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【この残酷な世界で俺は生きている】  作者: 半分死体
チャプター3「プログレス」
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127話「世界樹」





 カリスの案内によって俺たちはついに世界樹の本元とも言える場所に辿り着いた。目の前に立ち塞がる巨大な樹木、とてもじゃないが木という存在だとは思えないほどの大きさ。

まさに名前にぴったりな木だ、それどころかこの木の周りにいるとなんだか心が浄化されるような気分になる。


 「ほぉぉぉっ誠にでっかい木じゃのぉ!!」


 「はい。私たちエルフはこの木を中心に暮らしを築いてきました、その歴史はもう数千年にもなります。世界樹が生み出すマナ、これを扱いこれを体内に取り込むことで私達は魔法と呼ばれる力を使うことができるんです。」


実際にカリスはその手のひらに水を集め始めた。空気中の水分から集められているのではなく本当にどこからともなく。


 「このマナはすべての元素の源といわれ、この水以外にも炎、土、雷などさまざまなものに変換することができます。」


 「へぇ。」


 「ゼルさんは確か魔法に興味があるんでしたよね。ミィーナさんから伺っています。」


 「あぁ。」


ミィーナはそこら辺の説明もしてくれていたのか、こっちを信用していないような目をしていても実際は違うんだなっと思う。


 「では、我とミィーナとエルフルは世界樹の調査でもするかの。我の力がどれほど使えるか……!」


 「ピィー!!」


俺とカリス、エルザードとミィーナとエルフル。二つに分かれた俺たちは各々目的を進めていく。


 「それでは。魔法は基本的にイメージの世界です、」


 「イメージ……」


 「頭にその明確なイメージがあればあるほど正確なものが映し出されます。」


 「ちょっと待ってくれ、まず俺の体内にマナはあるのか?」


 「あると思いますよ。ここ一応世界樹の一番近くですから。多分体がマナを体内に取り込んであると思います。」


それは果たして自動的なのか、それとも強制的に取り込んでいるのか。なんか不安だ、突然マナに適応してないからとか言って身体が爆発したりしないよな?


 「話の続きです。イメージしてください、例えば炎だと燃えているイメージ、水だと潤いのイメージ、雷だと光と轟音のイメージ。。」


 「………」


目を瞑って集中してみる。にしても今のカリスのイメージ、確かにそうなんだけどもう少しそのいい言葉というかいいイメージないわけ?


 「身体全身を意識して、手の中を通るマナを意識してそして対象をイメージしてください。」


 「…。」


マナを意識。意識。。いや待て、マナを意識ってそう簡単じゃないな。第一手の中を通るマナをってなんだよ、感知できるもんなのか!?


っと思いつつつべこべいわずに取り組む。これは思った以上に長くなりそうだ。そう覚悟した時だった、


 「うおおおぉい!!!」


エルザードの声が聞こえて目を開ける。見れば走ってきているではないか、でもその隣にはミィーナがいない。


 「なんかミィーナが落とし穴にはまったんじゃー!!ちょっときておくれー!!」


 「お、落とし穴!?」


俺とカリスはエルザードが手を振る方向に向かっていった。そこには木の根が枯れ朽ちてできた一つの大穴があった。中には上に登れないミィーナの姿があった。


 「ミィーナ!大丈夫じゃよな?!」


 「大丈夫!それより早く引き上げて!」


ミィーナは無事だ。それどころかエルザードの対応の遅さに痺れを切らし始めている。


 「……なんてことだ、世界樹の根がっ。」


カリスは驚いている。見ればわかる、さっきいた場所の世界樹はあんなにも瑞々しく大地に根を刺していたというのに、目の前にある根はまるで枯れてしまった木の根同然、それどころか灰色となってこれまた普通に枯れているのとは訳が違う。


 「なぁミィーナ!その先ってなにか続いている感じか?」


 「…えぇ!」


 「根の中に空洞……もしかしたらその先に行けば原因がわかるかもしれません。」


 「お、どうする?我もうロープ投げるつもりじゃけど?」


エルザードがロープ両手にどうしたらいいのか助けを求めている。俺はエルザードに近くの根にロープをくくりつけて下に投げるように指示する。


今回の依頼、もしかしたら早く終わるのかもしれない。世界樹の根の空洞、そこから続いている場所に向かえばもしかしたら答えがわかるかもしれない。




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