Chapter 1未来錯誤 08傍観者
08 傍観者
森林の炎はほとんど消えている。
ブスブスと音を立てながら焼かれた木々が黒煙を撒き散らしていた。
マッドサンダーは直陸できるポイントを探していた。
時を戻し、
アルバート班と同様に
フェンス三兄弟も、南上空のVTOL隊を、補足していた。
「何が起こってやがる?」ガリィがつぶやいた。
「第一警戒ラインでお祭りが始まるようだ。それもどでかいやつが」
バリィが説明をした。
「無線を切ってるのか?がりぃ?
さっきから、航空部隊への緊急ミッションのオファーコードが鳴りっぱなしだぞ!」
ザビーも付け加えた。
バリィが
「かわいそうな奴らだ、VITOLが何機かかろうが、
ひとたまりも無いだろうよ、」
というと、ザビーも続いた。
「自分より強い奴を相手にしても、無駄な浪費に終わる。
痛い思いして何が楽しいのやら?」
バリィが
「もっとも、自分より弱い奴を相手に大げさな重火器で
立ち回るのも、無駄な浪費だがな、へへへへ」
「何が始まるって云うんだ?」
ガリィが答えを求めた。
「オファーコードを受信してみろ!」
二人の兄に一括された。
「わかたよ~、」
少しテンションをさげてガリィが返事をし操作ボタンをオンにした。
「なんだと~~、奴が来てるのか?・・・・・スカイジョ―が、」
しばらく、闇夜を見上げる3兄弟だった。
それは、土のくぼみに身を隠していた。アルバート班も同じだった。
やがて、周りの木々の間からミサイルだの対空機銃の砲火が上がり
一点をめがけて飛んで行った。
上空で爆発が起こり、闇の夜空に閃光がきらめき、森林を照らした。
すると、南側上空で待機していたVTOL隊が次々と右旋回してこちらに迫ってきた。
「始まりやがったぜ、」
「始まった。」
「動いた。」
フェンス三兄弟が口をそろえて叫んだ。
三機が先行して上空を通り過ぎた。
続いて後続機が
しばらくして
北の方の空で爆発が起こった。
すぐ続いて二回、間をおいてまた爆発が続いた。
爆発はどんどんこちらに戻ってくる。
突然アルバートが皆を促し走り出した。
「急げ、内環に向って走れ~!!巻き込まれるぞ~!」
と同時に少し北側の木々が真っ赤に燃えあがった。
そこで発生した火炎はアルバート班とフェンス3兄弟に迫ってきた。
アルバート班の隊員は皆間一髪ぎりぎりのところをのがれることができたが、
フェンス3兄弟のトータスは火炎にのみこまれていった。
「うわ~~っ」
「くそっ」
「ひひひ~~」フェンス3兄弟はまた口をそろえて各々違う言葉でさけんだ。
「野郎~~~っ!!」
ガリィのトータスが、火炎を振り払い西上空に向けロケット方の照準を合わせた。
「やめろガリィ、」ザビーが制止した。
「奴は、まだ防衛ライン外だし、下からの攻撃には無防備になっているはずだ。
今なら!」ガリィがザビーの制止を振り切ろうとした。
「噛みついてただで済むわけにはいかねえぞ!」
バリィが、怒鳴った。
「見てみろあれだけの航空部隊がもう半滅だ。」
その時またも、周りの木々の間からミサイルだの対空機銃の砲火が上がり
一点をめがけて飛んで行った。
そして次々と上空で爆発がおこり
待機していたヘリ部隊の何機かは、戦場から離脱を始めていった。
「全滅だぜ、あっというまじゃねえか?」
「あんな奴とまともにやりあわねえ方がいい・・・わかっただろ」
バリィがガリィを説得した。
「歩兵どもも何処かへ姿をくらました。
こっちはこっちで楽しもうじゃねえか、なあガリィ~」
「ああわかった。」不服そうにガリィが答えた。