訓練
訓練が始まったがごたごたしている隙を見て抜け出した。特に目的はない。
「どこにいくんですか?」
「そこらへんの屋根で昼寝を・・・・!」
「そんなに驚らかなくてもいいじゃないですか」
「はぁ?アンタ訓練はいいのかよ?」
「それ言ったら君のほうこそ何でこんなところに?」
「特に理由はねぇ」
エミル団長は見つめ続ける。この人はなんとなく面倒くさそうだと思った。だが、たぶんまともな人だと思った。
「じゃあ、話でもしましょうよ。確か君は魔力以外は勇者より上でしたよね、ステータス。」
目をそらす。逃げたほうが良かった気がする。正面突破もできる気がする。
「話といってもお互いに利のある話ですから」
逃がさない気だというのは見ていれば俺みたいな筋肉馬鹿でもわかる。
「で、何だよ話って?」
「君達の世界について、教えて欲しいのですよ。それに気になったことを教えてもらえればそれで良いんですよ」
「俺たちの世界って・・・・別にいいけど、じゃあ代わりにアンタは何教えてくれんだよ」
「私はこの世界について教えてあげましょう。どうせ書庫への入室は禁止されたようですし、悪いところなんてお互いにないはずですが?」
たぶん悪くはない話しだ。それに少しでも味方が一人でもいるのはありがたい。
「分かった」
「それではまず・・・・・」
話し始めてから相当の時間が経ったと思う。
「へぇ、君たちのいる世界は科学と言うのものが発達していたんですか」
「まぁな、といっても俺はそんな物日常で使う物程度ぐらいしかわかんねぇけどな」
「いえいえそれでも十分ですよ」
「・・・・・・」
昨日の夜のことを言っても大丈夫な気がする。話していてエミル団長なら信用できると思う。理屈はいらねぇ。
「なぁ、エミル団長。あんたに伝えておいたほうが良いことがあんだけどよぉ・・・・いっていいか?」
「かまいませんよ」
表情が先までのもと違う真剣なものになった。
「昨日の夜。なんか気持ちのわりぃ感覚があったわけよ。それで起きちまって、トイレにでて部屋に戻ってる途中に明かりのついた部屋があってそこの部屋から国王やらの声が聞こえてきた。といっても偶然だぞ。そこで、呪いだとか予定通りだとか聞いてすぐに部屋に戻ったんだけどどうすりゃあいいかと思って今あんたに話した」
エミル団長の顔がさっきより真剣そのものださっきよりも真剣さが増している。
「どうした?」
「いえ・・・・・私以外には話してはないのですね?」
「あぁ」
「それは、良い判断です。後日またそれに関しては話しましょう」
「団長!ここにいましたか!?まったく・・・・すみません。うちの団長が・・・・・・それでは行きますよ」
「それじゃ、また話をしようね」
エミル団長は引きずられていった。
「はぁ、どうすっか・・・・」
その後筋トレをやりまくった。