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マナスポット

「ぜぇぜぇ」


「どしたの?」


いつも小うるさい癖に今日はなんだか苦しそうだ。


「僕もそろそろ限界だ、早くマナの補給を…」


「そう言えばあんた、なんか薄くなってない?」


「え?」


スゥゥゥ…


「わぁぁぁ、消える!消えてしまう!!」


「早くマナをくれ!!このままでは何もせずに消えてしまうではないかぁ」


「嫌よ、連日貴方が魔法を使ったせいで私ももうマナ残ってないんだから、ただでさえ体がダルいのよ」


「少し、ほんの少しでいいからぁ」


「仕方ないわね、ほら」


つーん


「こんな殺人団子食えるか!!」


「じゃあ我慢なさい」


「こうなったら強引にでも」


「ちょ、どこ触ってんのよ離しなさい!!」


「どうかされましたか?」


いがみ合っているとふと後ろから綺麗な声が聞こえてきた。


「いえ、こいつがどうしてもマナが足りないとうるさいので」


「それは大変です。ここはマナスポット、ここならばマナの補給ができるでしょう」


いつの間にか目的地に着いていたらしい、辺りには明らかに魔術師らしい人が集まっている。


「スゥゥゥ…ハァァァ、生き返る…」


消えかかっていたパラシオスの体も元通りになっていた。


「ここはどういう場所何ですか?」


「ここはかつて魔神が大蛇を滅ぼした後だと伝わっています。相当凶暴な魔物だったらしいのですが、なんとそこにある大蛇の影を残して魔法1つで吹き飛ばしたとか」


「そんな恐ろしいものが…」


見ると確かに蛇の形をした影だけがそこに残されていた。辺りはその後だろうか真っ黒に焦げ付いている。


「ここは雷のマナを多く含んでおります」


「雷のマナ?」


「あら、ご存知ありませんか?魔術師の学校で習うはずですが」


「あ、あははそうですよねぇ」


しまった、ここに来て不登校なのが仇になった。


「召喚獣には色々属性があるのはご存知ですよね、サラマンダーが炎の属性であるように、各召喚獣には属性が付与されています」


「も、もちろん知ってます」


「ですから、その召喚獣にあったマナスポットを選ぶと効率がいいのですよ」


成程、ここは雷のスポットだったっけ?道理で魔術師が連れてる召喚獣がビリビリしたのが多いわけか。


「ふぅー生き返った」


「あら、もういいの?」


「もういいの?ではないわ、危うく消滅するところだったのだぞ!」


「貴方の召喚獣は、見たことがないわね、人型なのも珍しいですが、こんなにお喋りするのも初めてみますわ」


「話すのは珍しいですか?」


「えぇ、簡単な意思疎通くらいは出来ますが、ここまでコミュニケーションができる個体は初めてです。あ、申し遅れました私、光明教会に所属しております、フレイと申します」


「光明教会ってあの?」


「なんだその光明教会とやらは」


「大賢者ラハール様が立ち上げた団体よ」


「はい、その通りです。我々は世界平和のために日々努力しています。ここより北に行ったハロルドという場所に光明教会の本部があります、良かったら立ち寄ってみるのも良いでしょう」


「はい、ありがとうございます」


「それでは、私はこれで」


そう言うとフレイと名乗る女性は姿を消した。


「胡散臭い奴だな」


「胡散臭いあんたが言ってどうする」


「ところで、ここは雷のスポットらしいけどパラシオスはここでもいいの?」


「うむ、僕はどんな属性でも構わないぞ」


「そう、よく分からないけど」


「なんだ、そんな事も知らないのか、いいだろう教えてやろう」


別に頼んでないんだけど。


「この世には色々なマナの色が存在している。火、水、地、森、雷、風、光、闇その他にも細かいものはあるが大体そんなものだ。そして召喚獣にもその属性が当てはまる」


「それはさっき聞いたわ」


「僕の場合は、そのどれもが当てはまる。だからどんなマナでも歓迎するぞ」


「どうやってマナを取り込むの?」


「呼吸から体内に送り込めるはずだ、もちろん他にも効率のいい方法はあるが、今のお主はそれが一番だろう」


「その本で確認してみよ、僕の力も少しは戻ったはずだ」


「どれどれ」


パラシオス


第1階位召喚獣


Lv2

たいりょく 30

ちから 25

まりょく 30

すばやさ 30

ぼうぎょ 15


火のカルマ 30

水のカルマ 0

雷のカルマ 30

地のカルマ 0

森のカルマ 0

風のカルマ 0

闇のカルマ 0

光のカルマ 0


魔法

ファイヤーボール MP5

サンダー MP8

ウォッシュ クリエイター MP1


「ステータスが更新されてるわね、このカルマって何?」


「僕の属性数値だ、今ここで雷のカルマを吸収出来たおかげである程度力も戻って、新しい魔法も使えるようになったぞ。ところで…」


パラシオスは何かを探すかのようにキョロキョロと辺りを見回す。


「どうしたの?」


「いやな、この場所どっかで見たことが…あっ」


「思い出した、ここは数千年前に僕が生意気な蛇を消し飛ばした場所ではないか」


「え、これあんたがやったの!?」


「あぁ、あまりに昔のことで忘れておったわ、だからなんか馴染みのあるマナだと思った」


「こんな大穴あける魔法なんてあるわけないじゃない」


「あるよ、第8位階魔法、グランジオブレイク」


グランジオブレイク 第8位階魔法

雷のマナを一点に集中し、一気に対象へと振り下ろす魔法、通称トールハンマーとも呼ばれる大魔法。

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