募集結果
掲示板に張り紙をしたその次の日、ニャルはいいことを思いついたと言って何処かへ行ってしまった。
となれば俺は募集結果を見に行こう。
ギルド掲示板に募集をかけ、もし誰かが興味を持てば冒険者証にあった俺の宛先に手紙が届いているはずだ。連絡先に使えるこのシステムは電話のない世界便利である。
「3件お手紙がありますね。」
受付の人に聞いたところ早速3人もかかったようだ。受付の人に礼を言い適当なテーブルにかけギルドの支給食を食べながら目を通す。
3通を要約すれば
1.こちら中級冒険者・スカウト 技能持
ち、初級冒険者支援です。
2.こちら土壌の神ナルメル信仰のプ
リースト。冒険者ランクは高めです
が昨晩の夢のお告げに従いあなたの
パーティーに是非お供させていただ
きたいとおもいます。
3.冒険者ランク最低。だけど力はあり
ます。多少のことで嫌わない差別し
ない優しい人であれば何でもします
しどこまでもついていきます。
味気ないパンを飲み込み、改めて見れば選択肢が一つしかない。
1.一番まともだし繋がりも見込める。
2.何かの電波を受信したらしい。だが
なんにせよ前向きなのはありがたい
しヒーラーは必要だ。
3.ろくでもねえ。この一言に尽きる。
力があるのにランクは最低という矛
盾、そして多少のことと書きながら
重い地雷臭がする。
食器を返しとりあえず一番と二番の手紙に返事を書くべく受付に行く。
「あー、この1通目の方は現在冒険者登録を凍結させていただいてますねー」
「何かあったんですか?」
「昨日匿名の方の報告でこの方は初心者支援と言いながら裏で色々とやってたようです。相手が男ならいいように使い、女ならセクハラや身の回りの世話をさせていたとか」
…………ろくでもねえ。
「3番の方はいかがですか?掲示板の利用料もかかりますし妥協してメンバーをとることをオススメ致します。」
逆に考えるんだ、一番まとめに見えたのが一番のろくでなしなら一番ろくでもないのが当たりの可能性だってある。よし!
「ならこの二人に一度顔を合わせたい旨の手紙を送りたいのでお願いします。」
「畏まりました、よいお仲間に恵まれることをお祈り致します」
さて、後は二人が手紙を見て宿屋にまで来てくれることを待つだけだ。