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第7話 お疲れのマサキ様とユリカ様

マックス様をお送りしてから10日程が過ぎた。やはり森の中ではなかなかお客は来ないのかと思い始めていたところに二組目のお客がやって来た。


話しを聞くと街道から少し離れたら道に迷いこの宿にたどり着いたらしい。

宿帳に書かれた名前はマサキ様とユリカ様。かなりの疲れなのか部屋に案内をすると食事も摂らずに寝てしまったようで、かなり遅い時間に照明係のルクスより起きたので食事をお願いと連絡が入ったのだった。


もちろん、俺は二人が寝ている間に宿帳に書かれた名前から万能の杖を使い詳しい情報を確認した。もちろんこれは最大限のおもてなしをするために。


≪マサキことリューク様。マチルダ皇国にあるセントラル商会の従業員。ユリカことササミ様。マチルダ皇国にあるセントラル商会の娘。恋仲を親に反対されリューク様は即解雇処分を受ける。父親の対応に対抗すべくササミ様が家出を決意。現在マチルナ王国へ向け駆け落ち中≫


さて、どうするか……


取り敢えずは食事だ。疲れの度合いが判らないが部屋に入って即寝てしまう位だからと料理長は少し甘めの味付けで疲れを癒すようなメニューで用意してくれた。しかも時間が時間だからと量は少なめと配慮も忘れない。


軽く食事をしてもらったら今夜はゆっくり休んでもらう予定だ。もちろん温泉を勧めたのは言うまでもない。


翌朝、ユリカ様から2~3日逗留したいとの申し出が有りお受けした。どうやらマサキ様が怪我をしているようで歩ける状態に無いようだ。これもルクスからの報告だけどね。


早速、接客担当に指名したシモンに回復ポーションを二人分持たせ、ついでに様子も見て来てもらう事にした。


「お連れ様がお怪我をされているとか。こちらに回復ポーションをご用意いたしましたのでお使いください」

「いえ、そんな高価なもの……」

「ご安心ください。当宿の主からお見舞いの品ですからお代の心配は要りません」

「でも……」

「当宿はお客様が笑顔で居て頂ける事を望んでおりますので遠慮はご無用です」

「…………」


「それと何かご不安な事がございましたら従業員がそれぞれの得意分野でそのご不安が解消できるようお力になりますもでご遠慮なくおっしゃってくださいね」

「……ありがとうございます。このポーションは遠慮なく使わせていただきます」

「それと、本日は他にお泊りの方がございませんので何か有りましたらご遠慮なくお声を掛けてくださいね。では失礼いたします」


ルクスによるとシモンが部屋から出て行ったあとこのまま逃避行を続けるのか、宿の人に相談して力を借りるか二人は話し合ったがなかなか結論が出ないようだった。

これはもっと相談しやすくなるような環境を整えてやる必要が有ると判断した俺はとある計画を立てた。


名付けて『来ても居ないのに来てるよ来てるよ作戦!』


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