夏の日の恋’76
とりあえず、僕は
楽器吹くと発散出来ると思って
「そうだ!しんちゃんもブラスバンドやろうよ」と。
しんちゃんは驚く。「そんなの出来ないよ」
大丈夫大丈夫、僕でも出来るんだもの。と
そう言って(笑)。
机にあったアルトリコーダーで
「夏の日の恋’76」のストリングスのパートを吹いた。
しんちゃんは映画好きだから「あ、知ってる。夏の日の恋だよね」
僕は「そう。これはディスコアレンジの方で
ずっとCDにならなかった方。デモテープっぽいよね、アレンジ」
「それ、吹いてみたい。」と、しんちゃんは
ダイナミックなアレンジに惹かれたらしい。
「新世界から」も、カッコイイけど
少年には、このくらい派手な方が
フィットするんだろう。
吹くと発散できるものね。
僕も、自分のユーホで
この低音パートで、全奏する事を
想像して、ワクワクした。
ベースソロもやろうかな。
ソウルっぽい自由なベースで、心が弾む。
エレキベースのパートは、たけちゃんのフルートと
朋ちゃんのクラリネットでやって貰おうか。
空想は楽しい。
しんちゃんも、音楽の話で
気が紛れたみたいだ。
昼休みなので、3階に上がって
音楽室。
グランドピアノには、たけちゃんが居て
バカラックを弾いていた。
「どしたの?しゅーねん」と、にこにこ。
平安貴族みたいな雰囲気に見える。
僕は、にこにこを返して「うん、あのさ、夏の日の恋’76をね、しんちゃんと吹いてみたいと思って」
たけちゃんは「いいね、あの曲好き。」
それを、ひな壇の上の方で聞いていた
バンドマスターの中山は「面白いね。バンドでやろうよ」
中山は、元々合唱コンクールでも[jesus christ suoerstar]を演奏したいと言うような
エンターテイメント嗜好の人。
抑揚が強いのが好きみたいで、[新世界から]も、良かったけど
[ツァラトゥストラはかく語りき]みたいなのが好きだ、とも言っていた。
それなので、ディスコアレンジは好みらしい。
この1976年あたりは、ディスコアレンジが流行って
ポール・モーリアさんも[恋はみづいろ’77]を作り
ディスコセンセイション、というLPを
一枚作っている。
でも、これもお蔵入りになってて
CDにはなっているが、セットものでないと
買えない。
「じゃ、しんちゃんも低音かな、最初だし」と中山は決定が早い。
たけちゃんは「でも、あれってベースランニングでしょう?難しくない?」
中山は「ベース音だけで最初はいいんじゃない?メロディーのところはしゅーねんのユーホで」
と、分解二重奏でやろうと。
後々作曲家になるだけの事はある(笑)。
編曲はこの頃からしていた、と言う訳か。
たまたま、音楽室の外にいた
2Fの女子たち、初美ちゃんも朋ちゃんも居て
僕らの声を聞いて
なーになーに?面白い事?と(笑)
「夏の日の恋’76やるの」と、僕が言うと
朋ちゃんは「いーねぇ。コンクールの自由曲?」
なんて、言うものだから(笑)
中山もその気になる。
ロックオペラを合唱コンクールでやりたいと
言う男だからなぁ(笑)。
しかも、言い出すと頑固(笑)。
これはえらい事になった(笑)。




