Chapter 2反抗衛星 5悪魔の縄張り
05 悪魔の縄張り
「アーサーリーダーよりビューバロックブリッジへ」
「ソ・リアテック77式BHVT-01戦闘ヘリマッドサンダーを補足した。
タピオンベース方面に向かっている模様!」
「ビューバロックブリッジより、アーサー隊へ追尾撃墜しろ」
「了解、アーサー隊全機にて、追撃に当たり攻撃する。」
地上戦艦オージアスの応援に向かう地上戦艦ビューバロックの艦載機
バルファウムAV-31垂直離着陸機VTOLチェンバー10機によって
アーサー隊は編成されていた。
猛スピードで飛行していたマッドサンダーであったが、
すぐに彼らに後ろをとられてしまった。
「相手をする時間が無いんだよ!」
マッドサンダーのコクピットの中でジョーが唸った。
最接近したチェンバーよりホーミングミサイルが放たれた。
マッドサンダーは直前までミサイルを引きつけ
機体をくるりとローリングさせ、間一髪でこれを交わすと、追い越したホーミングミサイルをバルカン砲で撃墜した。
「さすが、スカイ・ジョーやるではないか」
とアーサーリーダー
また、3機がぴたりとマッドサンダーのけつに食いついた。
マッドサンダーは、後部錯乱ブイ発射口から、何かを射出した
やがてそれは細かく砂のように広がり
真後ろに付けていたチェンバー3機のジェットエンジンの吸気口に入り込むと、エンジンから火炎を吹き出し
チェンバー3機は黒煙を上げ墜落していった。
「磁気砂?!!」
アーサー隊は少し距離を置き残りの全機からホーミングミサイルを発射したが
マッドサンダーは間一髪のところで次々とかわしバルカン砲でミサイルを撃墜した。
「くそ、なんてやつだ・・・・」
アーサーリーダーがうなった。
マッドサンダーは、チェンバー7機を引き連れ攻撃をかわしながら、速度を変えず
地上戦艦オージアスにむかった。
飛行戦艦ルシファーのブリッジ
「タピオンベース上空のギディオン軍侵攻隊はほぼ制圧しました。」
司令官が答える
「残すは第一警戒ライン手前の地上戦艦オージアスと、周辺の航空部隊!」
「陸戦部隊も多数オージアスより出撃している模様です。
オージアス後方より、地上戦艦ビューバロック接近。」
「対地銃座準備します。」
「オージアス本艦主砲の最大効果距離に入りました。」
「ラウンドモービル隊、パワードスーツ隊射出しろ!」
「奴等は足が遅い、オージアス、ビューバロックを個別にたたく」
「主砲発射用意!目標地上戦艦オージアス前方」
司令官が立て続けに指示を出した。
ルシファーの両翼から伸びた大口径の方針が稼働しだすと一点をとらえぴたりと止まった。
「主砲標準ロック完了!!」
「発射!」
司令官の一声とともに、両翼の砲身から砲弾が一揆に放たれた。
「モンランム飛行戦艦が、主砲を発射しました。」
オージアスのオペレーターがあわてて叫んだ。
「何!面舵全速回避、多少の無理はかまわん速度を上げろ!」
艦長があわてて指示をした。
砲弾は少し左前方に着弾し木々と土砂を吹き飛ばした。
ルシファー艦内
「オージアス面舵回避しました。」
「ひるみおったな、思うつぼだ、無様に腹をされけだしたな、」
「主砲オージアス左側面に集中砲火を浴びせろ!」
ルシファー司令官が不敵に笑いながら指示を下した。
ドンドンと大きな音を立てて主砲が連続で発射される。
オージアスオペレーターがあわてて報告した。
「直撃、来ます!!」
ズドーーーン大きな音を立てて一発がオージアスの左舷に命中し爆発した。
「取舵!体勢を立て直し、全速後進しろ敵艦射程外に離脱する。
被害状況を報告しろ!!」
「補給の完了した航空部隊は随時発進、近距離から飛行戦艦にミサイルをたたきこめ!」
艦長が叫んだ。
木々と土砂を掻き揚げ、オージアスが大きく後進を始めた。
ルシファーの司令官が叫んだ。
「オージアスを主砲の最大効果圏内に捉えたまま追撃する。微速前進!!」
飛行戦艦の移動速度は地上戦艦の移動速度をはるかに上回っているのはいうまでもない、
ルシファーが移動を開始するとその間の距離はすぐ縮まり、
ルシファーの主砲の最大効果圏内に捉え発砲を繰り返した
「艦長!だめです。追撃してきています。引き離せれません。」
オペレーターが艦長に指示を仰いだ。
「我が艦の主砲と比べると破壊力の桁が違いすぎる
直撃が繰り返されれば致命傷になる。」
艦長が呻いた。
ゴーっと大きく艦内が揺れた。
「艦首甲板に着弾、1~3番ミサイル射出口損傷!」
「距離縮んでます。速度が違いすぎます。逃げきれません!」
補給を済ましたバルファウムAV-31垂直離着陸機VTOLチェンバーの機体が被弾し続けるオージアスから離陸すると一気に高度をあげた。
上空から振り返りオージアスを見降ろすと、流線型をした甲板上を容赦なくルシファーの主砲砲弾が襲っていた。