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ろくでもない物語  作者: あかさたな
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理由

「俺の勝手な思い込みだがニャルラトテップという名前は好き勝手して、それができる力もあり悪巧みにも長ける存在なはずだ。事実神との為り変わりといい常識の範囲を越えたこともやってのけた。最悪お前一人でもどうにかなるとさえ思ってる。なんで俺なんだ?」

「君に隠しても意味がないことだし、そこは私も話しておこう。」

思いの外素直に話されることにやや戸惑うが身構えてしまう。

「固くならないでいいよ、何て言うべきか……私は世界に嫌われているんだ。」

「抽象的すぎる、わからん。そりゃあお前らは世界の嫌われものだろうが。」

「んー、そういった人から嫌われるとかじゃなくてねえ、私のやることなすこと最終的には失敗するように世界ができているって言えばいいかな?」

何となく言いたいことはわかる。

世界とは人や国でなくこの世界全てということで、世界そのものがニャルを嫌って動いているということか。

「だから私は世界から行動したらその分だけどこかで嫌なことが起きる。そしてそれを私がどうにかしようとしたらその行動がまた嫌われる。負のスパイラルだよ。」

くるくると指を回しながら説明する姿は似合わない無力感を感じさせた。

「今日の予定にないビトルのお友達は世界の嫌がらせだろうねえ、仕込みの時点であんな存在知らなかったよ、多分私が前この世界に行動した後にトラスは彼女の友達になってる」

色々と合点がいってきた。

「だからトレスを自らどうにかしようとしたくないし、かといってビトルを帰されたら仕込みが水の泡になる。あの時俺を頼ったのはそういうことか。」

「正解。だから君には本当に助けられたんだ。そして君じゃないといけない理由はこの世界に来る前に話した通りさ。」

記憶を辿るがわからない、俺の唯一の才能とやらにしても俺は凡人だ。

「君は元の世界の人間とは思えないほどに肝が座ってることだよ。どれだけ賢くても狂えば意味がない。どれだけ屈強でも心がやられたら意味がない。この価値がわかるかい?」

わからないね、さっぱり。昔からふてぶてしいとかはよく言われたものだが

「なら具体例を挙げよう。この私と異世界に行き、生きた死人を見て最終的な目的を聞いていても尚君は逃げ出そうともしなければ狂いもせず前の世界と変わらないペースで生きている。常人が可能か考えてごらん?」

…………………………おお!

確かにろくでもないとぼやき頭の痛くなるようなことから逃げ出したくはなったが今俺は普通にこいつといる。

例え行き先がファンタジー世界だろうと常人なら異国に拉致されたように慌てふためくだろう。

ニャルラトテップの見た目がどうだろうと一緒の部屋で生活なんてまともじゃねえ。

「自分の価値を理解してくれたようだね、来る前はああ見えて必死で置物でもいいなんて言ったけど君は私達のリーダーが役目だ。」

ん、待てよ?

「明日からよろしく頼むよ、相棒」

「なあ、それって俺が何もしなければお前も大人しいんだよな?」

お、固まった

「だけどほら、リレイズとビトルに見栄切っちゃったしいつナルメルの為り変わりの反動が来るかわからないし、頑張ろうじゃないか」

慌てるその様子がどこか可笑しくつい笑ってしまう。

「どうせろくでもない世界だどうせなら住みやすくなるよう努力はしよう。」

「前向きで助かるよ、私があれこれとはできないが私の知る魔法は教えるし私自身使ってくれて構わない、君に使われるなら反動も少ないだろうしね。君は凡人だが駒は非凡だ、ナルメルの信仰稼ぎの方法は任せるしそのための力はある。好きにするといいよ。最終的には私達がこの世界に打ち勝てればそれでいいさ。」


さあて、参った。何をどうするつもりなのかわからなかったがまさかの全ては俺次第と来た。しこもこの異世界は敵らしい。まあ、明日の仲間から様子見してこら考えよう。

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