4.悪魔令嬢は、手紙を書く
よろしくお願いします
あの後は、これからの計画と婚約の契約の説明をされクローバ様は帰っていった。私はお父様にクローバ様の様子を伝えた
「ということで、クローバ様に薬のこと教えても良いですか?」
「なるほどクローバ君は薬自体にトラウマを持っているのか」
「はい、もちろん生成のことは何も教えません」
「いいだろう。ただよく考えて行動するように」
感謝の意を伝えると部屋を出た。それにしてもどのようにして、クローバさまと連絡を取ろうか。婚約者といえども未婚の男女二人が頻繁に会うのはいい顔をされないだろう。それもお父様に相談すればよかったが残念なことに颯爽と出てきてしまったので今更戻るのも恥ずかしい
「姉さま、これ見てください」
「ローレルどうしたの?」
「これ僕が書いたお手紙です。お母様に送るので間違ってないか、みてください」
「あら、お母様に偉いわね」
私たちのお母様は体が弱く遠方に治療に行って…いない、この領地にはおらず王都で薬師をやっている。嫁いできた身なので薬師魔法を使うことはできないが薬の知識は豊富で、その腕を買われて医者の補助をしている。頭のいい人で、医者としての勉強もしているらしい
「上手な字ね。内容も分かりやすくていいわ」
「ありがとうございます。お父様にお願いして届けてもらうね」
ローレルは嬉しそうに部屋の中へ飛び込んでいった。手紙を書くなんてほほえましい、きっと息子が頑張っていることもお母様に伝わる。そっか手紙で伝えればいいのか。手紙ならば直接会うわけでもない上にむしろ清く正しい交際だと歓迎されるだろう。そうと決まれば早速部屋に帰って手紙を書かなくては
それから3日後、家には手紙と花束が届いた。花束はバラとかではなくきれいな薬草を摘んだものである。その中にオトギリソウが入っていたので肝が冷えたが、花言葉なんて前世の話クローバ様が知っているわけがない。それでも気になるから、この世界にもあるのか一応調べておくことにした
『先日は、丁寧なお手紙をいただき感謝します。これは心ばかりのお礼です。あなたのためを思って』
メッセージカードにはこんな言葉が書かれていた。お礼がヤンキーのやるお礼参りのお礼にしか見えない。メッセージカードのほかにも質問の手紙も入っていた。その最後には今度馬の遠乗りに行こうという誘いがあった
クローバ様と私の領地は隣同士であり、川が境界線となっている。その周りには穏やかな草原がある。クロッカス家の場合は、令嬢でも使用人でも馬に乗る訓練が様々な事情によってされる。こっちの世界に来てから馬に初めて乗ったが、子供の吸収能力はすごくあっという間に乗れるようになっていた。今ではすっかり乗馬が趣味になってしまった。きっとクローバ様の馬に乗る姿はきっと様になるだろう。早速お父様に許可を取りに行こう
次は、4月8日午前10時に投稿する予定です。時間がかなりバラバラですが模索中ですので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。基本日曜日は2本投稿それ以外は1本ずつやろうと思っています。ご希望がございましたら伝えてもらえるとありがたいです