9 木の実を収穫
「あっっ、あった〜!!」
めったに見つからない中薬草を1本見つけた。買取価格が5本で150円の薬草とは違い、中薬草は1本500円で売れる。すぐに売ってしまいたいけど、今後、曾祖母達が薬草の栽培に挑戦するみたいだから綺麗に掘り起こして採取しよう。
ウキウキしながら丁寧に採取して次を探す。流石に中薬草は見つからなかったけど、薬草はたくさん集まったのでよしとしよう。
「ねぇ、姉ちゃん。アレ何か見てくれない?」
冬斗に連れられていった先には黄色の実がなった木が生えていた。
「これ黃林檎の実だと思うんだけど合ってる?」
「ちょっと待ってね。鑑定……、うん、黃林檎だね」
「やったね。もう食べれるやつ?」
「食用可ってなってるから食べれるね。美味しいかはわからないけど」
「採ってみようよ。登れるかな?」
「ハル兄に登ってもらおう」
春斗と秋斗がやって来たので黃林檎を採ってとお願いする。2人が登ろうと試してみたけど、足をかけるところがなくて難しいそうだ。
「これを登るのはムリだなぁ」
「レベルが上がればいけるかもしれないけど、今は難しい」
「冬斗の風魔法で何とかならないの?」
「狙うところが小さくてムリかも。周りもまとめて切れちゃうと思う」
「実が切れても腹に入れば一緒じゃん。とりあえずやってみろよ」
春斗の雑な意見が通ったので冬斗が魔法で黃林檎を狙う。エアーカッターと言う魔法らしい。冬斗が言うにはそこそこの大きさ?があるらしく、ピンポイントで狙うのは慣れと技術が必要みたい。
ビュンッと鋭い風が飛んでいきバサバサと枝が落ちてくる。どうやら当たらなかったようで、その後何度か攻撃したところ枝ごと黃林檎が落ちてきた。
見えるところにある黃林檎は粗方落ちたので収納する。あきらかに黃林檎よりも枝のほうが多いが、冬斗はもっと上手くできるようになると意気込んでいた。
枝も使えそうなので回収しておいた。たしかスモークチップに加工できるって聞いた気がする。まぁ、しばらく出番はなさそうだが。
「傷ついた黃林檎はあんまりないね」
「ほとんどが枝ごとだからな」
「もっとカッコよく落とせるようになるんだ!!」
「他の木にもなってるかもしれないから上も見て移動してよ」
「アッチに何かなってたぞ」
胡桃やどんぐりが落ちてる場所があったり、赤林檎や青林檎がなってる木もあった。今の季節は春なんだけどダンジョンの中は関係ないみたいで、気温的には春っぽいけど、生えてる植物は秋っぽい。ダンジョンの仕組みは不思議だね。
男子3人はスライム探しに戻ってしまったが、私は引き続き植物の採取を続けた。木になってる物は冬斗に落としてもらって、それ以外は地面を鑑定しながら黙々と拾っていく。
たまにスキル石の欠片があるのでこれもしっかり回収した。ちなみに、今日拾ったスキル石の欠片で1番驚いたのは『口キャッチ』というスキルだった。ダンジョンの中でどう使えばいいんだろう?
口キャッチして遊んでたら危ないと思うんだけど…。
夕方までたっぷり遊んで戦利品もたくさん持って帰宅する。魔石の買取機はまだ混んでいたので買取はしないでおいた。
「ねぇ、今日採った林檎食べようよ」
「あら、林檎なんてあったの?」
「5層目にあったよ〜。もしかしたら他の場所にもあるかも」
「それじゃあ、おばあちゃんがいく時は上も見て歩こうかね」
「木の上になってるから登るか魔法で落としてね」
晩御飯のお手伝いをしながら今日の発見を報告していると母がやってきて明日の予定を話しだした。
「お母さん達ね、探索者の登録をすることになったの」
「えぇ〜、そうなの!?」
「帰ってきてから調べてみたんだけど、登録しておいたほうがお得らしいのよ、税金とかね」
「へぇ~。登録ってダンジョンの脇にある臨時の買取所でできるの?」
「役場って言ってたわ」
「じゃあ、私も明日役場にいって薬草売る」
食後に明日の話をしながら薬草の仕分けをする。5本で一束にしながら計算してみると、全部で13 束1950円になりそうだ。
専業探索者の収入としては少な過ぎるが、放課後に遊びのついでに採った草でこの金額なら十分だろう。魔石も5日分で116個たまっている。
「買取するの楽しみだなぁ」
「めっちゃ集めたよね」
「数えてみようぜ!!全部でいくら稼いだかな?」
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