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20.悪魔令嬢は考察する

ブックマークありがとうございます。読んでくださった方もありがとうございます。とてもうれしいです


最近キーボードに慣れてきて早く打てるようになりました。周りの方たちに比べるとまだまだですが頑張りたいと思います。いまだにショートカットのやり方が覚えれません

無事にクロッカス家についてイチイを安全な場所に運んだ。ほっとしたのもつかの間私は頭を悩ませていた

今回の暗殺者の目的は私自身(アザミーナ)であった。貴族や商人全般が標的の盗賊とかならまだしも個人を狙う暗殺者は計画を練っているだろう

さらに、私は町に出るとき草むらが不自然に揺れていたのに気が付いていた。その時にはあまり気にしなかったのが大きな失敗(ミス)


そして、どこかから情報が漏れていたこと。漏らしている人間がどこかにいると警戒するべきだろう


「もう、分からないわ」

「何がでしょうか」

「クローバ様、私が…いえ、イチイの体力回復のための食事は薬膳料理にしようかと考えてたのよ」


そういうとクローバ様は怖い顔をして近づいてきた。様子がおかしかったのでさりげなく逃げるが、壁のほうへ追い詰められる

ここで殺されるかもしれないと逃げる隙を伺うが、両側は手でふさがれてしまった


「ひ、人を呼びますよ」

「問題ないですよ。それより、あなたとイチイの関係は?ほかの従者もつれずに出るんだ。ただの使用人というわけではないでしょう?」

「確かにイチイはただの使用人じゃ…クローバ様、少し顔が近いわよ」


顔を近づけられて熱が上がり目をそらすと、手が見えた。傷を知らない美しい手だ、イチイとは大違い。

この人がいなければ彼は死んでいたかもしれない


「助けてくれたこと感謝するわ」

「いきなりなんでしょうか?俺はあの使用人とはどんな関係か聞いてるのに」

「イチイとは師弟関係ですわ。薬師魔法を教えてくれたのはお父様よ、薬草自体の知識を教えてくれたのは彼よ」

「不貞を働いたわけではないのですね」


私はクローバ様の手から顔へと視線を素早く移動させた。まさかそんなことを考えているとは思わなかった。私に浮気されたことを怒っている?逆に、弱みを握れると考えたのだろうか


「結婚する前にそんなことを疑われるとは心外ですわ」

「疑いたくもなりますよ。婚約したはずの女性が見知らぬ男と二人きりで出かけているのですから」

「それは、申し訳ありません」

「今度俺とも一緒に出掛けてくれるのなら許しましょう」


クローバ様はこちらをじっと見つめてきた。一度あってしまった目はなかなかそらせないもので、こくこくと首を縦に振らざるを得なかった

彼が安心したように離れていくのを見て少し残念な気がした。残念ってなんでそんなことを思ったのだろう勘違いに決まってる勘違いに


「私は。私はクローバ様が裏切らない限り裏切るようなことはしないわ」


自分の考えたおかしな考えを振り払うために言うつもりのなかったことを大声で漏らしてしまった。何ということだ。クローバ様の顔を覗き見る、彼はいったいどんな顔をしているのだろう

はい。物凄く複雑そうな顔をしている

おおよそ、復讐相手に裏切るも何もないとでもおもっているのデショー


「冗談よ。私はクローバ様がやりたいようにやればいいと思っているわ。ただ、黙ってはいませんけどね」

「それは怖いですね」

「私は、強いのですよ」

「知っています。だから、俺はあなたが愛おしいと思うと同時に恐ろしくも感じている」


愛おしく思っているのかどうかは置いておくとして、恐ろしいと感じているのは本当だろう。なにせ、自分の母親を毒殺した女の娘だ。自分も近づけば殺されてしまうかもしれない


「アザミーナどうか俺の前から突然いなくならないでくれ」


懇願のような言葉に私は息をのんだ。この人のしたいことは本当にわからない。私がいなくなるのを心配しているのか、復讐したがっているのか。彼自身もわからなくなっているのかもしれない。知らず知らずのうちに口元に苦笑いが浮かぶ


本当に困った復讐者(ひと)




ありがとうございました。明日は午前8時に投稿します

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