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【この残酷な世界で俺は生きている】  作者: 半分死体
チャプター5「ツイン・アリストクラート」
150/192

150話「新たな仲間」





 数日後、俺たちは再開したギルドでいつも通り冒険者稼業に勤しんでいた。ちなみにギルドがしまっていた理由はプレンサが結婚の準備やらなんやらで忙しかったかららしい、俺からすれば新婚さんなんだから、まだ休んでしばらく満喫だとかすればいいのに。とか思っているがあのプレンサがそんな自分に甘えたことするような人ではないことも、まぁ想像がついた。


 「ふぃ〜ちょっと休憩。ほれお主も座らんかゼル。」


 「はいはい。」


エルフルをすぐさま枕がわりにするエルザードは机に突っ伏する。最近少し暖かくなってきたせいかなんだかエルザードはいつも以上に疲れやすくなっている。

見た目はともかく紛れもなく中身はおばあちゃんということか。


 「はぁ信じられん、この間結婚式があったというのに我らの生活まるで変わらんの!」


エルザードが突然大きな声を出して肩をすくめる。そりゃ結婚式と言っても俺たちのじゃないわけだしな、とか思いながら苦笑い。


 「こんにちは。3人とも。」


 「おぉミィーナ!」


ダラダラしている俺たちにミィーナが近づく。どうやら彼女も今日は冒険者稼業に身を投じているようだ。


 「私も少しいい?」


 「どうぞどうぞ。」


エルザードが少しずれて席を譲る。思えばこの二人も最初こそ険悪な感じであってが今ではエルザードはしっかり信頼し切っているしミィーナも初めて会った時よりかだいぶ物腰柔らかく接してくれている。


 「3人は今日も…?」


 「あぁ。ていうかほぼ働き詰めだよ。」


今日も冒険者稼業に?という質問だろう、ならイェスとしか答えられない。まぁ彼女が疑問に思う理由はわかっている最近大きな依頼を受けすぎて普通ならお金が余っているところを俺たちはこうして毎日働いているわけで、そんなにお金を貯めてどうするんだ?と言ったところだろう。人生楽してなんぼとか誰かが言っていた気がする。


 「ま、オフの日は増えたがの。それにゼルの料理のレパートリーも。」


 「へぇ!」


 「こら自慢するものでもないんだって。」


こいつの食費は右肩上がりだ、ちくしょう。食べれる時に食べるだけ食べるみたいなスタンスはこれだから。まぁミィーナに振る舞う分には問題ないと思うけどな。


 「……ねぇ、相談があるんだけど。」


 「お、なんじゃ?」


 「実は、私も……いや私とパーティを組んでくれない?」


 「パーティ?」


というとあれか。エルザードと俺とエルフルみたいにチームとして行動するって申し込みに来ているわけか。


 「……我は別に構わんがどうしてまた、」


ミィーナは一匹狼(猫)気質のはずだ。まぁそれも勝手なイメージだけど、それにミィーナのスタンスと俺たちのスタンスはちょっと違うところもある、それを向こうもわかっているならどうしてパーティを組もうというのだろうか?


いや嫌とかじゃなくて、なんだかミィーナにメリットが少なそうに聞こえるから。


 「……自分を磨くために、貴方達と一緒に行動するのがいいと思ったから。それに色々とお世話になったこともあるし、なんなら行き先も同じことが多いし。毎回他人行儀とかちょっと疲れるし。」


 「なるほどの。我は文句なしじゃ、エルフルも問題ないの。」


 「ピィー!」


 「なら、我らがリーダーであるゼルかの。」


最後に俺に振られる。まぁミィーナにはミィーナなりの目的があって俺たちと行動することもやぶさかではないというのなら、断る理由もないだろう。それに彼女がいてくれればこれからもっと難しい依頼を受けることができるかも知れない。


 「俺も問題ない。でもミィーナいいのか?俺たち以外とも組む選択肢はあるだろ?」


 「貴方達は信頼も信用もできる。私からすればそれ以上の判断基準はないだけ。」


 「そっか。なら──これからよろしくな。」


 「うん。よろしく。」


ミィーナと握手を交わす。よく会う彼女がまさか俺たちのパーティになるなんてのは夢にも思わなかった。


 「さて!新しいメンバーが加わったということは歓迎会じゃ!ゼル、飯!!」


 「さてはお前飯目当てだろ!」


 「ごめん!私もゼルのご飯食べて見たい。」


 「えぇ!?」


エルザードのノリにミィーナが乗ってしまった。これは後がなんだか大変な思いがする。もしかしてミィーナ、俺のご飯目当てで入ったとかそんなことないよなぁ。


まぁ、何はともあれ。歓迎会っていうのはやらないといけないし、今日は腕によりをかけて作るとするかな。




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