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【この残酷な世界で俺は生きている】  作者: 半分死体
チャプター1「勇者が生まれた時」
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08話「反息」





気がついたら、俺は知らないところにいた。


でも多分わかることがある、


 「エリナが死んだ。」


そうこの事実はきっと捻じ曲がらない。俺が知らないところにいようと目の前であの娘が死んだ瞬間を確かに感じた。無数の剣に突き刺され、そして死んだ、あの娘は痛みを叫ぶ隙も瞬間も与えずただただ最後にこんな勇者のなりそこないのような俺を部屋へと押し、庇って死んだ。


あの娘は、いつも頑張っていた母親のために必死に働いて、いつか幸せになると信じて頑張り続けていた、健気で頑張り屋で、そして誰よりも希望を捨てなかった。それなのに、


 (もう、いない。)


そんな娘ですら死んだ。なんでだ?


 (俺のせいだ。)


そうだ、俺が助けられなかった、俺が勇者じゃなかったからだ、"お前には"力がなかった。他の誰かが持っているような特別な力はなかった、だからあの娘は死んだ。"お前のせいだ"


 (そうだ、)


"お前は"何もできない。目の前で敵討ちをすることすら叶わず、ただただ惨めにお前もあの娘のように死ぬ。もうすぐ死ぬ、あのこの元へと行ってやれる。


 (あぁ、なんだよ………これって────)


そう、最初から気づいていたはずだ。ここは平和な世界じゃない。戦争をして殺しあう世界、目の前にいるエリナのように力がなきゃ何も救えない。


何も救えない、誰も助けられない。力を手に入れて、力を手に入れて。


 「───────殺してやる………………。」


────そうだ、力があれば殺せる。目の前の奴らを殺せる。首を切って、頭を刎ねて、四肢を切断して、エリナにしたのと同じようなことができる。


 (そうだ、簡単だ。殺す。)


痛みなんて感じない、痛みを感じるよりも早く、目の前の奴らを鏖殺する。誰かが殺されるよりも早く、あいつらを殺してやる。コロス、コロス、コロシテヤル。


 (許さない。)


許してはならない、お前は許されてはならない。お前は罪を負った、あの娘を殺した罪がある。罪があるなら罰を受けなくてはいけない。


 (罰は、罰はなんだ?)


鎌を手に取れ、目の前にある武器を取れ、そして殺せ。殺せ。コロセ!目の前にいる奴らを殺し尽くせ、奴らが生きていることを許すな、それがお前に与えられる罰だ!


 (それが罰なら、コロス。)


 「そうだ、お前はあの時もそう決意した。」


気づけば目の前にはあの男が立っていた。周りは炎で燃え盛っている。夢で見たあの時の光景と全く同じ、ただ違っていたところは無気力に打ちひしがれていた男が立ち上がり、その声には怒り憎しみといった今の俺と同じものを抱いているということ。


 「…………戦え。それがお前の本質のはずだ。」


 「………そうだ。残酷な世界で、」


俺は、奴らに死を送る。


 [シュリリィィ──────ジジィィィィィッン!!!!!]


 [ドン!!!]


扉が蹴破られ、ゾロゾロと魔族が中に侵入してくる。だが幻から覚めた俺は、どこか変わっていた。


[扉が蹴破られる音]


「ァハハァーいた、人間だ。人間だ!殺せ!」


(あぁ、お前たちの声を聞くと)


虫唾が走る。


 [グシャアァァァ─────]




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