4 いざ!ダンジョンへ!
1週間後、探索者ギルドから正式発表があった。しばらく様子を見た結果やっぱりFランクダンジョンだったようで、今日から自由に入ってもいいそうだ。
発表自体は朝から町の防災無線などで放送されていたのだが、残念ながら今日は火曜日だったので、子供達は皆ソワソワしながら放課後になるのを待っていた。
「ただいま〜、ダンジョン行ってくる〜!」
春斗が帰ってきて速攻ダンジョンに走っていきそうになるが寸前で祖母の菖蒲に止められる。
「待ちなさい!!宿題はないの?」
「帰ったらやる〜」
「ダメよ。行きたいなら宿題やってから行きなさい」
渋々部屋に戻って宿題を始めると秋斗と冬斗も帰ってきた。春斗と全く同じやりとりをしたあと部屋に入っていった。
「ただいま〜」
「おかえりなさい。ダンジョンに行きたいなら宿題をやってからね」
「はいよ~。晩御飯の準備はどうする?」
「今日くらいは私達で全部やるから遊んできなさい」
「やった!んじゃ、宿題やってくるね」
夏希はいつも通りだったが、よく見るとウキウキしているのがわかる。菖蒲はしょうがないなぁと笑いながらオヤツの準備をはじめた。ちなみに、今日のオヤツは味噌焼きおにぎりだ。
冬斗、夏希、秋斗の順に宿題が終わり茶の間でおにぎりを食べているとヘロヘロになった春斗がやって来て座布団の上に倒れ込んだ。
「終わった〜。疲れた〜」
「ダンジョンは行かないの?」
「行く!!」
急いで起き上がりバクバクとおにぎりを食べだした。誰よりも早く食べ終わると部屋に戻ってリュックを持ってきた。準備万端だ。
「皆揃ってから行きなさいよ。お兄ちゃんはちゃんと見ててあげてね」
「大丈夫だよ、だってFランクだぜ」
「行き帰りで車が通ったりするでしょ」
「は〜い」
全員の準備が終わってから出発する。歩いて10分くらいなのですぐに着く。ダンジョンは田んぼの真ん中にあって地下に潜るように階段ができている。階段を下りると石でできたゲートがあり、それをくぐるとダンジョンの中に入れるそうだ。
田んぼの周りには近所の人達が結構いて、4兄妹と同じように宿題が終わってからきたであろう子供達もたくさんいる。皆楽しそうに階段を下りていくので4兄妹もついていった。
「何か真っ黒なゲートだな。大丈夫なのか?」
「皆入ってるから大丈夫だよ」
「スキル何かな?」
「早くっ早くっ!!」
えいっとゲートをくぐる。薄い膜を通り抜けるような不思議な感覚だ。ダンジョンの中は草原になっていた。少し離れたところには木が何本も生えていて小さな森になっているみたいだ。
さっきまで畑にいたのに…。草原の匂いがすると少し混乱する。
それぞれの頭の中にピローンと音がなる。ステータスが見れるようになったようだ。全員すぐにチェックし始める。
「え〜と、あっ、オレ剣術だ!!あと見切りってスキルがある!!」
「俺はね…、槍術と突撃ってスキルだね」
「僕のは火魔法と風魔法だよ。やったね!魔法使いだ!」
「私は、鑑定とインベントリだ」
「「「あぁ~…」」」
男子3人は当たりのスキルだろう。ただ、鑑定とインベントリはそこまで当たりではない。普通ならレアスキルだと思うのだが、最近はAIが自動で鑑定してくれる機械があったり、アイテムバックが普及していたりするので初期スキルとしてはイマイチになってしまった。
もちろん、スキル自体はとても有用なので欲しがる人も多いし、AIでは鑑定できない物もたくさんあるから探索者ギルドでは鑑定のスキル持ちが優先的に採用されたりする。
ただ、攻撃系や魔法系のスキルを持っているほうがレベルが上がりやすいから好まれているだけだ。しかも子供なら派手なスキルのほうがカッコよく感じてしまうのでなおさらだ。
「まぁ、スライムしかいないし大丈夫だろ」
「そうだな。手ぶらで移動できてラッキーじゃん」
「アイテムバックって今いくらだっけ?お金を出せば買える物だけど、僕達には絶対に買えないからインベントリでよかったじゃん」
それぞれフォローしてくれるが夏希はもともと気にしてなかったので、どうやって使おうかなぁとウキウキしていた。
「よしっ!それじゃスライム探しに行くぞ!!怪我すんなよ!」
春斗の号令で移動することになった。今日はダンジョン開放初日なので人でいっぱいだ。スライムの取り合いになりそうなので、できるだけ人の少ない方に向かうのだった。
出来ればたくさん倒したい…。レベルアップが楽しみだ!!
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