決闘
「はぁー極楽だわ」
「あら、どこかで見た事ある顔だと思ったらエレナじゃない」
「この声は…」
そこにいたのは、学年トップで卒業したミレーニアだった。
「み、ミレーニア奇遇ね」
「全くだわ、魔術師になるのは諦めてこんな所でぐうたらしていたなんてね」
会って早々嫌味を言われた、やはりこの女とは合わない。
「ミレーニアこそなんでこんな所に」
「私は、マナスポットによったついでよ、あなたと一緒にしないで下さる?」
「わ、私だってそのついでなんだから」
「へぇ、じゃあ召喚獣は呼べたようね、で?その召喚獣はどこかしら」
あれ、さっきまでいたのにどこに行ったの?
「まぁいいわ、貴方の召喚獣になんて興味無いし、どうせゴブリン辺りでしょ」
流石に馬鹿にしすぎでしょ、ゴブリンは召喚獣ですらないし!!
「少なくともミレーニアのよりは強いわ」
「へぇ、言ったわね、いいわじゃあデュエルしましょう」
「デュエル?」
「そんな事も知らないの?魔術師同士でお互いの召喚獣を競い合うのよ、最も貴方に本当に召喚獣がいればの話ですが」
「いいわ、やったろうじゃない!」
「では、近くにあるアクアスポットで待っています。まさか逃げたりしませんよね、うふふ」
そう言うとミレーニアは出ていった。腹が立ったとはいえとんでもない事になってしまった。相手は学年トップの優等生、対する私はポンコツ召喚獣を従える落ちこぼれ、どう考えても勝算がない。
「ふむ、話は聞かせてもらった」
「あんたどこ行ってたのよ」
「それよりあやつと戦うのであろう?」
「勝てっこないよ…」
「あやつに言われっぱなしでよいのか?」
「良くないけど…私弱いし」
「案ずるな、僕がいる」
「パラシオス…」
だから心配なのよ。
アクアリウム アクアスポット広場
マナ属性 水
「逃げずに来たわね、その度胸は褒めてあげるわ」
ミレーニア・グレア
Lv18
たいりょく 55
ちから 20
マナ 195
すばやさ 61
ぼうぎょ 55
マナ属性 水
魔術師の杖
物理攻撃力 18
魔力 41
マナ 20
魔術師のローブ
対物理 11
対魔力 56
魔術師のイヤリング
魔力 30
マナ 41
魔術師の指輪
魔力 18
マナ 25
明らかにスペックが違うんだけど、この本壊れてないわよね。
「私の召喚獣を紹介するわ、来なさいマーメイド」
ミレーニアは指をパチンと鳴らすとその姿を表した。上半身は人型、下半身は魚のような召喚獣だ。
マーメイド
種族 魚人
人の体と魚のような下半身を持つ召喚獣、その歌声はあらゆるものを魅了し、操ることが出来る。水の召喚獣
第3階位 召喚獣
Lv10
たいりょく 80
ちから 42
まりょく 100
すばやさ 50
ぼうぎょ 40
水のカルマ 129
魔法 不明
「さて、あなたの召喚獣はどこかしら?」
「呼んだか?」
パラシオスはゆっくりと上から降りてきた。
「へぇ、見た事ない召喚獣ですわね。それ本当に召喚獣なの?どう見ても人間の子供にしか見えないのだけど」
「多分…」
「多分って貴方ねぇ」
「ええい、言わせておけば!僕は正真正銘召喚獣だ!!戦ってみれば分かることであろう!」
「それもそうね、気に入ったわ私が勝ったらその召喚獣を貰うわ」
「そんな勝手に決めないでよ」
「あら、魔術師同士のデュエルで賭け事をするのは当然よ?」
「じゃあ私が勝ったら?」
「万が一にも有り得ないけど、そうね、貴方が勝ったらこの高級マナポーションをあげましょう」
「よかろう」
「ちょっと、なんであんたが決めるのよ」
「安心しろ、僕は負けぬ」
「この間、トカゲに負けた奴に説得力がまるで無いのだけど」
「先程幾らかマナは補充したからな、それにここもマナスポット、ある程度のマナは補充できる。それに勝算はある」
「本当によく喋る召喚獣ね、ますます欲しくなったわ。さぁやりましょう!」