12.悪魔令嬢は、予感を覚える
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お誕生日おめでとうございます。いつもありがとう無理しすぎないでください
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ネモフィラちゃんは私にかかわったせいで、殺されかけた
その事実は決して軽くない
「これ以上関わったら、あなた本当に死ぬわ。私はなぜ狙われるかわからない、誰が殺そうとしているかわからない。また巻き込まれてしまうわよ」
「そうですか」
ネモフィラちゃんは下を向いてしょんぼりとした
尻尾が垂れ下がっているように見えなくもない
「なら、私強くなります!」
「ネモフィラさん!? 」
「よし、その意気だ! 俺が教えてあげよう」
「グロニオサ先生まで。いったい何ですか」
しんみりした空気を吹き飛ばしてネモフィラちゃんとグロニオサ先生は固くこぶしを突き合せた
グロニオサ先生は魔法のことだったら一流だ、ネモフィラちゃんに至っては聖なる魔法を使える可能性を秘めている
この二人が組めば向かうところ敵なしだろう
「よかったな」
「クローバまで……」
「それはそれで、俺のこと好きじゃないのか」
何でさっきまで私がごまかしておいた話題を蒸し返してくるのだよ
「意地悪言う人は好きじゃありません」
「そうか、残念俺は好きだよ」
「人前で何を言ってるんですか!」
私の様子がおかしかったのかしばらく腹を抱えて笑い続けていた
いくら婚約者といえども失礼にもほどがある
そうは思うものの、前よりもすっきりしていて心地が良い
「やっと、伝わった」
何も含みのないきれいな笑みを見ていると、こっちまで気分がよくなってしまう
この人は、魔法か何かを使っているのだろうか
「伝わるからって人前では言わないでくださいませ」
「人前じゃなかったらいいのかな?」
「そ、そういうことでもないですわ」
ネモフィラちゃんとのおふざけが終わったらしく、グロニオサ先生は真剣な表情を見せた
一体なんだろうか
「来月、クローバ様の従妹のナーシサス様が入学するそうだな。それは、おめでとう」
ナーシサス、クローバ様の従妹で金の髪のポニーテールが印象的な女の子だ
何回かあっているが、会うたびに嫌味を言われる
正直あの子はめんどくさくて好きじゃない
「それはということは」
「アドニス様がご入学なされる。この意味は解るか?」
バードック様とアドニス様、二人の王子が同時に入学するということは派閥争いが激しくなる可能性がある
国王様が次期国王を指名していないため、どう動くかわからず混乱している状態だ
母親が平民出身のバードック様が一見不利なように思われるが、親という後ろ盾がない分即位した後口出ししやすくなるだろうという目論見の元、王に娘を出せなかった家が付いている
「相当揺れるでしょうね」
「そうだろうな」
「クローバ様は…… その」
子供の行動は親の意思が関わっていることが多い
私はお父様から聞かされていない
そもそも、家は薬師魔法を使うだけでも生計は立てられる
無理に出世しなくても生きていけるのだ
「父上からは何も言われていない。バードック様とは友人だがそのことは別だ」
はっきりと情で動かない宣言をしてしまった
「あれ?でも王子さまって四人いましたよね。もう二人は?」
「一人は家で、もう一人は棄権している」
そう言えば、ゲームでは一切触れられていなかった
隠しキャラかと期待されていたが、結局誰も出せずじまい
「大変なことになりそうね。嵐の予感だわ」
私の言葉を否定するものは誰一人いなかった
これで二章本編終わりです
次回は間話を投稿します
次々回(月曜日)より第三章入ります。これからもよろしくお願いします
明日は午前8時と午後8時に次話投稿します




