ、俺もパスだ」

「私も勇者さんには先日お会いしたので結構です」

「勇者ってアレだよね? 伝説の疫病神! 見てみたい…… 私も行きます!」


 一緒に行ってくれるのは好奇心旺盛な妹だけだった…… さすが勇者、人気ねーな。



---



 ガイアの南、商業区に多種族用複合病院がある。

 基本的には病気治療の入院患者が殆んどだが、高位の治癒術者が少ないこの世界では、時折り大怪我を負った冒険者が担ぎ込まれる事もある。

 外傷を負った患者は冒険者棟と呼ばれる棟に一般人と分けられて入院している、ガラが悪い連中が多いからだ。

 そんな冒険者棟の一室に、顔を腫らした一人の男が入院している。


 本人曰く、全世界の希望……勇者である。


 第6魔王との戦いで負った名誉の負傷を癒すため入院しているハズの勇者は…… 懇願していた……


「あの…… エルリアさん…… そろそろ許して頂けないでしょうか?」

「…………」


「グ……グレイアクスさん!」

「…………」


「タ……タリス……」

「…………」


 返事は無い…… ガン無視だ。

 3人は勇者を無視してテーブルにつき茶を啜っている。


 第6魔王戦…… リーダーである勇者は真っ先に魔王の術中にハマり操られ、味方を攻撃し、あわや全滅の危機に陥れた……

 本来ならとっくに見捨てられてもおかしくない失態…… この程度で済んだのは『あの男』のおかげである。あの男が勇者をボコボコにしてくれたから溜飲が下がった気がする……


 勇者が世界で一番嫌いな男、キリシマ・カミナの……



 コンコン……


「ん? はーい?」

『すみません、こちらに勇者様が入院なされていると伺ったのですが、入っても宜しいでしょうか?』


(勇者様にお見舞い? そんなバカな…… コレはもしかすると……)


 勇者は初めてのお見舞いに嬉しそうにしている…… きっと数秒後に絶望の表情を浮かべる事だろう……

 まぁ、コレも良い薬になるか……


「どうぞ、お入りください」

「失礼します」


 入ってきた人物を見て勇者が氷り付いた。

 入ってきたのはやはり、キリシマ・カミナだった。



---



 病室に入るなり、勇者の顔を見た伊吹が小声で漏らす……


「うわっ!? なにアレ!?」


 その言葉も当然だ、勇者の顔面の大部分はガーゼと包帯で覆われ、僅かに見える肌はどす黒い色をしていた。

 まるで国家転覆を目論む志々さんみたいだ…… いや、出来損ないのミイラ男か。


「やはり……貴方でしたか……」

「エルから聞いてはいたが、本当に無事だったのか」

「小僧! よくぞ生きて戻った! 今こそ魔法無効化術を……おい! 無視するな!」


 相変わらず騒がしい…… 仲間の方は雷撃の後遺症も無いようだ。

 勇者だけがベットの上で絶対安静状態。あれは恐らく超振動をモロに喰らった影響だろう。骨にガタがきてるんだ。

 顔面の傷に関しては…… あえて触れないでおこう。


「ほら伊吹ごらん、あの方こそが打倒魔王を掲げ、世界で唯一魔王を完全に倒しうる存在! 伝説の勇者!

 第49代目勇者 ブレイド@マーク・アルレリラ~様だ!」


「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!」


 勇者がまたしても謎の言語で叫んでいる。何だって? フジコ?


「ナニ? そのアドレスみたいな名前…… 本当に人の名前なの? キラキラというよりDQNネームだよね?」

「違います、ブレイドから後ろが全部違います。確かに語感は似てますが……

 正しくは ブレイド・アッシュ・キース・アグエイアス です」


 エルリアが正しい名前を教えてくれた。さすが成績優秀者、よくそんな長い名前 覚えていられるな? 特にアルレリラ~の部分……


「本日はどうされたんですか? まさかお見舞い? それとも冷やかしですか?」


 どちらでも無い、ただの暇つぶしだ。

 もちろんそんな失礼な事を正直に言ったりしない。


「人類の未来の為、日夜戦いに明け暮れる選ばれし者! 勇者様が大怪我をなされたと小耳にはさんだモノで、心配でいても経ってもいられずお見舞いに馳せ参じた次第であります」

「こら小僧、白々しい事を言うでない。お主がブレイドの顔面を破壊した事は知っておるぞ?」


「なんだ知ってたのか、じゃあ正直に言おう。暇つぶしだ」


「ギギジバ!! ガビバァァーーー!!!!」


 勇者が叫びながらベッドの上でのた打ち回ってる…… キショ……


「え? あの顔……おにーちゃんがヤッたの? 何してるのよ?」

「仕方なかったんだ…… あのバカ、あっさり魔王ミューズに操られて仲間を殺そうとしたんだ……

 止めるには勇者の意識を刈り取るしかなかった…… だから俺は笑い……じゃなくて涙を堪えて勇者をタコ殴りにした。

 知ってるか? 殴られるより、殴る拳の方が痛いコトもあるんだ」


 今回、俺の拳は全く痛く無かったがな。


「それじゃ、おにーちゃんはみんなを…… 助けたの?」

「あぁ、そういうことになる」


 コレは嘘じゃ無い、紛れもない事実だ。

 実際、俺が割って入らなければ、勇者は仲間を皆殺しにした後、自殺していた。

 感謝こそされ、恨まれる筋合いは一切無い! 断言できる!


「そうですね…… 彼の介入が無ければ、私たちはあそこで死んでいました…… 誰かさんの所為で……」


 エルリアに睨まれて、のた打ち回っていた勇者が止まる。着実に手綱を握られつつあるようだ。


「そ……それにしてもやり過ぎじゃ無いの? あそこまで顔面ボコボコにしなくても……」

「何言ってる? 相手はアノ伝説の勇者だぞ? 手加減なんか出来るワケ無い、全力で取りに行かないと逆にコッチがヤられかねない」


 首から上ばかりを狙ったのは建前上はブルーロザリオを壊さないためだが、ボロボロとはいえ鎧殴るより顔面殴った方が拳も痛まないと思ったからだ。


 実際、海の中で雷撃魔法を使う真性のバカだ。本当に手加減できなかったのも事実だ。


「まぁ、やむを得ない事情があったとはいえ、勇者の顔面をフルボッコにしたのは俺だからな……

 だからお見舞いに来た。ヒマ潰しがてら……

 そうだコレ、お見舞いの花」


 そう言って差し出したのはシクラメンの鉢植え。


「………… あの…… コレもワザとですよね?」

「さぁ? 何の事やら」


「よく言う…… おにーちゃんそれ捜すのに3軒も花屋ハシゴしたじゃない」


 こら伊吹! ネタバレすんな! 相手をおちょくるための努力は相手に見せないのがマナーだ。

 本当は彼岸花が欲しかったのは内緒だけど……


「あの……霧島君…… さっきから気になっていたんですが、そちらのお連れさんは……もしかして?」

「あぁ、俺の妹だ。リアルのな」


「初めまして、霧島伊吹13歳、中等部2年です」

「中等部……2年? ……あ」


 エルリアの顔色が悪くなった、そう言えばこいつも未だに中等部2年なんだよな……

 どうやら忘れていた事実を思い出してしまったらしい。南無……


「ちょっと待て、それじゃお主たちは本当にデクス世界に帰っておったのか? 半信半疑だったんだが?」

「そう、俺と琉架は神隠しに遭いデクス世界へ帰還し、また神隠しに遭ってこっちに戻ってきたんだ」

「なんという運命か…… 運の悪い奴だのぉ、こちらとしては助かったが」


 運命は関係無いんだよな…… 第12魔王の悪意の所業だ。

 とんでもない奴に目を付けられたものだ、そういう意味では運が悪いな。


「ま……待てっ!! それじゃルカさんもコッチの世界にいるのか!?」


 勇者がようやくまともな人間語を喋った。琉架の名前に反応したんだな。


「あぁ、いるよ、俺と琉架はどこへ行くにも大体一緒だから。お見舞いに連れて来なくて良かっただろ? その情けない姿を見せずに済んで」

「ぐっ…ぎっ…ぎぎぎっ……!!」


 おぉ! 勇者がこらえている!? 以前なら確実に騒ぎ出してたのに…… 成長したな勇者よ…… ちょびっとだけ。


「はぁ…… それでD.E.M. は今後どうするおつもりなんですか? 第10魔王を狙うんですか?」

「いや、しばらくはゲートを調べるつもりだ。『神代書回廊(エネ・ライブラリー)』が使えるようになったからな」


「なぁ!? 『神代書回廊(エネ・ライブラリー)』だとぉ!? あの伝説の書庫か!? 小僧ぉ! 私も連れてけ!!」

「やだ」

「少しは考えてから答えんか!!」

「まぁ、そんな訳で、上手くいけばゲートを再稼働できるかもしれない。良かったな、留年してるだろうけどあっちの世界に帰れるぞ?」


「うぐっ!! 少しだけ帰りたくなくなった…… けど、今ゲートが復旧するとちょっと困った事になりますね?」

「あぁ、それも解決しなけりゃいけないな」


「ん? ねぇおにーちゃん、ゲートが復旧して何が困るの?」

「あぁ、単純な話だ。ゲートが復旧すれば神隠し被害者はデクス世界に帰るだろ?」

「うん」

「そうすると、今現在 第10魔王と戦っている連合軍の戦力がゴッソリ減るワケだ」

「あぁ~、なるほど」

「もちろん皆が皆、戦争ほっぽり出して帰るワケじゃ無いだろうが、それでも戦力は確実に落ちる。

 つまり第10魔王を…… この戦争自体をどうにかしなきゃいけないんだ」チラッ


「第10魔王は49代目勇者ブレイド・アッシュ・キース・アグエイアスが倒す!!

 ヤツはブレイブ・マスターの獲物だ!! 貴様には渡さん!! 絶対にだ!!」


 あっそ、じゃあヨロシク、ガンバってね~。



 そんな勇者の宣言の横で、エルリアが頭を抱えている…… まだまだバカ勇者を御するのは時間が掛かりそうだな?


 愚かなる勇者と苦労の絶えない仲間達は第10魔王と戦うことが決定してしまった。




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