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第5話 マックス様、元気になってもらいますよ作戦始動中

作戦開始の合図と伴にみんなが散って行った。


「サガロ、今日はいつも以上に気合を入れて作るぞ」

「任せておけ。親父!」

「厨房では親方と呼べ!」


この宿の厨房にはこの森の食材はもちろんだけど、神界を通じてこの世のありとあらゆる食材が手に入る。世界各地の寺院や教会で神界に供される食材は想像を絶するほど多岐にわたる。農産物や海産物に肉は当たり前、菓子や酒などの嗜好品も当然だし、香辛料や調味料も何十種類と供される。中には新開発の商品で発売前のヒット祈願として供される物もあり、無いものを探す方が早いかもしれない。


逆に言うと使う食材を選ぶ事に悩まされる。




「お待たせ致しました。夕食をお持ち致しました」

「ありがと…う……ってすごい豪華ですね」

「料理長が心を込めて作らせていただきました」

「……こんなに食べれるかな……」

「それでは、お料理のご説明をさせて頂きます」


大名膳に置かれた料理はこうだ。


左上から山菜の天ぷら。その右には神界牛のヒレステーキ、さらに右は神界魚のお造り3種盛。

中央左から根野菜の炊き合わせ。真ん中の八寸皿にはエビの艶煮と湯葉の餡かけ山葵添え、色取り野菜のゼリー寄せに銀杏の松葉焼きと生麩の田楽の5種。その横に小鉢2種で、もずくとカニ身の酢の物に栗きんとん渋皮煮添え。他にも茶わん蒸しと一口そば。ラスト、手前左にお茶碗

が置かれ、香の物に汁物と全13品が配置されていた。因みに今日のご飯はきのこの炊き込みと揚げナスの味噌汁が用意された。そしてデザートには葛切り。誰が見ても満足してもらえそうな品々になっていた。


「ごはんはこちらのお櫃に入っております。足りないようでしたら遠慮なくお申し付けください」




キャスハが料理を出している頃、フェンリルのフェルダが一鳴きすると数匹の魔獣たちが結界の所までやってきた。その中にシルバーウルフが2匹いて、フェルダが更に一鳴するとシルバーウルフ以外は森に帰って行った。


俺は結界の一部を解除してシルバーウルフ2匹を敷地内に入れた。


『上皇様のお役に立てる時と聞き我ら兄弟がシルバーウルフ族を代表しまして、参上いたしました』

「ありがとう。説明する前に聞くけど、人間の獣魔になる事は大丈夫かな?」

『人間の獣魔にですか?』

「無理にはお願いはしないよ。相手を見てから決めてくれたら良いんだ。でも、出来たら従魔になってあげて欲しいかな?」

『主人になる人間を見極めた上の事でしたら構いません』

『兄と同様です』

「じゃ~今から作戦を説明するね」


さっき立てた作戦を説明しながら、人間に怪我をさせないようにだけは何度もお願いをしておいた。


『上皇様、マックス様担当のルクスより食事が終わったとの報告がありました』

「そう。ありがとう。じゃ~こちらも始めようか」

『『『御意』』』



「マックス様、突然申し訳ありません。魔獣が2匹宿の外で暴れております。どうかマックス様のお力で追い払っていただけませんでしょうか?」

「魔獣ですか!」

「はい。シルバーウルフが2匹です。本日はマックス様しか冒険者のお泊りが無くて……」

「わかりました。力になれるか判りませんが行きましょう!」


あぁ~ そんな澄み切った真剣な目をされると俺の心が痛いんですが……

でも、それもこれもマックス様のため。それにこんな目を出来る人間が悪人な訳がないと勝手に決めつけ安心を得ていた。


マックス様の後を追って表に出てみると、既にマックス様は二匹に話しかけていた。


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