4.悪魔令嬢は、見抜かれる
読んでくださった方ありがとうございます
「そこの平民、何でアザミーナ様と一緒にいるのよ」
「何でと言われても困るわ」
私のことをネモフィラちゃんだと勘違いしている集団が現れた
じっくり見ても金髪のポニーテールは見つからない
「アザミーナ様、そんな方と一緒にいれば、品位が落ちますわよ」
なんじゃそりゃ
本物のほうを捕まえておいてそれはない
そろそろ、気付かせてあげた方が親切というものだろうか
それをするのも面倒だから相手にしないでおこう
「また、無視する気かしら?」
「無視するつもりはないわ」
今のも、無関心にはいるのだろうか
よくわからないが、傷つけてしまったのかもしれない
「でも、あなた達があまりにもおかしな勘違いをするものだから」
「勘違い?」
「アザミーナは私のことよ」
はっきりと口に出せば、困惑した表情になった
ネモフィラちゃんも、うんうんとうなずいている
「分からないの?あなた達が、平民と思いこんでいた相手は、この私よ」
「嘘、だってあの方は、貴女が身分をわきまえない平民だって」
「あの方が誰かは知らないけれど、もう一度確かめてみてはどうかしら?ネモフィラさんも平民の下で育ったのであって平民ではないわ」
今度こそ逃げるように去っていってしまった
「誰かが、指示したようだわね」
「いったい誰が」
「さあ、私にはわからないわ。どこまで泳がせるかも決めていない。それでも、そのうちに尻尾を捕まえさせてもらうわ」
私のことを襲ってくる人間たちの仕業かもしれないとも考えたが
こんな遠回しな行動をせずに直接殺しに来るだろう
学園内の警備が厳しすぎてその手段が取れないとかは無いだろう
仮にも暗殺者なのだから
ネモフィラちゃんと一緒にいるといろいろなことが起こるものだ
そう言えば、ネモフィラちゃんも金髪だ
ポニーテールにできるくらいの長さはある
「何でしょうか、アザミーナ様、私の顔に何かついていますか?」
「そんなことは無いわ。むしろきれいだと思う。金髪の子は多いけれどあなたのが一番きれいよ」
「アザミーナ様に言われると照れます」
たまには、和やかな時間も悪くないかもしれない
何かトラブルなしでネモフィラちゃんと話してみるのもいいだろう
「ネモフィラさん、今度お茶会でもどうかしら」
「お茶会…… それです。アザミーナ様! アドニスとバードック様を招いて、話をして和解させるなんてどうですか?」
「またトラブルを持ち込むのだから。そうじゃなくて貴女とお茶会がしたいのよ」
言ったあと、自分がどれだけ恥ずかしい発言をしたか分かって頭を抱えたくなった
クローバに甘えるのと同じくらい恥ずかしいことを言った気がする
「アザミーナ様が私を見てくれて嬉しいです」
「いつも、ひやひやしながら見てるわよ」
「そうじゃなくて、どこか遠いところで思考を漂わせていましたよね。それが私には妙に寂しく思えました」
知らなかった
てっきり、自分の感情のままに突っ走っているのかと思っていたが
人のことは見ているようだ
私の友人はしっかりと見抜いていたらしい
気恥ずかしくて、くすぐったい気持ちが胸いっぱいに広がった
明日は午前8時に次話投稿します
ここの所、熱がずっと下がらなくて、もしかして世間一般に言う知恵熱?六月病?と思っています




