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政治病(ポリティカルシンドローム)  作者: カトーSOS


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若い政治家の理念は美しい

挿絵(By みてみん)


さとうさおりさんの動画を長く見ている。きっかけはYouTubeだった。最初に感じたのは、発信の勢いだった。ずいぶん強い言葉で物事を言う人だな、という印象である。しかも話の内容が感情ではなく、数字を伴っている。税金、予算、会計。お金の流れの話だ。なるほど、公認会計士なのか、とそこで納得した。


公認会計士という職業は、思想とはあまり関係がない。仕事はあくまで数字を見ることであり、制度が正しく動いているかどうかを確認することにある。ルールがあり、そのルールに照らして数字を整理する。正しいか、間違っているか。それを判断する専門家だ。だから政治的思想が強くなくても不思議ではない。むしろそれが普通なのかもしれない。


動画を見ていて感じるのは、間違っているものを間違っていると言う姿勢である。これはとても大切なことだ。行政の予算や税金の使い方には、どうしても慣習や惰性が入り込む。そこに数字をもって指摘する人が現れることは、社会にとって決して悪いことではない。むしろ必要な役割だと思う。


ただ、政治というものは少し厄介だ。正しいことを言うだけでは動かない世界でもある。政治には政治力が必要になる。議会は数の世界であり、仲間がいなければ物事は進まない。どれほど民意があっても、どれほど正論でも、孤高のままでは制度は動かない。民意は原動力にはなるが、それだけでは政治力にはならないのである。


政治力とは何かといえば、仲間を作る力だろう。同じ方向を向く人たちを集め、議会の中で動かす力である。これは理念とは少し違う能力だ。人は、耳の痛いことを言う相手を避ける傾向がある。正義の人ほど孤立しやすいというのは、政治の世界ではよくある話だ。


だからこそ、さとうさおりさんはまだ未知数だと思っている。発信力はある。専門知識もある。民意も一定程度あるだろう。しかし政治家としての本当の評価は、これから先に決まる。仲間を作れるのか。議会の中で政治力を身につけられるのか。そこが分岐点になる。


いま人々が求めているのは、政治力だと思う。馬力のあるエンジンのように、制度を実際に動かしていく力である。理念や正義は燃料になる。だがエンジンがなければ車は走らない。


若い政治家の理念は、美しい。だからこそ、その理念が空回りせず、現実の政治を動かす力へと育っていくことを期待したい。政治は長い仕事である。さとうさおりさんのこれからの歩みを、静かに見ていきたいと思う。

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