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元服式

五年大戦が終わった。大概の(ケガレ)は祓い終わっての終結であった。

次は、アカメの番だが、この(ケガレ)については存在は知られているが、まだ極一部の者しか詳細を知らない。

まずは、大戦を無事終えることができた御礼を奉納した。

次は、響家頭領である御子姫と奏家総代となる奏司との祝言であった。


御子姫は剛拳とともに異形の里へ向かっていた。

里に着くと、もうすっかり元服式の準備が整えられていた。どうやら豪鬼の精進潔斎(しょうじんけっさい)が難儀だったようだ。

精進潔斎とは、水垢離(みずごり)をし、全身を洗い清め、精進料理のみで過ごす。本来は何十日も続けなければならないのだが、輪響紋衆では三日間と定めている。


まず養い親の家で、戦装束を身につける。真っ(さら)白晒(さら)しの(ふんどし)の巻き方を剛拳に習う。六尺褌で締込み型にする。奏司も豪鬼も結局は剛拳に直してもらいながら、四苦八苦していた。小袖に袴を着けて出来上がりである。

養い親は、まさかあの豪鬼がこんなに立派な若者になるとは、本当に感無量の様子だった。二人はお世話になった養い親にお礼述べて里長宅へ向かった。


里長宅では、大きな神棚を作ってくれていた。その前に座り、二人は神妙な面持ちをしていた。

御子姫が祝詞を奉納する。


高天原(たかあまはら)神留(かむづ)まり()


神漏岐(かむろぎ) 神漏美(かむろみ)命以(みこともち)


皇親神伊邪那岐乃大神(すめみおやかむいざなぎのおおかみ)


筑紫(つくし)日向(ひむか)(たちばな)の 小門(おど)阿波岐原(あはぎはら)


禊祓(みそぎはら)(たま)ふ時に 生坐(あれま)せる 祓戸(はらへど)大神等(おほかみたち)


諸々の禍事罪穢(まがことつみけがれ)を (はら)(たま)ひ (きよ)(たま)ふと 


(まを)(こと)(よし)


天津神(あまつかみ) 地津神(くにつかみ) 八百万神等共(やおよろずのかみたちとも)


()こし()せと (かしこ)(かしこ)みも(まを)


そして、一人ずつ髪の毛の束を奉納する。伸びた髪を結わえ(はさみ)を入れる。

それを里長にやってもらう。

これで、輪紋衆として戦人(いくさびと)となり、(ケガレ)を祓います、と神様に報告したことになる。


「さあ、これで今日から二人は戦人じゃ」

周囲から口々におめでとうと祝辞が述べられる。

「これで御子姫と一緒に戦で(ケガレ)を祓いに行けるんだね」

「ひめ、いくさ、ケガレ、はらう、おれも」

二人の輪紋の見事さが、戦装束の端々から見える。


「さあ、これからお祝いの宴を開いてくれるから、二人とも着替えておいで」

御子姫は二人がいなくなって、剛拳に話しかけた。

「剛拳殿、どう思う。豪鬼は理解できておるのじゃろうか」

「御子姫殿が奏司だけを連れて行くことを、どう理解させるかが難しいでしょう」


「向こうでは三日三晩宴が続く。私も奏司と祝言を挙げねばならぬ。それを豪鬼がどう思うか…いずれは(つい)にはするが、総代として奏司との婚姻は特別じゃ」

「困りましたな。自分も御子姫殿と結婚すると言い出しかねません」

「そうじゃな、後からなら構わぬが…」

二人の話を聞いていた里長が、笑いながら言った。

「豪鬼には奏司が話をしておりましたぞ。そう心配せずとも、正直に話されたらどうですかな」


翌日、剛拳は奏司が豪鬼に話をしているのを聞いて驚いた。

「いいか、俺は父さんと暮らすために、父さんがいる家に行く。豪鬼の父さんは剛拳だ。剛拳とここで暮らすんだ。俺も御子姫も必ず会いにくるから。わかったか?」

「奏司、父さんといっしょ。俺、父さん、剛拳といっしょ」

「用事が済んだら、すぐ会いにくるから、待ってろよ」

豪鬼は頷いた。どこまで通じているか、それは奏司と御子姫が帰った後にわかった。



戦人の里へ来ると、奏司は御子姫と一緒に、父奨弥の元へ向かった。

「やあ、父さん。元気そうでよかった。俺、明日御子姫と結婚するんだ」

奨弥は相変わらずの無反応だった。奏司は顔を覗き込んで話した。

「父さんが望んだんだよね。だけど、俺は俺の意思で、御子姫のこと好きだから、守っていきたいから結婚するんだ。父さんができなかったことをするんだ」


奏司は奨弥の肩を強い力で掴んだ。

「だから、邪魔しないで。俺の中にいる誰かって、父さんだよね」

「奏司、それは誠か」

「うん、多分そうだと思う。けど、俺は負けない」

御子姫は奏司の背中を抱きしめた。


「父さん、この目の前にいるのが本物の父さんなんだよ。御子姫を放ったらかしにして、母さんにいいようにされて。俺の中に隠れてたんだ、そうだろ!」

「もうよい、奏司。おまえも辛いじゃろう」

「御子姫は黙ってて。これは、俺と父さん、男としての闘いなんだから」


御子姫は奏司を連れて、響家本家に帰ってきた。

「お帰りなさいませ」

双子が出迎える。通常時、昼間は御子姫の代理は双子が務めるようになっていた。今まで頭領代理として働いてくれていた者は、厄年となり戦から引退して間もなく子ができた。今は産休中である。


奏司は初めて訪れる、広い屋敷に驚いていた。御子姫の部屋に至っては二十畳もあり、さらにまだ奥に寝屋まであるという。

「奏司はここで着替えるんじゃ、婚礼用の衣装に。夜は奥の寝屋で泊まっていけばいい。私は仕事もある、こちらの部屋で寝るから」

奏司は御子姫の部屋に入ってから、なぜか見覚えがあることに気がついた。奨弥の記憶と同調しているのだろう。


「この奥に(みそぎ)用の部屋や沐浴場があるよね」

「その通りじゃ。奨弥の記憶か」

「そうみたい。俺、今夜はここに泊まらない方がいいんじゃないかな」

「さっきは男の闘いとか言うておったが」

御子姫は奏司の顔を見て笑った。


「そうなんだけど、俺、この部屋入った時から、御子姫にキスしたくてしょうがないんだ、おかしくない?」

それが己の想いなのか、それとも…と疑心暗鬼になっているのか。御子姫は、そんな奏司に自ら口づけをした。奏司はものすごく驚いていた。でも、その後には御子姫を抱きしめるとキスしていた。

「姫様、お茶をお持ちしました」


双子が挨拶に来ていた。

「奥のことを取り仕切ってもらっておる。わからぬことがあれば、この二人に聞いておくれ」

(となえ)と申します、よろしくお願いします」

言葉(ことは)と申します、よろしくお願いします」

「よく似てるけど、ちょっとだけ違うんだ。奏司です、よろしくね」

「姫様、やっぱり面食いですね、ほんまイケメン」


「これ、そなた等は…まったくいつもいつも…」

双子は笑いながら、今後の予定を話し始めた。祝言は一緒に執り行なう。その後披露宴(祝宴)は、双子は改めて行う。初日は戦人の里の者が全員集まり、祝宴が行われる。

「契りの儀は本当にその後でよろしいんですか」

「ああ、まずは皆に奏司を紹介し、親交を深めてもらいたいと思ってな」


「じゃあ、豪鬼はどうするの」

「豪鬼か…奏司は豪鬼が大勢の初めて会う人の中で、どうなると思う。百人以上集まるのじゃ」

奏司は、豪鬼のことを思い起こすと、ガヤガヤしたところは確かに苦手だった。異形の里で元服式の後に祝宴が行われたが、料理を折に入れてもらって、家に戻って食べたのを思い出した。


「それにな、祝言の後には街まで行って、奏家総代になった挨拶周りもしなならん」

「姫様、そのことで午後から、着物と背広の業者が参ります。こちらでよろしかったですか」

「そうじゃったな。私も忙しかったので一着も新調しとらぬ。私の分も小物も含めて持って来させて」

「うわぁ、なんか大変そ…」

相当疲れたらしく、風呂に入ると奏司は御子姫の部屋で寝てしまった。御簾(みす)があって、その向こうは仮眠用に布団が敷いてある。よく奨弥と睦あった。



御子姫は寝屋で一人寝ていた。

夜半を過ぎた頃、(ふすま)が開いた。奏司だが、何か様子がおかしい。

「御子姫…逃げ…て」

布団をめくると、奏司は口づけをした。舌にねっとりとからみつくような濃い口づけは奏司のものではない。


寝間着の浴衣の帯が解かれ、するすると慣れた手つきで御子姫の体にふれてゆく。

『姫…こっちより、あそこを舐められるのが好きだね…』

奏司は御子姫の太ももを抱えて広げると、あそこへ顔を埋めていった。

『なつかしい、かぐわしい匂いがするよ、姫…』

花弁のような肉のひだを舐めながら、小さな蕾を吸い始めた。舌を使って舐めたり転がしたり、たまらず御子姫は声をあげた。


「ああ、やめて…奏司、聞かないで…、あ、あああ…あぁぁ…いい…」

御子姫の喘ぐ様子に、(なか)に指を入れ、感じるところをくいくいとこすっていく。そうしながら片方の手で、指に唾を垂らすとぷっくり膨らんだ蕾もこすっていく。御子姫はどんどん声を荒げていった。

「あああっ!はあ、あ、ああっ!ああぁぁぁっ!いや…やめ…て…あああ…はあっ!あああ…!」

『イキそうだろう、イケばいいじゃないか…見せてやれよ、イク姿を…』


指は激しく御子姫の感じるところを、くちゃくちゃとこすり続けていた。御子姫の両脚は爪先までぴんとのびて、ひくひくと腰を動かしていた。

「はあっはあっ…ああっあ、あっ、あ、あああああっ!ああ、だめ…」

『ダメじゃないだろ、イクんだろう』

こすり続ける指は、御子姫の汁でぐちょぐちょだった。そこへ太い物の頭をこすられて、肉の口はひくひくとしていく。


『いや、だめ、いやあ…やめて…おまえも、将隆と、一緒じゃ…」

『…しょう……りゅう…と』

「そうじゃ、将隆と同じじゃ、そんなにヤりたいなら、ヤればよい」

いきり勃った物が御子姫の肉のひだの向こうへずぶりと押し込まれた。


「あ、あああああっ!」

御子姫はのけぞった。腕をつかまれてぐいっと引き寄せられると、思い切りぱんぱんと肉と肉が激しくぶつかり合う音が響いた。奏司の目つきは、怒りに満ちていた。

徐々に奏司の手は、御子姫の首へと伸び、首を絞め始めた。

首を絞めながら、激しく腰を振り、肉の棒を腹の内へ打ち付けていた。


「や、やめ、ろっ!」

奏司は、首から片手を放すと、自分の首を絞め御子姫から離れると、自分の動きを制するよう固まっていた。

御子姫は喉を抑えながら、なんとか肩ではあはあと息をついていた。

「御子姫…だいじ…ぶ」


奏司は自分の腕に噛みつくと、血が出るほどギリギリ噛んだ。

「御子姫、首、喉のところ、手の跡…俺…ごめん」

御子姫は泣きながら、奏司に抱きついた。

「謝るのは私の方じゃ、こんな淫らな姿を見せて…」

奏司は御子姫の涙を拭うと、やさしく唇を重ねた。


御子姫が落ち着くまで抱きしめていた。

「悔しいけど、綺麗だったよ。思い出すと勃っちゃうよ」

あはは、変なの…と奏司は笑った。その奏司の勃った物を、御子姫は丁寧にしゃぶった。

「あ、ヤバい、俺、イっちゃうよ、うわっ」

御子姫は奏司の物をうずめていった。奏司に抱きつきながら、御子姫は腰を動かした。奏司はたまらなくなると、御子姫を寝かせて腰を振った。


「俺、このままイっていい?」

御子姫が頷くと、奏司は御子姫の上で果てていた。それをぎゅうっと御子姫は抱きしめた。

「何があっても、全部御子姫だから。大好きだ。俺の方こそごめん。()められなかった」

御子姫は口づけをした。長い間、何度も口づけて、二人は眠りについていった。

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