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最強の召喚獣の名は

「むぅ、少し見てやろう、うーんふむふむ」


自称召喚獣は、私の体をジロジロと見ながら観察する。何なのよこいつ、本当に召喚獣なの?だとしたら親になんて言えばいいのか…。


「貴様、漏れておるぞ」


「は?いい、いくら私でも公共の場で漏らしてなんかないし!!」


「違う!誰がお主の小便の話をした!魔力が漏れておると言っておるのだ。これではいくら魔力を補給したところでたちまち外に出てしまうだろう」


「そ、そうなの?じゃあどうしたら…」


「なぁに、心配はいらぬ漏れてるなら塞げばいいだけの事」


「塞ぐってどこを?」


「大丈夫、痛みは一瞬だ」


そう言うと両手を合わせ人差し指だけを突き出す。


「馬鹿!!変態!!害獣!!死ね!!」


自称召喚獣は、そのまま向かってきたが見事返り討ちにすることに成功した。あれ、私もしかしてランク1の召喚獣よりは強いんじゃない?


「な、何をするのだ。高位の存在である僕…に…ガクリ」


そう言うと動かなくなった。よし、帰ろうそうしよう。


家に帰ると母親が早速期待した様子で近寄ってきた。


「ねぇ、どうだったの?どんな召喚獣を呼び出したの?」


「それがさぁ、失敗しちゃったみたいで呼び出せなかったよ」


「あら、そんな事ってあるのかしら」


「私やっぱり才能ないみたいあはは」


「じゃあその後ろの子はなに?」


後ろの子?振り返るといつの間にかあの害獣がいた。


「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれました母君殿、僕こそは最強の召喚獣である。この度はこの娘の呼び掛けにより参上した」


「あらあらまぁまぁ、よくぞいらっしゃいました。娘を宜しくお願いします」


「あ、うむこちらこそよろしく」


「ちょっと待って、なんで打ち解けちゃってるの?お母さんもなんで信じるのよ!」


「あら、だって本人がそう言っているし、宙に浮いてるでしょ?」


「お母さんの召喚獣かどうかの判断は宙に浮いてるがどうかなの!?ああもういいから出てってよ」


「そうはいかぬ、契約を交わした以上は僕の目的を果たすまでは離れる訳には行かないからな」


「目的って何なのさ」


「ふっふっふ、僕の存在を再び世に知らしめることだ!!」


ダメだこいつ早く何とかしないと。


「…」


「おい、そこは褒め称えるところであろう!!」


パチパチパチ


「すごいわぁ」


「ちょ、母さん乗らなくていいから」


「うむ、母君はなかなか見る目がある様だな。僕がこの世界の頂点にたった暁には、母君を我が側近として迎えようではないかはっはっは」


なんで2人は勝手に盛り上がってるんだろう。2人をほっといて自分の部屋のある2階へと向かった。


「はぁ、もうこれを最後にして別の仕事したかったのになぁ、まさか魔術師の道に挑むことになるとは」


「何を言うか、僕という最高位の存在を引いておきながら」


こいつ、いつの間にか後ろにワープしてるんですけど。こわっ


「あぁもう、私なんかじゃなくてミレーニアの所にいけば良かったじゃない、なんだって私のとこに」


「ふん、あんな小娘では僕の器に相応しくないわ、お主だから呼び出せたのだそこは誇っていいぞ」


「あ、あらそう」


まさか、首席のミレーニアより私の方が才能あったの?いや、騙されるな私、こいつの言うことなんか信用ならない。


「ところで」


「なんだ?」


「名前とかあるの?」


「ふむ、よくぞ聞いてくれたな。よく聞くがいい、そして僕の名を世に知らしめるのだ!!」


「いいから言えよ」


「こういうのは雰囲気が大事なのであろうが!僕の真名を明かすのだから」


「あぁ、はいはい、そうですね、で、名前はなんと仰るので御座いましょうか」


「デュオ・デシム・パラシオス・デ・ニッシ・ウルトハイム・ハイロー・アグニシウス・ドラッヘだ!」


「ごめん、ちょっと聞こえなかった」


「だから、ディオ・デシム…」


「ストップ、そんなの覚えられない却下」


「な、なんだとー!?人間はたった32文字も覚えられぬのか?それに却下とは何だ。僕の名前だぞお主に却下される覚えはない」


「戦いの最中にそのディオ…」


「デュオ・デシム・パラシオス・デ・ニッシ・ウルトハイム・ハイロー・アグニシウス・ドラッヘだ」


「そんな長い名前で指示出来ないでしょ」


「支持する必要はない、お主は見ているだけで良い、僕があらゆる敵を蹂躙してやろう!」


「ランク2のトカゲにボコボコだった訳だが」


「あれは何かの間違いだ!魔力さえあれば僕だって…」


「とにかく、長すぎる」


「うむむ、ではパラシオス・デ・ニッシ・ウルトハイム・ハイローで手を打とう」


「まだ長い」


「ぐぬぬ、パラシオス・デ・ニッシ・ウルトハイム…」


「長すぎ、5文字以内」


「な、なんだとぉぅー!?お主、僕をペットの犬かなにかと勘違いしておらぬか?」


「うーん、そうねパラシオスでどう?」


「聞いてない!?…うむむ、せめてデを入れてくれぬか」


「なんでデに拘るのよ。パラシオス・デとかおかしくない?蛇足よ。却下」


「パラシオスか…僕も随分小物になったの…」


別に泣くことのほどでもないと思うけど…。


「まぁいいわ、私はエレナ、エレナ=ベルトよろしくパラシオス」


「お主の名の方が長いでは無いか!」


「たった1文字くらいなんなのよ」


「うわーん、返せ僕の真名を返せー」


こいつが最強の召喚獣なんて信じられないわ、近所の悪ガキと言った方が信憑性がある。ともかくこの召喚獣(仮)の名はパラシオスに決定した。

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