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SKY-JOE story   作者: hms
Chapter 1未来錯誤
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Chapter 1未来錯誤 01 ジョー・クレンナ

01  ジョークレンナ


惑星一の大陸“ネポアル”

そのほぼ中心に”コ・モンランム”の本社は巨大な都市を形成していた。

5000m級の独立峯“キールマムジュル山”山頂から軌道エレベーターが衛星軌道上まで伸びており

その山肌に沿って建てられた超巨大な建造物を中心に

放射線状に広がる都市の直径は160kmに及んでいた。

軌道エレベーターが巨大な都市の勇姿に花を添えていることから

宇宙開発の産業も積極的に行われていることが伺える。

”首都レジアス(王)シティ”コ・モンランム最大のヒット商品と同じ名前である。

軌道エレベーターのある中心から35km80Km地点に環状鉄道と環状高速道路が走っており

東西南北さらにその中間8個所、計16か所に

都市内輪、外郭警備を担う、モンランム軍の巨大ベースが点在していることから。

別名”鉄壁レジアス”とも呼ばれている。

各ベースには陸空軍が常駐されており、内輪のベースは都市の防衛警備、

外郭のベースは都市の防衛、軍事戦略の拠点になっている。。


都市の東方外郭に位置する”ヘリオス・ベース”

都市の中心部では、雨が降っているもようだが

この基地の周辺は青空に囲まれていた。


陸軍所属の歩兵部隊を輸送するヘリが、15台の対地用装備を施した戦闘ヘリを護衛にともない

ヘリオスベースより飛び立っていく

大型ローターを上部に2機かまえた輸送ヘリは、そのおおきな陰を地表に落とし速度を上げていった。

その下の砂漠に延びるレジアス放射状3号線へつながる道をその下一台の大型トレーラーが走っていた。

大型トレーラーはヘリオスベースの手前でいったん停車すると、

入門の審査をクリアして基地の中に入っていった。


運転席の後ろにキャンピングルームを兼ね備え荷台に巨大なカーゴルームを施した全長25mのトレーラーを運転しているのは

10代半ばの栗色の長い髪の美しい少女であった。

少し小柄な彼女がツナギ姿でこの大きなトレーラーを運転しているのはとても不思議な光景であった。

「お父さん、パスしたわよ、もうすぐセンターにつくから」

と、キャンピングルームに向かって話しかけた。

奥からは、・・・・返事がない、毎度のことのようだ。

少女は返事の催促をしたりはしなかった。


ルーム内で、お父さんと呼ばれた男が、TV電話で誰かと会話をしていた。


「いや~、もったいないもったいない、

何度も言うようだがね。君ほどの男とそのマシンがあれば、

モンランム軍専属料をはるかにしのぐ報酬をどこでも払ってくれるんだ。

いや~、もったいないな~、そうは思わんか?、ジョー?」

“ジョー”栗色の長い髪の美しい少女がお父さんと呼んだ男の名前だ。

「こちらも何度も言ってる。金には不自由してない

よしみで話は聞いているがオズ、お前でなければ、・・・」


「そうそう、この敏腕プローモーターの俺でなければこんな話もってこれないって」

TV画面の面長で両の目が少し釣りあがった男、

オズがジョーの言葉に割り込んだ

「幾つの会社から依頼が来てるとおもう?、数え切れないぜ」

「みんな、お前を、雇いたがってる。大きいところからいくと、ギディオン重工、フジ工芸、ロッキー重機、ラフラックス重工、ハヤブサCOM、メンタル、ハイソーサー、プースト、ピュアアイランド

、ははははは、」

オズが言葉の最後で鼻で笑い、皮肉っぽくこう付け加えた。

「みんな“モンライム”と、やりあってるやつばかりじゃね~か~」


「ピュアアイランドなんて聞いたことないぞ」とジョーが口を開く


「うぬ、確かに聞き覚えはないが依頼が来てるから・・・・、あ~どこかの子会社かもしんね~が」

オズが首をかしげながら手元のノートパソコンをのぞきこんだ。

「こいつあ~、驚いた、ピュアアイランドって会社、交渉に応じなければジョーの首に賞金を掛けるとよ。」

「なに様だ~こいつは、期限まで切ってきやがってる。」



「お父さん、センター」

運転席から声がした。

トレーラーがヘリオス基地の中心部、管理管制センターについたようだ。


「悪いオズ、お前の冗談はいつも楽しいよ、用事だ、またな!」


「あ~、しばらくわしもレジアスでうろちょろしている、用があったら声をかけて・・!」プッツン


オズの会話の途中でジョーは回線を切り、立ち上がった。

ロマンスグレーのオールバック、口髭、視線を他人に感じ取られないように掛けたサングラス

ジョーの風貌はまさにダンディーのオンパレードだ。

「クレア、留守番だ!“マッドサンダー”の調整を頼む」


栗色の長い髪の美しい少女はジョーの娘でクレアという名である。

「エ~、基地についたら買い物に行っていいって言ったじゃない。」

返事もなく、ジョーは外に出て行った

クレアは、毎度のことと飽きれていた。

「返事くらいしなさいよ~、もぅ」

反論もむなしかった。


先ほどまでジョーがオズと電話で会話していた部屋で電話が鳴った。

クレアは腹を立てているのか電話を無視している。

やがて電話が留守録に切り替わった。

TV電話のモニターに、めがねを掛けた細身の中年男性が映し出された。

モニターの左下側で”REC”マークが点滅しだすと

男は話始めた。

「久しぶりだなジョー、ウォーレンだ。」

“ウオーレン・ギルモン”とモニターの下に相手の名称と電話アドレスが表示されている。

「少し、相談に乗ってもらいたいことがあって連絡したのだが、・・・・・

レジアスにくることがあったら、キルメス研究所によってくれないか?

・・・」


聞き耳をたてていたクレアだったが

急ぎの用事ではなさそうなので、父親の命令を無視して買い物に


出かけることにした。

ヘリオスベースの周りにはショッピングで有名なモール街が数多く軒を並べている

多分、そう長くはないであろう滞在時間に、父親の言いつけを守れる余裕など

クレアにはなかった。

ツナギから薄でのブラウスに着替え軽く化粧を済ませると、

トレーラー運転席後部のハッチから取り出した電気スクーターにまたがって

トレーラーが入ってきた道路と反対方向へ猛スピードで消えていった。


ジョーの大型トレーラーの両横には

各々の自慢の武器を携えて、ヘリオスベースに就職活動にきた、傭兵達の

何台もの大型トレーラーがずらりと並んでいた。

傭兵ソルジャーの種類にも色々あり

企業の専属になる者

作戦ごとに報酬を受取る者、

管理管制センター前に並んだトレーラーの持ち主達のように

自前の武器持参で高額報酬を受け取る物

体のみの参加で、生活の糧程の報酬を得るもの

各々が資産レベルによって

戦場規模、報酬を選び、企業側の審査が行われ

それをパスすると雇用契約が結ばれるのであった。



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