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レヴオル・シオン  作者: 群青
第二部 「魔王の章」
104/375

第100話 アトランティス


 ゴボゴボゴボ……


 春先の冷たい海に沈んでいく…… しかし冷たさは感じない。

 成功だ、あの引きこも魔王、大したモノだ。


「カミナ様…… 大丈夫ですか?」

「あぁ、大丈夫みたいだ…… おぉ! 喋れる? 一体どういう原理だ?」


 そう言えば昔、魚介系使途が海の中で普通に喋ってたっけ? 水そのものを音の媒質にしてるのか? しかし気体と液体では全く意味が違ってくるし…… つまり不思議パワーだな。

 これは歌のギフトを持つ第6魔王との戦いで重要になって来るかもしれない…… 今の内に対策を考えておいた方が良いかもしれない……


 もっともゆっくり考えてる時間が無い。


 見るとミラの下半身は既に変身を終えている。人魚スタイルだ。美しい……

 その姿を見ていると、俺も服を脱いだ方が良いような気がしてくる。幸いさほど動き辛くは無いが、やはり多少の抵抗を感じる。

 全裸になればミラみたいに水中を自由自在に動き回れるのだろうか? ……無理だ。人の形では金魚と水泳対決しても勝てないだろう。

 大して変わらないのなら服は着て行こう。


 フルオープンで淫乱糞ビッチの前に立つのは色んな意味で危険だからな。


「ミラは誰にも見つからずに魔王城まで行けるルートとか知ってるか?」

「私が逃げ出した時のルートがバレていなければ恐らくは……」


 逃走ルートか…… 確かに使えそうだな。そもそもミラは死んだと思われてる、少なくとも警戒はされてないハズだ。俺は魔王城の正確な位置すら知らないんだからミラに任せるしかないな。


「そのルートを使おう、案内頼む」

「はい、お任せください。 ……えっと、それではお手を……」


 ミラが手を差し伸べてくる、確かに俺が自力で泳いだんじゃ遅すぎる。ここは素直に引っ張ってもらおう。


 ミラに引かれて海底を目指す。さすがに速い。

 あっという間に周囲は暗くなる。しかし水圧の影響も感じない、属性変化魔法ってのはスゴイな。


「そう言えばミラはさ……」

「はい、何ですか?」

「アトランティスではどんな暮らしをしてたんだ? やっぱり魔王の娘って事でお姫様扱いされてたのか?」

「…… そうですね…… お姫様扱いというワケではありませんでしたが、特別扱いはされてました」


 特別扱い? それはお姫様扱いと違うのか?


「私は乳母に育てられました。お母様と接するのは基本的に教育の時だけです」

「教育?」

「私を勇者と戦わせるための戦闘教育、そして勇者を憎むようにする思想教育、後は半分自慢話でしたけど男を虜に…… な…何でもないです!」


 ほぅ…… 興味深い話だ……特に三番目が。いつの日にか俺に披露して欲しいモノだ、男を虜にする教育の成果を。

 きっと簡単に虜になってしまうだろう……


「ですから私にはアトランティスに知り合いは殆んどいません、基本的には城に閉じ込められていたので。

 恐らく私に余計な知識を与えない為だったのでしょう」

「そうか……」

「ただ一人だけ…… 友人と呼べる存在が居ました。乳母の娘、マリーナです」

「マリーナ?」

「えぇ、マリーナ・サヴェート。私にとっては友であり、姉のような存在でもありました。

 オリヴィエの物語も彼女から教わったモノなんです」


 ミラの友達か…… やっぱり美人なんだろうな、人魚族(マーメイド)なんだから。


「無事だといいんですが……」

「ん?」

「私の逃亡の手助けをしてくれたんです。バレてはいないと思いますが、もし気付かれていたら……」

「無事だといいな……」

「えぇ…… 本当に……」


 そんな事を話している内に、周囲は完全に真っ暗になっていた。

 そう言えばアトランティスって水深何メートルに沈んでいるんだろう? 既に200~300メートルは潜ってると思うが。

 この暗さは想定して無かった。緋色眼(ヴァーミリオン)のおかげでどこに何があるかは分かるが、人の顔の判別がつかない…… 今から行くのは種族全員が美人と言われている人魚族(マーメイド)の楽園! 見れないのかよ!

 確かに見えない方が超絶美人の第6魔王を殺すのには都合がイイ、どうせ毒々しいピンクに近い紫色のオーラをしているに決まってる!

 でも殺す前に一目見たかったな……美の極致とやらを…… イイんだけどね? 敵だし! どうせ殺すんだし!

 むしろ疑問なのは人魚族(マーメイド)はどうやってこの暗闇の中で生きているのか? イルカみたいに超音波によるエコーロケーションを使っているのだろうか?


 ハッ!? そ…そういう事だったのか!! 人魚族(マーメイド)が女性だけの種族なのは…… その秘密はメロン器官にあったんだ!!

 人魚族(マーメイド)の胸はメロン器官! 即ち音響レンズ! 脂肪の塊だ! 男がいないのも納得だ!

 帰ったら学会で発表しなければ!

 そして人魚族(マーメイド)のメロン器官の研究者になるんだ! ミラにも存分に協力してもらわなければ、俺のこの手で人魚族(マーメイド)のメロン器官の謎を全て解明して見せる!

 僕の将来の夢は人魚族(マーメイド)のオッパイ学者になる事です! 夢の職業だ!


「カミナ様、見えてきましたよ」

「え?」


 イカン! 人魚族(マーメイド)のメロン器官研究の第一人者になる未来予想に酔いしれていた。それは全てが終わってからだ。

 ……で? 何が見えたって? あれ? 海底の方が薄っすら明るい?


「アトランティスです」


 海底に現れた明かりに向かう…… 見えてきたのは古代に沈んだ王国跡、ここがアトランティス……

 …… 明るいんだ…… 俺の学説は僅か数秒で否定されてしまった…… いや、諦めるのは早い! 人魚族(マーメイド)の尾びれはイルカやクジラと同じ横型、近い進化を辿り、同等の超音波能力を持っているハズだ!

 …… でも人魚族(マーメイド)の下半身には魚の特徴でもある鱗があるんだよな…… 持っていてくれ…… 頼むよ……


「カミナ様? どうかされましたか?」

「あ…いや、何で明るいんだ? 日の光の届かない海の底で?」

「私も昔は疑問だったんですが、恐らく迷宮と同じなんだと思います」


 あ、なるほど…… 魔王が住んでいるからか、あるいは第一次魔王大戦の第6魔王VS第7魔王戦の影響か、恐らく その魔力が周囲の地層を変質させたんだろう。

 第三魔導学院・地下封印と同じ理屈だ。


 太陽光ほど明るくないが、地面自体が優しい光を放っている……


 しかし1200年も前に沈んだにしてはキレイに形を残している。むしろキレイ過ぎる位だ。もしかしたら人魚族(マーメイド)は今でもこの街に暮らしているのかも知れないな。

 そして街の奥に見えるのは神殿のような巨大な城。


「あれが第6魔王城・ローレライです」


 魔王城ローレライ……

 古代の街と魔王城は見た目からして全く違う。城の周りには芝生のような海草が生い茂り水中花を咲かせ、美しいサンゴがそこかしこに自生している。

 どっかの密漁船に乱獲されてない美しい海底の庭園が広がっている。

 そしてその庭園の真ん中に聳え立つ巨大な城・ローレライ…… 薄暗い海の中で真珠のような輝きを放っていた。


「美しいな……」


 思わず口をついて出た…… 俺らしくないセリフ。しかし心底 美しいと思った。


「はい、あまり良い思い出の無い場所ですが、この美しい景色は私の自慢です」


 そう、美しいのだ…… そしてくどい様だがココに暮らすのは全員美人の人魚族(マーメイド)だ!

 魔王ミューズを排除したらココに俺の国を創るか? 美人だらけの禁域だ! 夢が加速する!


 まぁ、無理なんだけど。


 属性変化魔法は48時間しか効果が無い。つまりココで暮らすのは不可能だ、そもそも俺の嫁達が暮らせないんじゃ話にならない。

 この美しい光景は俺の様に薄汚れた男の懐には収まりきらない。勿体無いけど諦めよう、もっと素晴らしい禁域を創り上げればいいのだから!


「? ……あら? 何か妙ですね?」

「ん? どうした?」

「街に人魚たちが一人も居ません…… こんな光景は初めてです…… それに、何か…… 違和感が……?」


 まさか俺達が来たのがバレてるのか? いや、それにしては対応が早過ぎる。海に入ってまだ十数分、ココに至るまで魔物とも戦ってないし見つかってもいないハズだ。

 いや、相手は第6魔王“歌姫”だ。能力で操ったお魚さん達に周辺を警戒させていた可能性もある。


「そうです、あんな所に山なんて無かったハズです!」

「山?」


 ミラの指差す方向、古代の街の外、アトランティスの光に照らし出された小高い山が見える。

 無かったってどういう事だ? 海底火山か? 街の近くにそんなモノが出現したら住んでなんかいられないだろう? 魔王城ローレライにも噴火の影響は見られない。


 よく見ると山の麓の方にオーラが見える…… それもやたら大きい。

 やはり火山だろうか? しかしこのオーラは自然物というより生物が発するモノに近い……


 ズズズ……


 動いた…… 山が動いた……

 いや、アレは山じゃない!


「きょ……巨大な…… 亀? でしょうか?」

「いやいや、幾らなんでもデカすぎる! アーケロンの500倍くらいあるぞ! 考えられる可能性は一つだけだな」


『おい! 一体何事だ! いい加減出せ!』


 ミラの腰で防水バインダーに収められたアルテナが騒ぎ出した。出せるワケ無いだろ、ココ海の底だぞ? お前紙じゃん。

 そうだ、携帯生き字引のアルテナさんがいたんだった。第7魔王の嘘情報を掴まされたがココは汚名返上の機会を与えてみよう。間違っても挽回しないでくれ?




『体長2000メートルクラスの亀? それは亀じゃない、要塞龍・ヒンデンブルクじゃ』


 やはりか…… いや、ちょっと待て! まさかアイツも操られてるのか?


『ヒンデンブルクは遥か昔から、ホープと同じように契約した人々を運んでいた、つまり……』


 つまり今、魔王城ローレライにはお客様が来ているって事だ…… 「ホープと同じように」って言葉に物凄く嫌な予感がする…… まさか……な?


「それで街の様子がおかしかったんですね…… カミナ様、どうしましょうか?」

「う~ん…… 魔王の警戒がそっちに向いてるならむしろ好都合、このまま潜入しよう」

「分かりました。ではこちらへ……」


 ミラに手を引かれ、ぐるりとローレライの裏手へ回る。もしお客様が他の魔王とかだったら逃げる事になるから、気付かれないよう慎重に…… 最悪のケースは常に想定しておく。



---



 連れて来られたのはローレライの裏手、1kmほど離れた場所だ。これだけ離れるとだいぶ暗い。


「ミラ、ここは?」

「この辺りだった筈です、少々お待ちを…… えっと…… あ、あった!」


 そう言って指し示した場所には赤いサンゴがポツンと鎮座している……


「ん?」

「この下です」


 そう言って周囲の砂を払うと…… 石でできた小さな蓋が現れる、その形状は見た目マンホールだ。


「ここは遥か昔、アトランティスがまだ地上にあった頃に作られた下水道です」


 かつてアトランティスにはかなりの文明都市が栄えていたらしい、だがそれよりも別の疑問が浮かんでしまった……

 人魚族(マーメイド)って普段どうしてるんだろう?


 …………


 いや、しないんだ! 美女軍団である人魚族(マーメイド)にはそんな概念は無い! アイドルと一緒だ、用など足さない! そういう生き物なんだ! 俺はそう信じている。


「ここを通れば誰にも見つかる事無くローレライの地下まで行けます。えっと…… 1200年以上使われてないから汚くは無いと……思います」

「あぁ……うん、大丈夫。それより城側の出口……いや、入り口か? そこはどうなってるんだ?」

「遥か昔に埋められて、存在を知る者は私とマリーナしかいません。子供の頃マリーナが偶然見つけたんです」


 なるほど…… かつて城からの脱出に使ったルートか。


「私が逃げ出した後、マリーナが壁を元通りに戻しておいてくれた筈です…… きっと……」


 中を覗きこんでみる、真っ暗な穴がローレライの方へまっすぐ伸びている。どうやら潰されてはいない様だ。


「うん、大丈夫そうだ。行こう」

「はい!」



「第7階位級 光輝魔術『光源』ライト」


 アトランティスの光が届かない下水道の中を、ライトで照らし進む。

 中はレンガを積み上げた造りになっており、古代の街と同じ意匠を感じる。1200年前にこんなモノが…… いや、沈んだのが1200年前、つまりもっと古くから存在していたんだ。何となく昔の地下鉄のような感じだ。


 しばらく進むと、周囲の壁が光り出した。どうやら街に入ったらしい、このあたりの壁も変質している。


「着きましたよ、カミナ様」


 ミラが小声で知らせてくれる。

 そこの壁には人一人がやっと通れるほどの穴が開いており、その奥は真っ白な壁で塞がれていた。


「マリーナが塞いでくれたんですね……」

「そうだな…… ちょっと向こう側を覗いて見るか」


 緋色眼(ヴァーミリオン)を開き壁の向こうを窺う。

 数人のオーラが見える、誰かいるなら突入は少し待つか…… このルートは万が一の時の為にバレたく無い。


 あれ? このオーラ、人魚族(マーメイド)じゃない…… 人族(ヒウマ)のモノだ。もしかして……


「なぁミラ、もしかしてこの先って地下牢か何かに繋がってるのか?」

「はい、正確には地下牢の隣りにある倉庫にですが」


 やはりそうか…… つまりこの先にいるのは絶世の美女とイタシテいる連中だ。殺意は沸くが羨ましくは無いな。

 周囲に人魚族(マーメイド)や使途のオーラは見えない、入っても大丈夫そうだ。

 愚か成り勇者よ(フーリッシュ・ブレイブ)で壁を綺麗にくり抜く、たとえ倉庫でも念のため塞いでおきたいからな。


 とうとう魔王城ローレライに侵入を果たす。


 緋色眼(ヴァーミリオン)のゲインを上げて城を見上げる、しかし魔王ミューズのオーラは見えない。もっと上の方にいるのだろうか?


「とにかく上を目指そうか、俺が周囲を探るから慎重に」

「はい、ではこちらへ……」


 倉庫から出ると、そこには大きな牢屋がいくつも並んでる。

 そこには直径1メートル程のシャボン玉のような大きな泡が5つ並んでおり、その中に人族(ヒウマ)の男が素っ裸で体育座りしている。魔王ミューズに攫われてきた男たちだ。飽きられたら海の中に捨てられるって噂の……

 実に美しくない光景だ! 美女の楽園に裸の男とか汚物以外のナニモノでもない! こんな汚物をミラに見せる訳にはいかない!


「ミラは見ない方が良い…… てか見ないで」

「あぅ…… は…はい……///」


 まぁ、以前にも見た事があるのだろうが、改めて汚物を見る必要は無い。

 しかしこの空気の泡は一体なんだ? もしかして魔法か? そんなモノがあるんだったら、やっぱり琉架を連れてきて最速で終わらせた方が安全だったな。


 そんな事を考えてると、ミラが教えてくれた。


「それは空気貝です、男の人たちの足元にあるハズです。空気貝は自分の周りに粘度の高い泡を出して空気を溜める特性があるんです、そうする事によって天敵から身を守るそうです」

「へぇ…… 魔法じゃ無いのか、便利なモノがあるんだな。俺も用心の為に2~3個貰っておきたいな」


 アーリィ=フォレストを信じていない訳じゃ無いが…… 念の為、保険でね?


「それなら牢の外にストックがたくさんあるはずです。その…… あの人の性欲は……底無しですから、いくらでも人族(ヒウマ)の男性を攫ってこれるように……///」


 えぇぇぇ~…… 一つの牢に5人…… そんな牢が10個は並んでる…… つまり50人は居るぞ……

 まだ足りないのか? 底無しだな…… そりゃ淫乱糞ビッチって呼ばれるはずだ……


 そんな性奴隷たちがコチラに気付いた。その反応はヒトそれぞれだ。


 コチラに助けを求める様な仕草をする者…… 興味無さ気にチラ見する者…… 何の反応も見せず逆レイプ目を晒す者…… 酷いのはミラを見て明らかに興奮してる奴までいる。アイツの泡 割ってやろうかな?


「カミナ様、どうしましょうか?」

「今はスルーだな、助けても邪魔になるし、そもそも助ける術がない」

「そう……ですね…… でも後で何とか助けましょう! お母様の所業の犠牲者ですから!」


 うぉ! ミラが眩しい! まさに聖女! なんていい子なんだ!

 俺としては全員の泡を割って海の藻屑にしてやりたいんだが…… だって楽しんでるヤツ絶対居るぜ? 男ってそういう生き物だもん!


 そんな訳で、汚物の見本市みたいな地下を出る…… が、全くヒトの気配が無い。美女軍団が一人もいないのだ!

 いたらいたで困るのだが、何故いない?


「何で誰もいないのでしょう? もしかしてみんなヒンデンブルクの方へ行ってるのでしょうか?」


 確かにその可能性もあるが…… いや…… いる!

 城の上の方にオーラがいくつか見える、そのうちの一つは特大だ!

 間違いない! アレは魔王ミューズのモノだ! 予想通り毒々しいピンクに近い紫色のオーラをしている! 絶対にアレだ!

 しかもこの感じ…… 戦闘中?


「行こうミラ! 今誰かが魔王ミューズと戦ってるみたいだ、戦闘に意識を集中している今の内に一気に距離を詰める!」

「は……はい!」


 ミラに引かれて現場へ急行する。ここから確認できるオーラは6人、一人は魔王ミューズ・ミュース!

 一人は少し離れた場所に居る、たぶん身の回りの世話をする人魚族(マーメイド)だろう。

 残りの4人の内一人は体が小さい、あのサイズはきっと妖精族(フェアリア)だ。もう一人は子供ほどの背丈しかない、アレはきっと炭鉱族(ドワーフ)だ。そして残りの二人は人族(ヒウマ)だろう……


 あぁ…… 嫌な予感が現実になった……



---



「ここですね…… 謁見の間です」


 部屋の中からは戦闘音が聞こえる。どうやら既に始まっているらしい。

 この城が地上にあった頃の名残の通気口に潜り込み、部屋の中の様子を直に窺う…… そこに居たのは……


 第6魔王 “歌姫” ミューズ・ミュースと……


「あぁ…… やっぱりいたよ……」


 懐かしの勇者御一行様だった。




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