戻ってきた
迷宮から出てきた夜、俺はエミル団長の私室に来ていた。
「おい、話って何だよ?」
「それよりも座ったらどうです?」
一応座らしてもらっとく。
「あ、確か君はあの時装備をほとんど燃やし尽くしてなくしてしまったようなのでこれをどうぞ」
そう言うと青と黒を基本としたコートより短くて上着より長いジャケットのような物と龍の頭をデザインにしたような籠手?と青と銀を基本とした上着をわたしてきた。
「どっから持ってきたんだよ?」
「いえ、そんなたいしたところではありませんよ。王国宝物庫から頂いてきたのですよ」
おい。この泥棒
「酷いですね。人を泥棒呼ばわりなんて」
「人の心読むなよ」
「顔に書いてあっただけですよ」
「・・・・・・・で、話って何だよ?」
そっちのほうが重要だ。
「ええ、君があれの対処をしている間勇者のほうを見たんですけどね。やっぱりのろいがかかっていたようです。ですが、君のあの言葉で少し呪いの影響が少しだけ表に出てきましたけど、元に戻ってしまいました。」
「じゃあどうするんだよ」
「あの手の呪いは何かしらの媒体があるはずですが、おそらく、王などの諜報部隊の暗闇によって守られてるでしょう。我々から何も手が出しようがないです。ですが、私に何かあった場合に対して副団長にすでに指示をしているので問題はないです」
「ただの報告かよ!?」
まったくこの程度で呼んだのかよ。
「ええ、ですがもしもの場合あなたはそれがあったほうだいいでしょう?」
俺がさっき受け取った物をさして言う。
「今日はこれで終わりか?」
「ええ、また会いましょう」
「おう、じゃあな」
*部屋に戻った竜牙は眠りについた。
*翌朝、竜牙は日課の筋トレをしていた。
コンコン
「誰だ?」
ガチャ
「おい勝手に開けんなよ!?・・・・ってアンタ副団長の・・・・」
「ケースだ。それより今朝エミル団長が死体で発見された。」
は?あの人が?
「驚くのは分かるが、それより団長が殺された凶器がお前の持っていたナイフだったことからお前が疑われている。それで俺は団長に頼まれていた物を持ってきた。」
そう言って、小さめの手を思いっきり広げたぐらいの大きさのポーチ?をわたしてきた。
「それはマジックバッグはかなりの量を入れられる物だ。その中にエミル団長からお前へのものが入ってるらしい」
「て、言うかアンタはいいのかよアンタの上司が殺されたんだぞ!」
「良くはない。しかしお前がやったのではないのはわかる」
「何で?」
「お前と話している団長は楽しそうだったし、何よりお前が馬鹿だからだよ。そんなヤツがあんなことするとは思えなかったからだ。そろそろ、私も本来いるべき場所に戻らねば。それにまだエミル団長から頼まれたことは残っているから」
そう言うと走っていった。
「たく、どいつもこいつも馬鹿馬鹿言いやがって」
*だがしかし内心はかなり動揺していた。その理由は自分の正義を守れなかったからだ。
でもよ。あの人がただ死ぬとは思えないな。
「それにこの中にいろいろ入ってるといったが、何が入ってるんだ?」
手を入れてみた。その感想はどこかの青いロボットのポケットのようだった。
*そこから出てきたのは、一枚の手紙だった。