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第3話 プレオープンをしたものの……

魔界の森、またの名を再会の森に出来た一軒宿。広い敷地を活かし客室は取り敢えず10室。すべて離れになっていて履物は素足か部屋履き。外履きの靴は部屋の入り口で脱いでもらうことにした。他には温泉露天風呂が付いていて、水洗御不浄も各部屋にあるから部屋に一旦入ったら他の客と顔を合わせることも無い。そのため食事も部屋食。ただし大名善で一気出し。さすがに今の人数では一品出しなど出来ないから仕方がない。


あと、これはお客には内緒なんだけど、光の妖精ルクスたちがそれぞれの部屋に散らばり部屋の中を照らしてくれながらお客の声を拾っては帳場を照らしてくれているルクスの長、クスクスに知らせる事になっている。そしてクスクスがそれを俺たちに教えてくれる事で細かいところまで気配りが出来るはず……。


それとスライムたちもやる気十分で各部屋に3匹ずつ隠れていてお客が部屋を汚しても風呂の湯を汚してもすぐに綺麗な状態にすると意気込んでいる。これは頼んだわけでも無くスライムの長であるクリンが率先して決めたようだ。


火の妖精サラマンダーと風の妖精シルフに水の妖精ウィンディーネ達はお互いに連携を取りながら室温を快適な状態に保つように調整をしてくれると言ってるし、土の妖精ノームと木の妖精ドリアードは協力をして庭の管理。物作りが好きな妖精スプリガンは設備管理や必要な物の作成とそれぞれの妖精たちが自分に出来そうなことを率先してやってくれるから俺はみんなに感謝した。


そして女官だったキャスハやハモン・ラモン・シモンの3姉妹は客室係。サガルは帳場。カメロ・サガロの親子はもちろん厨房でそれらすべての統括をするのがユミルとそれぞれの役割が決まった。


で、俺は何をすればいいんだ??




準備は万端。いよいよ開店と行きたいところだが、みんな人間界は初めてで接客の仕方も定かではない。そこで、実際に接客をしながら練習をしようという事になった。その間は通常料金の半額にすることにした。と言ってもまだその料金すら決まって無いんだけどね……



念入りに準備をしてプレオープンはしたものの、お客は誰も来ていない。


さすがに事前の宣伝も無くいきなり森の中に宿が出来たことなど誰も知らないのだから当然と言えば当然の結果とも言える。そこで、俺は万能の杖で立て看板を作ると唯一森を縦断している街道から宿まで誘導するように立てて行った。これで興味を持った人が来てくれるからも知れないと期待はしたもの成果は全く出なかった。


なにがいけないのか……


『上皇様、一つ良いでしょうか』

「どうした?」


フェンリルのフェルダが控えめに進言をしてきた。


『人間はか弱きもの。けもの道でなく、ちゃんとした道を作ってやらなければ来ぬのではないでしょか?』


ナント! 盲点だった…… 言われてみれば魔界の森と言われたこの地で安易にけもの道など怖くて入って来るわけがない……


フェルダに言われ始めて事の重大さに気付くなどおバカ丸出しだ。

急遽、土の妖精ノームの長であるムームと木の妖精の長アートと物作りが好きな妖精スプリガンの長リンドンにも街道から宿までの道を整備してもらえるように頼んだよ。


ムームとリンドン達の素早い働きで街道と繋がる道が出来き、やっと初めてのお客様を迎える事が出来たのだった。


そう言えば宿の名前って決めたっけ??


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