第三話 戦闘開始
トントン
再び玄関の戸が叩かれる。
「はいはい、今出ますよ」
そう言ってフレアはドアを開ける。そこにはアリスが立っていた。
「お前がフレアか?」
アリスが唐突に尋ねる。
「……人に名前を尋ねる時は自分から言うべきじゃなくて?」
そう言った後フレアは自分に殺気が向けられているのに気がついた。
「あらあら怒らせてしまったみたいね」
アリスは何も言わずに手を出した。そこからバチバチと音を立てながらアリスの身長ほどもある刀が現れる。そして大きく振り被った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
リビングに独り残されたレインは再び指輪に見入っていた。
(この指輪……何か感じる。
なんだろう?この感じ懐かしい……)
レインは何と無く人指し指に指輪をはめた。その瞬間指輪が光った。そしてレインの瞳から光が消える。
……ドクン
……ドクン
……ドクン
……オレハダレダ? オレ?
オレハレインダ
イヤ、チガウ オレノホントウノナマエハ……
その時玄関から轟音が鳴り響いた。
「あれ?俺はなにを?
それより今の音は?
それに魔力まで……」
レインは慌てて玄関に向かった。
そこには知らない少女の刀をフレアがシールドで防いでいるのが見えた。激しい攻防により玄関は既に原型を留めていない。
「フレアさん!!」
思わずレインは声をあげた。
アリスの視線がレインに向いた。
「アンタは!!」
アリスはレインを見た瞬間 叫んだ。
次の瞬間、フレアがアリスの腹部に手を当てた。
「破っ」
短い気合いと供に爆発が起きてアリスを吹っ飛ばした。
「フレアさん、これは一体!?」
「ん、ごめんね。
ちょっとあの娘を黙らせてくるから。ちょっとの間此処にいて」
そう言ってフレアはアリスが吹っ飛んでいった方に飛び出して行った。