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【この残酷な世界で俺は生きている】  作者: 半分死体
チャプター10「魔王」
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100話「逸話」





 これはこれは偉大な物語。勇者ナリタテンマの偉大な物語。


ナリタテンマは異世界から来た、勇者であった。その力は山をも突き動かして、その速さは雷よりも早く、そしてその心はライオンのように高潔であった。


ナリタテンマは仲間と共にこの地を巡礼し、力をつけ、世界を脅かす悪き魔王を倒すための旅に出ました。


道中は困難ばかりでした、仲間は敵へ寝返り、仲間は敵に撃ち倒され、仲間は裏切り者を救うために命をかけ、そしてナリタテンマは一人で帰ってきたのです。


魔王はそれはそれは恐ろしい存在だったのでしょう。でももう大丈夫。


ナリタテンマがいれば世界は平和になる。世界は平和になる。


誰も苦しまなくていいのです。誰も悲しまなくていいのです。誰も怯えなくてもいいのです。


さぁ、勇者様に祈りを捧げましょう。この世界を永遠に守っていてください。私たちのために永遠に守っていてください。


偉大なる勇者様、あなたは私たちの希望です。だからどうか、私たちから目を離さないで、だからどうか、私たちを放っておかないで、だからどうか、私たちのために生きていてください。


これらの賛歌や逸話は全てあなたのもの、あなたを讃えるもの、だから喜んでください。


私たちは毎日祈りを捧げますから、だからいつまでここにいて私たちをお救いください。


悪き存在を全て打ち滅ぼし、私たちを真の平和へと導いてください。


ナリタテンマ様、勇者ナリタテンマ様。


神の使いで、世界を救った勇者様、どうかいつまでも世界に安寧を。



でも忘れないでください。世界にはあらゆる困難があるのです。だから、次はどうか。あの果ての地までも私たちのために打ち滅ぼしてください。




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