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ろくでもない物語  作者: あかさたな
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リターンとリスク

がっこがっこと馬車に乗る、見れば他の冒険者達もいる。

「なあ、おい、あんた。あんたも最前線砦防衛のクエストか?」

やることもなく景色を眺めていたら他の冒険者に声をかけられた。

見れば町のガードと比べても遜色ない程度の装備の男がいた。

「ああ、ちょっとした偶然でな」

「おーおー、俺達お仲間か!見ればわかるぜ、お前もそこの身なりのいい女達も揃って目が野心に満ちてやがる。」

「わかるやつにはわかるのか」

「当然よ、お前さんそこは経験が浅い素人だな?」

「ああ、だが仲間にはこれ以上ないくらい恵まれてる。」

「ははっ!あの後ろで寝てるネクロマンサーも含めてか?大したもんだ」

「そうだよ、俺の仲間だ悪いか?」

「いいや、全く。かくいう俺の仲間も訳アリでね。なかなか[恵まれてる]よ、俺はテイマだ、まあよろしく頼むぜ。」

含みを持つその言葉にやや興味が惹かれた。

「なあ、お前の仲間って」

「魔族の襲撃だー‼みんな起きて応戦しろーー!!」

馬車を襲撃しに来た警報が俺の言葉を遮った。

「お互い見たほうがはええな。おい、起きろ。出番だ」

テイマは仲間を起こす、当然俺も全員起こし外に出る。

「あ?……リザードマン?なんであんなレベルのやつがこんな道に」

俺達が殲滅せずに王を倒したからだろう。統率のなくなった奴等が野生化したんだ

「リレイズ頼んだ、あいつらにはお前が一番強い。だけどあの風は使うなよ?他の応戦してる奴等も巻き込む」

「かしこまりました![ネクロリザレクション]」

袋から骨を取りだし魔法をかけると骨が損傷したリザードマンの死体となりリザードマンの群れに斬りかかり、リザードマンは同族が刃を向けることに混乱し群れがかきみだされる。

「おーおー、えぐい魔法使うねえネクロマンサー、嫌われるわけだ」

そう言ったテイマの側から二人の人影が飛び出しかきみだされた群れに突っ込んでいく。

「テイマ、あれがお前の仲間か?」

「おうよ、なんてこたぁないガキだがなかなかのやつでな。晴れ舞台を作りに行くんだ。ネクロマンサー連れてるお前さんとは手が組めそうだから声をかけた。」

暗闇の中焚き火に照らされた灯りでうっすらとテイマの仲間の輪郭が浮き出る。

力の象徴と言わんばかりの角に皮膜の翼。僅かな灯りの闇の中炎で焼き爪で引き裂く獲物を狩るその姿は悪魔のようだった。

「確かに見ればわかるな。うちのネクロマンサーと共闘でもして勇者を出し抜こうとでも?」

「大正解だ、どっちが勇者を出し抜いてもお互い得になるようフェアに手を組もうぜこのまま砦にいってもあんたらはせいぜい端っこに飛ばされて指加えるだけだ。何かプランがあるなら別だがな」

にんまりと笑い話を持ちかけてくる。言われてみれば向こうでそういう扱いを受けるのもありえる話だし、それをどうにか出来るほどの経験も力もない。

だが、馬車で俺達の素性を見抜いたテイマがいればどうだろうか?手を組もうと友好的だし何よりも勇者を出し抜きドラゴンを倒す戦力は欲しい。



「で、君はついさっき会ったばかりのその男と組むことにしたわけだ。裏切られないことを祈るよ」

ニャルは棘を含んだ言葉で返した。目先の戦力と弱みで決めてしまったが早まったかもしれない。

「まあ、私とリレイズさんとナルメル様は例え裏切られても大丈夫でしょうし向こうもネクロマンサーについて知っているならわざわざ敵対はしないと思います!私達は強いので!」

リレイズは自信から大丈夫と判断する。

「私とトラスはリーダー様に一任します」

だが相手はドラゴン、そしてライバルは国のバックアップを受けた勇者だ。戦力は喉から手が出るほど欲しい

「このままテイマと手を組んで行きたい」

結局俺はテイマと手を組むことにした。裏切りを恐れて身内で延々やるよりも繋がりは広い方がいい。

俺達を載せた馬車は休憩に入る。

ろくでもないこの世界だ、裏切り前提に考えてみるか。

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