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ろくでもない物語  作者: あかさたな
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罠がもたらしたもの

再生を終えたリレイズに意識を取り戻したビトルを連れ罠の先を進むことになった、リザードマンがきたということは戻る道もあるはずだからだ。

今は一度休み体制を整え直している。

リザードマンの遺体をせっせとかき集めるリレイズは大丈夫そうだ。

だが、ビトルは目を覚ましてからも顔色が優れない。トラスが傍にいるが大丈夫だろうか。



「私が気を失っていたときに何か起きましたか?」

「ネクロマンサーの再生までリザードマンに囲まれてた。んでリーダーが何か知らねえが、すげえ魔法でビビらせてる間にあたしが数減らして撤退させた」

パーティーの生命線でありながら気絶し危機に晒した私とは大違いだ。リーダー様がどんな手を使ったのか想像できないけど、さすがナルメル様に相棒と呼ばれることはある。

悔しさと情けなさが込み上げる。

「大丈夫だよ、君はまだまだ強くなれる。焦ることはない。」

俯いていた私にナルメル様は手を重ね励ましてくれる。おそらくは私への気づかいだろう。

だけど、リーダー様、大切な友達のトラス、ナルメル様自信までも命の危機に晒した私にはその優しさに心は痛む。

だから私は決意した。

今の私だとこれからの試練なんて越えられない、みんなを危険にさらす。いつか強くなればじゃ駄目。実際についさっき死はすぐ側にまで来ていた。次に無事な保証なんてない。

だから私は禁忌に手を出す決意をした。

仕方ないから、そうでもしないと信仰する神とその相棒様、そして友人の命を奪いかねなかったことを自覚してしまった私の弱さは耐えられなかったから。

私は立ち上がりリーダー様のすぐ側にまで近づき耳打ちする。

「リーダー様、帰ったら誰にも知られずに町のナルメル協会までいらしてください。理由は聞かずに来てください。」



ビトルはいきなり真剣な顔で約束を突きつけてきた。俺はこれを愛の告白と思うほど馬鹿じゃない、だがそんな真剣な約束を突きつけられて断れるほどの意思のない凡人なんだ。

だから俺はただ頷いた。それがどういうものかも解らずに。


「ビトルさんも復活したようですし行きましょうか!タイムロスしましたがリザードマンの素材も取れましたし巻き返しです!」

おそらくこの中で一番元気なネクロマンサーははきはきと一同に告げる。

様子がおかしいビトルやトラスがいる中リレイズの明るさは嬉しかった。

「そうだな、行こう。」

俺達は一先ずは今のダンジョンをクリアすべくまた潜る

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