知恵の輪
「おまたせ! つれてきたよ」
と、ハナの声に僕は喜び、カナさんは、椅子の上のある物を手に取り、
背中へ急いで隠していた。
ミキさん、ナミさん、ハナの3人は、
僕らの方へと近づく、ミキさん、ナミさん、ハナの3人は、
手を繋ぎ前後に揺らしている。
「ナミ退院おめでとう! はい、皆からだよ」と、
カナさんは後ろに隠していた花束を手渡した。
「えっ、これ、わたしに? ほんとに貰っても良いの? とっても嬉しい、ありがとう」と、
ナミさんは花束を抱き締めながら皆に笑顔を振りまく。
こんな笑顔を見せられたら、男なら1発でKOされそうだ。
「みんな、本当にありがとう。それと、心配かけてごめんなさい」
と頭を下げる瞬間、僕の存在に気がつく。でも最後まできちんと頭を下げていた。
そして顔を上げる途中から、すでに僕を見ていたような気がする。
「あれ、健児くん来てくれてたんだ? でも、
誰が呼んでくれたの? カナじゃないだろうし、ミキでのないだろうし・・・そっか、
ハナだ、ハナが呼んでくれたんだね?」と、
少し嬉しそうに見えているのは、僕の気のせいだろうか?
「こんな奴、呼ばない方が良かったかな?」と、ナミさんに言いながら、
僕をチラ見するのは止めて欲しい。大勢の前では、
「どういうことやねん!」なんて、突っ込めないから・・・。
「ううん、そんなこと無いよ。呼んでくれてありがとね」というと、
ハナに微笑みかけているから、ハナは照れくさそうにしていた。
「健児くん、来てくれてありがとう」と、僕へ向けて右手を差し出している。
ナミさんは間違えなく、僕へ握手を求めている。
思いっきり、デジャビュ? ナミさんと初めましての光景を思い出す。
もちろん、そんな事を思い出さなくても、僕は握手に応じていただろう。
握手に慣れていないぎこちない右手を伸ばす。
そして重なる掌。ギュッ!思いの外というか、握力測定とまでは行かないまでも、
案外強めに握ってくるので驚く。
「い、痛いです?」という僕は小さな声をはきだしていた。
ナミさんは何処か怒っているようでいて、
申し訳なさそうな表情を浮かべているように見えるけど、
何処か笑っているようにも感じられた。
とても複雑な表情というか、数秒間のうちに、
ナミさんの喜怒哀楽の表情が見れたような気がした。
でも、ナミさんには、やっぱり笑顔が1番似合っている。
この場合は、似合っていた。と、言った方が正解だろう。
僕も微笑まずにはいられなかったのだから。
「ちょいと、厠に行ってくる」と、ミキが席を立つと、
そのまま片手を上げながら、
「ちょいと、ごめんよごめんよ」と、おじさんの様な格好で、
僕らの前を通り抜ける。そして少し時間が経ってからハナが質問する。
「ねぇ、カナ。厠って、なんのこと?」
「ん? あぁ、今で言うトイレの事だよ。最近ミキは時代劇小説に嵌てるんだって。
変わってんでしょ?」と、カナさんは僕にも同意を求めているようだったので、
僕は軽く頷くことにしておくことにした。
「ふ~ん、時代劇ねぇ・・・」と、首を傾げる表情を見せるハナは可愛いと思った。
でも、数秒後には、
「皆のもの、拙者は喉を潤したいぞ。あぁもう我慢ならぬわ」
と、変わるといいうか、変わり果てていた。
ウザさ100%のハナに・・・。
「じゃ、一緒に買いに行こうか?」と、僕が言う前に、
カナさんが名乗りを上げるが、
「いや、1人で大丈夫じゃ。あぁ大丈夫だ、案ずるには及ばない。
貴殿の分も買ってくるから待っていなされ。
おっと、そうじゃそうじゃ、帰りが寂しゅうなるのでのう・・・
健児氏でも借りて行こうかの」と、僕の手を掴み取り立ち上がろうとした。
僕はハナを見上げる。でもハナは首で立ち上がるように指図するから、
ハァ・・・。なんて、心の中ではき出しながら、仕方なく立ち上がる事にした。
すると、ハナは僕の背中に手を回し僕の事を押し始める。
「さぁ、健児氏、いざ行かん」
「ハナ殿、よしてくだされ、やめてくだされ」と、僕はふざけている。
ハナの遊びに付き合うという口実を作り出す。僕の視界には誰も入ってこないけど、
ハナから背中を押されていく感触を感じながら、
茶店に連れて行かれる行程を楽しんでいた。
私はロビーでカナと2人きりになると、
「ねぇ、ナミ。ちょっと、聞いて良い?」
「どうぞ」
「健児くんと、握手した意味を教えて」
「そうだね・・・愛と友情が、天秤の上で揺れていたわけですよ。分かる?」
「う〜ん、少し分かりにくいけど、何となく分かるような気がするから続けて下さい」
「でもね、重さが変わらない訳ですよ。だから悩んだんですけどね・・・1日だけだけど」
「一日! ごめんごめん、まぁそうだよね、あれから1日しか経ってないからね、ごめん続けて下さい」
「私の中で区切りが付いたのは、病室での出来事なんだけど、これはカナでも言えないわゴメンね」
「うん、大丈夫。でも、何か衝撃的な事があったんだろうね」と、カナは何度も頷いていた。
「なので、あの握手は予行練習なんですよ?」
「なんですと!! 」
「ふふっ、今日、私、告白するんだよ」
「えっ?・・・・・・いやいやいやいや」
「良いの良いの、もう決めたんだから」
「そう・・・分かった。もう何も言わないし、
もしかしたら応援も出来ないかも知れないけど、良い?」
「当たり前じゃない。応援なんてされたら私が困るもん。
これが済まないと、次に進めないと思うから」
「よし、がんばれ!」と、カナは私の肩を掴むと揺らした。
「ほら、私って、結構カワイイでしょ?」
「普通そんなこと、自分で言うか?」
「ふふっ、だから、私だけに優しい人を探すんだ。
私だけを見ていてくれる素敵な男性と出会っちゃうんだから」
と私の視線は、仲良く売店へ向かう2人の姿を追っていた。
「ほらほら、強がらない。可愛い顔が台無しだぞ」と、
「洗って、返しなよ」と、私の掌に、ハンカチを握らせてくれた。
「よく我慢したね、よく頑張ったね。でも最後は、自分の気持ちに、
ケジメを付けるんだよね?」と、優しく体を抱きしめてくれた。
「うん・・・・・・」私が返事をすると、優しく背中を撫でてくれた。
「おまたせ」とミキはトイレから戻ってくると、私の隣に腰を下ろした。
「なに、いちゃついてんだ?」と、座った筈なのに、また立ち上がると、
私たちの間に、体を無理矢理、入り込ませてきた。
「ねぇねぇ、退院祝い、やろっか?」と、カナの肩に手を回し、
「ねぇねぇ、女の友情に、乾杯と行きますか?」と、私の肩に手を回して、
私達の顔を交互に見ながら微笑みかけていた。
「ねぇ、ねぇ、良いこと、思いついたんだけど・・・」
と、カナは、私達の肩に力を入れると、近くに寄せようとしている。
仕方な耳を近づけると、とある計画の内容を打ち明けるから吃驚した。
「もう少し、困らせようよ」と、喜ぶミキに対して、
素直に喜べない私は、ちょっと可哀相だよ。と言ったけど、
よく考えてみると、可哀相というよりかは、
ちょっと、楽しいかも?と、気持ちが変わっていた。
こんな計画が練られていた事なんて、これっぽっちも、
知らないだろう2人が近づいてくる。
2人は寄り添い、楽しそうに笑っている姿を見ていたら、
イライラが募ってきた。
「あぁ、もう。イライラする」と、ミキが椅子を叩いていたから驚いた。
「くぅ、勘弁して欲しいよね、見せびらかして」と、カナは膝を叩いている。
「ほんとだよ、ムカつく」と、私が思いっきり椅子を叩くと、
2人が驚いた顔で私の顔を覗き込んでいる事が、見なくても伝わってくる。
3人は微笑みと気持ちは繋がり、3人が頷くと思いは1つになる。
意気揚々と立ち上がる3人の表情は晴れやか。
少しはにかみながら、今日の獲物目掛けて標準を合わせロックオン。
私は守られながら歩いている。逃げられないよう両端から挟まれながら歩いている。
捕獲された宇宙人って、こんな感じなのかな?
私は急かされながら歩いている。極端に言葉数が少ない2人からの
プレッシャーは、半端なかった。遂に我慢出来なくなった二人から、
肘で突かれ催促されていた。
そう、作戦実行への狼煙というか、一応作戦実行へ移された。
喉が渇いたら、戦は出来ぬ。と、合い言葉を教えて貰ったとき、
腹が減っては戦が出来ぬ。じゃないの? なんて、突っ込む者はいなかった。
もちろん、こんな台詞を考えたのは、只今時代劇小説に嵌まっているミキである事は言うまでも無い。
「ふぅ、さっき飲んだばかりなのに、喉が乾いたな・・・」
「もう、時代背景が崩壊してんじゃんか・・・」と、
ミキから少し涙目で突っ込みをされ、1人の援護射撃を失うが、
「じゃさ、どこかへ入ろうよ」と、見事なカナからの援護射撃にたいして、
「あそこの茶屋が、お勧めじゃ」と、涙目だった筈のミキは、
近くのコーヒーショップを指指した。
ハナを加えて4人になった女の子達は、肩を組んで楽しそうに店の中へと入って行く。
その後ろ姿を追いかけるようにして中へ入る。
最初に注文しているのは、カナさんだった。
僕は遠目から何があるのかメニューを眺めていたら、
視線を感じるので確かめてみると僕の方を、カナさんが見ていた。いや、見ていなかった。
僕の気のせいかもしれない。しかし、次は店員さんの視線を浴びていたので、
「えっ、何でしょうか?」と、聞いてみるが、
「あっ、いえ、何でもありません」と、僕から視線を外す。
でも店員の目には、何処か気の毒そうな視線を投げかけてくれたような気がした。
まぁ、これも僕の思い違いだと思うけど。
そんな思いのなか、カナさんが頭を下げたような気がしたから僕も一応お辞儀を返す。
すると、何事も無かったように注文を終えたカナさんは、
「じゃ、先に行って、席を取っておくから」と、
ナミさんと楽しそうにハイタッチを交わすと、
「じゃ、健児そういう事だから、後はヨロシク」
僕に目配せをする。そして僕が何か言おうとする前に、
席へと歩いて行く姿に、言葉は出ずじまいになってしまった。
まさか、カナさんの口から、
「君がまいた種だから、仕方ないよね」なんて囁かれていたなんて、
思いもしなかった。
そんな思いに耽っていると、
「健児くん、あとはヨロシクね」と、ミキさんから、
可愛い声で言われて、微笑みかけているから、
「はい、わかりました」と、調子に乗って、答えてしまっていた。
「江戸時代なら切腹もんだよ」なんて呟かれていた事を知りもしないで・・・。
私はドキドキしていた。遂に私の順番が回ってきたから。
ここで健児に見つかると、今までの作戦が台無しになる。
そう思うと、何を注文したのかも、覚えてなかったけど、
なんとか無事に注文を終わる事が出来て、少し心に余裕が生まれた。
だから私は、こっそり健児くんの今の状況を確認してみる。
案の定、健児くんはハナと会話を楽しんでいた。
私の視線になんて、気づくわけ無いと思っていたら、
「僕の顔に、何か付いていますか?」と、言われて吃驚して
シドロモドロになってしまっていた。
「えっと、えっと、仲良くて羨ましいなぁ。なんて思って」
「ぷっ・・・・・・有り得ない、有り得ない」と、
ハナは笑っている。
「有り得ないって何だよ!」と怒っているのか笑っているのか、
喜んでいるのか分からない健児くんに、
「後はヨロシク・・・」と、焼き餅なんて無いはずなのに、
小さな声でしか言えなかった。この事が少しショックを受けた。
何となく折角の作戦が失敗したような感覚に陥る。
「ナミ、大丈夫だよ。ちゃんと出来てるよ」なんて、
小さな声が聞こえてきた。
私は顔を上げてみると、笑っている2人の姿が見えた。
手招きしている2人が待っていた。
その2人の口から、
「退院おめでとう」と、言ってくれたので私はとても嬉しかった。
やっと、僕に順番が回ってきたので何にしょうか、メニューを見て迷っていると、
店員さんから、ありえない事を言われて正直驚いていた。
「前の3人分の支払いも御一緒だそうですけど、よろしいですか?」
僕は数秒間の間、店員が何を言っているのか分からなかった。
「は、はい?・・・あっ、はい。大丈夫です。払います」と承諾すると、
僕は3人の姿を必死に探していると、
嬉しそうにコーヒーカップを持ち上げる姿を見つけた。
その3人組は僕に笑いかけている。
「ぐはっ、やられたね」
「ほんと、やられちゃったよ」
と、良いながら僕は財布の中身を確認していた。
「大丈夫、お金足りそう?」と、後ろから小さな声に振り返る。
ハナが心配そうに僕を、とういうか、財布の中身を確認するように覗き込んでいた。
「あぁ、大丈夫、大丈夫」と、僕は財布を閉じた。
もちろん財布の中身を見られて恥ずかしい。という気持ちもあったけど、
僕の事を心配してくれるハナの事を心配しないで良いんだよ。
そう言って、ギュっと抱きしめて上げたい。
そう思っていた。
ハナが注文しているから、僕は財布を取り出し支払いの準備をする。
「自分で払いますから」と、楽しそうに店員に話しかけていた。
「いいよ、いいよ。序でだから、僕が払うよ」と、財布に開けると腕を捕まれた。
「良いってば。無理してるの分かるから、少しも嬉しくないんだぞ」と、言い終わりと、
僕の事を見上げている、ハナの頬は膨らんでいた。
だから、やばいなぁ・・・怒らせちゃったかな・・・。そう思っていると、
「まぁ、今度、食事にでも連れて行ってよ」と、僕の腕を解放しながら笑ってくれるから、
「高級店だけは、止めて下さいね」と、ハナに向かって拝む事が出来た。
「さて、どうしようかな?」と首を傾げているから、とても可愛くみえた。
と、いうか、優しくて思いやりが有って、ほんとに可愛かった。
私は、遠目から2人を見ていた。楽しそうな様子は分かるけど、
流石に会話までは届くことは無い。でも、1つだけ言えることは、
遠めからでも会話を楽しんでいる姿は分かるという事実。
そんな光景を目にすると、羨ましくも思った。けど、
それ以上の感情は出てこなかった。何でだろう? 吹っ切れたからかな?
そんな事を考えていると、注文を終えた2人が、こちらへと歩いてくる。
私が見ているから、当然、健児くんと目が合う。
健児くんは、軽く会釈をすると、微笑みかけてくれた。
だから、私は自然と右手を差し出すことが出来た。
少し困惑した表情を見せている。
そりゃぁそうだ・・・。今日2回目だもん。
少し躊躇していた健児くんだったけど、ゆっくりと優しく包み込むように握手してくれた。
「ごめんね、健児くん。それと、ごちそうさま」
「あっ、いえいえ、どういたしまして」
「ねぇねぇ、健児くんって、彼氏いるの?」
「えっと・・・・・・」と、少し考えてから後ろを振り返る。
もちろん後ろにはハナがいる。私はハナの表情を伺っている。
少し顔を赤らめながら小さく頷くのが見えたから、
私は健児くんの掌から別れを告げた。
「はい、付き合っています」と、少し照れている健児くんに、
「そっか、ちょっと、残念だなぁ・・・」
玉砕しちゃって、変な形というか、変な感じになったけど、
一応、告白する事が出来たので良かったと思う。
皆の前で泣いちゃったらどうしよう。なんて考えていたけど、
涙が出ることは無かった。だけど、
「よく頑張ったね」と、横から抱きしめてくる者のせいで、
私は泣かされそうになっている。
1人で頷きながら、私の頭を撫でてくれるのは友達のカナ・・・。
これが今日1番の収穫かも知れない。良いものが収穫できて嬉しくて泣きそうになった。
それでも、私は頑張ってカナに笑いかけた。
それと、もう1人にも笑いかけた。
ありがとう、ごめんなさい。と、最後にして、最高の微笑みを贈れたと思う。
けれど、健児くんは、私の事を見てなかった。
私の笑っている顔を見ていなかった。でも良いの。これで良いの。
見ていないから、私は微笑むことが出来たのだと思うから。
僕は袖を引っ張られていた。だから僕は後ろを振り返っていた。
ハナは頬を赤く染め、僕の袖を握っていた。でも、僕の事を見ていなかった。
意図的に視線を逸らしているように・・・。
ハナが僕の袖を掴んでいた指に力が入ったのを感じ取る。
握るから握りしめるに変わっていった。
そっぽを向いているとはいえ、表情を伺う限り、怒っているわけでは決してないと思う。
僕が余りにもハナの事を見ているからなのか、
頬を少し膨らませ、僕を睨んできた。上目遣いで睨んでいる。
さほど怒っていないようなのでホッとした。というよりドキドキしていた。
ハナの瞳はキラキラと輝いていて、
「ハナ、えっと・・・・・・」僕が何か言おうとすると、
僕の腕?といえばいいのか、肘と言えば良いのか何かが触れた。
だから僕はとっさに防御態勢を取る。
肘を守れば良いのか、それとも庇えば良いのか、
取りあえず腕全体を体に寄せ密着させた。
それでも、その隙間に入り込もうとしてくる。
ほんのりと温かい物が、無理やりに、こじ開けるようと隙間に侵入してこようとするから驚いた。
何度も驚いた。触れたのではなく、触られる感覚だから・・・。
間違えなくハナの指先気が、僕の腕に絡んでくる。
僕は驚きを通り越し、心臓は鼓動を加速させられる。
僕の指先に触れたのがハナの指先だという事に気づく。
だから僕も指先を探す。
そして指先同士が触れる感覚が、指先の神経を伝わり脳細胞を活発にさせた。
見つけた。やっと見つけた。僕はそう思うと、
ハナの指の股に自分の指先を滑り込ませた。そして交わらせようと試みる。
ふぅ・・・。何とか指の付け根まで滑り込ませただけで、一応満足というか、
安堵して一息つく。次の行動に移すまで、
暫しの休憩が必要なのだ・・・まだまだ駆け出し中の戦士だから。
後は、ハナの手の甲を優しく包み込めば完了。
あれ? なんで? 噓でしょ・・・。僕の手の甲に、
暖かみを感じた。とても温かい物で優しく包み込まれた。
僕らの意思は一致したんだ。
そう思うと、後は指を、そっと重ねるだけでよかった。
僕ら以外では外す事が出来ない知恵の輪が完成する。
僕らは視線を交える。少し恥じらうような視線を送ってくる彼女を
見て思っていた。これからも、彼女に魅了されていくのだろうな。
そんな思いが、微笑みを生みだす。
こんな思いが、微笑まずにはいられなかった。
そして、ふと、僕は思い違いをしていたのかも知れない。
大きな勘違いをしていたのかも知れない。そう思っていた。
もしかして、あの遣り取りのお陰で、付き合う事が出来たのかも知れない。
そう思うと、自然に、こんな言葉が浮かんできた。
ありがとう、ナミさん。
そして忘れていたことに気がついた。後で忘れないように、
退院おめでとうございます。と言わなきゃ。
でもその前に、感謝を気持ちを会釈にて行う。
to be continues...