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SKY-JOE story   作者: hms
Chapter 2反抗衛星
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Chapter 2反抗衛星 3飛来した悪魔

03飛来した悪魔


「なんで俺たちがこんな所に入んなきゃならね~ンだよ!!」

マグワが大きな声で怒鳴った。


マグワとガイルは地上戦艦オージアスの捕虜収容房に入れられていた。

「少しの間の辛抱だ、お前たちのIDを調査している」

警備兵がそう言った。


ガイルがマグワの耳元で囁いた。

「奴も、この房の、何処かにいるんじゃないのか?」


房の窓からマグワが警備兵に問いかけだす。

「よう、俺たちがこの艦に着艦するとき

一緒に着艦したヘリに怪我人がいたが、あいつはモンランムのやつか?」

この房にもいるんじゃねえか!?」

マグワが嫌味を言うようにそれとなく、ノーバディの所在を探った。


「応急手当てを済ましてそこに入る予定さ!」

と右斜向かいの部屋に向けて首を振った。


「やっぱり、捕虜と同じ扱いか!

作戦参加志望者と敵兵と同じ扱いするとは、ギディオン軍のマナーも落ちたってもんだ!」

へっ!やってらんねぇぜ!」

右足で大きく壁を蹴って、不服そうな言葉を吐き捨てたが

『締めた!ノーバディーが向かいの部屋に入るチャンスが増えた』

と心の中でつぶやいた。


「ビュオー、ビュオオオオオー!!ビュオー、ビュオオオオオー!!」

突然!!艦内警報が鳴り響き

「敵艦高速接近、敵艦高速接近!」

艦内放送が流れた。

「モンランム軍飛行戦艦接近!!!」

「総員第一級戦闘配備に付け!」

「繰り返す、モンランム飛行戦艦接近!!!」

「総員第一級戦闘配備に付け!」


「飛行戦艦?」ガイルがつぶやいた。


「ギディオンもモンランムも大きく出やがる。消耗大バーゲンときたかあ~?」

マグワが馬鹿にしたように言った。


「近隣の“コ・モンランム”軍ベースに配備されている飛行戦艦が

こんなに早くしかも突然にここまで来れるわけがねえ!」

とガイルがいった。

ガイルはかなりの勉強家で取得している情報量はマグワをしのいでいた。


「と、いうと・・・・?」マグワが

「ただの飛行戦艦じゃないと・・・・いうことは分かるが、そいつがどうしたっていうんだい?」

とガイルに質問した。


「ああ、おそらく衛星軌道上からの特殊工作艦!

・・・悪魔の迷宮から降りてきた。三匹の悪魔の一匹!!」

ガイルが答えた。


「うお~、すげ~怖い、でも今一、ピンとこない?」

マグワ


「この、そうとう艦やばいってことだよ!」

ガイルがそういうとマグワはゴクリと唾を呑んだ。




マッドサンダーが闇夜を高速飛行で地上戦艦オージアスに向け飛んでいた。

マグワ達はオージアスに着艦する前に、オズに暗号を送り自分達のオファー履歴などを消去していたのである。

ジョーは、ノーバディー・コロイド(ロブ・キンスキン)がかなりの重傷状態で

オージアス艦内にいることを認識していた。

モニターに地上戦艦オージアスのデータを表示させるが

最新型なゆえ、全ての情報が正確に伝わってはこなかった。




地上戦艦オージアスブリッジ

オペレーターが報告した。

「モンランム軍飛行戦艦

前方タピオンベース上空にて停止しました。」


オージアス艦長が

「到着が早すぎる。どこのベースからやってきたのか?」


「周辺の各基地からの出撃報告はわが軍の偵察隊からも報告をうけてはいません」

「艦載機を多数射出しています。」

「半数はこちら半数はタピオンベースでわが軍の攻撃部隊と交戦にはいりました。」

何人かのオペレーターの声が飛び交った。


「飛行戦艦よりミサイル接近!多数です。」

艦長があわてて指示を出す。

「本艦も飛行戦艦に向けミサイルを発射しろ!

ミサイル迎撃用多弾頭ミサイル発射!対空銃座掃射、

上部甲板主力砲座、1~6番全砲門、飛行戦艦に照準合わせ!」



流線型の甲板上からせり上がったミサイル砲座が次々とミサイルを発射させていった。

単針の50インチ主力砲座が、照準合わせのため細かい動作を繰り返した。

「1~6番砲座飛行戦艦に照準ロック完了!」


艦長が指示を発した。

「砲撃!うちまくれ!」


ドンドンと大きな音を立てて主力砲座が発砲される!


先に発射された迎撃用のタピオンベース弾頭ミサイルが目的地点で弾頭を細かく散開させた。

飛行戦艦から放たれたミサイルはことごとくその散弾に撃墜され

闇夜に無数の丸い爆発が起こった。


「西方配備中の地上戦艦隊は状況は?」

艦長がオペレーターに訪ねた。


「にらみ合いの状態が続いており、大きな動きはないようです。」


「一隻を此方に応援に向かわせろ!艦載機を先行で応援に来させるんだ。」


「砲弾幕、敵艦正面で消滅、

近距離用の音波シールド弾で消滅させてる模様です。」


艦長が叫んだ。

「砲撃を繰り返せ、隙をねらえ、なければ作るんだ。」

「全砲門で対応しろ!」


すぅっと、艦長の脇に一人の男が立ち艦長の耳元でささやいた。


「なに?グローリアーナの野獣だと、・・・・

・・・特Aソルジャー、ロブ・キンスキン!」

艦長が驚いたように振り返った。


「間違いありません!」


「3,4年前に消息を絶っていたはずでは?

参謀長!」


参謀長と呼ばれた男が続けた。

「記憶障害を起こしているようで、

モンランム軍の低レベルソルジャーとして作戦行動をしていたようです。」


「そうか、では、やはり捕虜ということになるな!」


「しかし今現在は、その記憶も失っているようでして、

グローリアーナの攻防の作戦直前だと、本人は思い込んでおります。」


「治療が必要か?」

艦長が少し気の毒に思いそういった。


参謀長がうつむいていた顔を上げ艦長をみつめていった。

「今の記憶状態のまま本作戦に、導入できないかと・・・・・?」


艦長は振り向き本気か?といった表情で

参謀長を見据えた。


「たとえば、グローリアーナの野獣の動員された白兵戦であれば

パルスレーザーコントロール施設を無傷で制圧することなど容易いのではないかと、」


艦長の顔色が変わった。

「可能なのか?負傷しているとも聞いている。」


「治療は完了しています。軽傷とは言えませんが、薬が効いて落ち着いています。

もう少し、薬で散らすことも可能ですし・・・」

「目の前の飛行戦艦を相手に直接攻略は時間がかかるかと、

ちょうど良く、運び屋をやってくれそうな輩も現れましたし、失敗してもリスクは陸戦部隊一個小隊程度です。」

「もちろん、成功してくれることを望んでいますが・・」


「どうせ、最初から無かった駒という訳か、」

艦長がそういうと

「オペレーター、先ほどのフリーソルジャー二名にオファーだ、強制エントリーさせろ!」


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